第6話 晩餐会2
すいません!私用により投稿を遅らせてしまいました。
「私がリトランダ王国の国王ヨゼフ・リトランダである!勇者諸君、今日はよく集まってくれた。既に話は娘のイリスに聞いていると思うが、君達には残虐にして無慈悲なる魔王を討伐してもらおうと思っている。何故かというと既に我が国の民が魔王によって何人も殺されており、更には我が国の領土の四分の一までもが攻め落とされているからだ。しかし訳も分からずに連れてこられた勇者諸君には余りにも急な話だと思う。話によれば先代の勇者達も争いの無い国から来ていたと聞いているし、諸君の様子を見ている分には君達も平和な国から来たであろうことは見て取れる。そんな君達にいきなり魔王と戦えというのも無理な話だと重々承知している、まずはこの世界に連れてきてしまった事を謝りたいと思う。」
おいおい一国の主がそんな簡単に謝っちまっていいのかよ?周りの貴族とかも相当動揺してるし多分王様が言う予定は無かったぽいしな。日本の会社や国のトップたちは良く頭を下げるけど、交渉の場なんかでは自分の弱みを晒すような行為明らかに厳禁なのは異世界とはいえ常識なはずだ。それにもかかわらず恐らく準備されていたであろう原稿を無視して軽々しく頭を下げるという行為はアホとしか言いようが無いぞ。
アレか?この国の王は馬鹿なのか?それとも極度のお人好しだな。どちらにせよ実際の政治は周りの家臣たちにやらせているという感じだな。しかし勝手に原稿にもない―――と思われる―――セリフを言うことが出来るということは、権力をすべて奪われているという事ではなさそうだ。という事は上手く懐柔されて本人の気付かぬ間に操られていると考えたほうがいいのかもな。まぁ貴族たちの反応が演技だったりこの世界の風習であったりする可能性が否めない以上、あくまでも仮定にしかしすぎないんだけどな。
「次に勇者諸君に二言三言言いたい事がある。実は敵である魔王は我々の気付かぬ間に裏で勢力を拡大していたらしく、前回の魔王よりもその力は強大なものであると見られている。これについて私は重大な事態だと考えている。そこで先代の勇者たちはすぐに魔王討伐のための冒険に向かったとされているが、君たちにはある程度の特訓受けてもらおうと考えている。君達についてはイリスからある程度連絡を受けていると思うので大丈夫とは思うが一応確認しておく。長い話になって申し訳なかった。これから魔王討伐という史上稀に見る大偉業を達成する君たちのためにささやかな晩餐会を開かせて頂こうと思う。皆のもの、用意はいいか?乾杯!」
ヒャッハァァァァァァァァアァァァァァァアァァァアアァァ!!!!!!!!!!!
祭りじゃぁぁぁぁぁぁあああ!
食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい
「いっただきマース!」
「いい加減にしなさい!」
「ゴハァ!何するんじゃゴラ!俺は今めっちゃ腹が減ってるんじゃ!さっさと食わせろ!」
「ここは国王が勇者のために直々に開いた晩餐会なの!下品な事は慎みなさい!」
「うっ、そ、そうだな。お前のいうことも一理ある。静かに食うとするか...」
「分かればいいのよ、分かれば。」
「小鳥遊の奴だっせ、西園寺に怒られてやんの、プッ」
うぜえなジャ〇アンの奴...あとでぼこすか...
そんなこんなで夜も更けていくのであった。
「あ〜食った食った。流石に腹がいっぱいだぜ。」
「アンタどんだけ食えば気が済むのよ...皆ビックリしてたじゃない...」
「え?何で?別に俺はあれが限界じゃねぇぞ。もっと食おうと思えばあの2倍は固いね。」
「だからそんなに太るのよ...」
「うっせ」
あの後晩餐会を終えた俺たちは自分たちの部屋に向かっていた。
晩餐会では朱里が相変わらずモテていた。こっちの世界の人は基本がレベル高いんですよね...ちくせう。
しかしそこで朱里ちゃんのスルースキルが発動!並み居るナンパ野郎を丁重にお断りしておりましたよハイ。
その時に「私には心に決めた人がいるので」とか言ってたけど嘘だよね?嘘だと言ってよぉ。もしいたとしてもお父さんは絶対に許しませんよ!お嫁なんかにやるもんですか。私の朱里ちゃんは渡しませんよ!...いかんいかん。ついオカマ口調になってしまった。俺にそんな気は無いはずだ!...と信じたい。
「じゃあな!西園寺!また明日!」
「お休みなさい。腹だして寝ないでね。アンタそれでよく風邪引くんだから...」
「分かってるよ、異世界初日でそんなことするほど俺はアホじゃねぇよ。それよりお前の方は大丈夫なのか?涼の姿がさっきから見えないんだけど。」
「あら、涼はさっき調子が悪いとかで先に部屋に戻ったわよ。顔が赤くなってたし足取りもおぼつかなかったけど大丈夫かしら...」
「それ絶対酔ってるだろ!何で気付かないんだよ?ってかお前ら一緒に居たんだったら止めろよ!ここは日本じゃねぇんだからこの歳でも飲酒可能なんだろ?まぁ大方ブドウジュースとでも思ってワイン飲んじまったんだろうが...」
「日本にいた時未成年ってはっきり言ってたからワインなんて勧められたことないんだもん!私だって酒出てこないようにと思って給仕の人にもちゃんと未成年だって言ったしまさか出てくるなんて思わなかったんだもん!それにアンタだって昔甘酒と御神酒間違えて飲んで死にかけてたじゃない!え、ちょっと待って、涼はベロベロに酔っ払ってるのよね?」
「ああ、多分そうだとしか考えられないけど...どうしたんだ?」
「今涼は酔っ払って寝てる...私が部屋まで付いて行って...寝かせた後は鍵を閉めるために持って外にた...と言うことは無防備な涼になんでも出来るってことじゃない!最高だわ!こうしちゃ居られない!隼人お休み!また明日ね!」
……………今すげースピードで走ってたな...ご愁傷さまです涼、君が俺の良きであったことは忘れないよ...
さーて夜も更けてきたし俺も寝るとするか...俺は鍵をちゃんとかけて寝るから誰にも襲われるわけない!じゃあな涼よ、俺は勝ち組の仲間入りだぜ!...何の勝ち組かはよくわからんけど...あっ、そうだそうだ、寝る前に他の能力の確認もしなきゃって思っていたんだっけ...とりあえず風呂にでも入るか...
五分後
はーさっぱりした。五分で風呂とか早いって?残念だがこの世界には風呂が無いみたいだな。
風呂という概念が存在しないとか退屈な世界すぎんだろ!まぁ日本にいた時もカラスの行水状態だったし入浴時間はそこまで変わっているという訳でもないんだけれども。...この布団めっちゃふかふかそうでいい感じだな。ちょっと寝て...スピー...
しばらく後
「もう音もしなくなったしそろそろかな...」
(こんな鍵針金一本で開けられちゃうのに馬鹿なんだから...でもそんなところも好きだよ、隼人?)
「やっぱり寝てる。隼人ってば授業中もすぐ寝ちゃうんだもんね。」
(ふふっ隼人の可愛い寝顔。しばらくこのままでも...良いよね?)
こうして夜も更けていくのであった...
いかかでしたか?やっと1日目終了です。これからは流石にもっとテンポ良く進めるつもりです。次回、ついにあの人が……
次回は1週間を目標にしていますが遅れる可能性が高いです。