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気付く者、気付かない者
「告白…かぁ…」
言葉に出して人に伝えるというのは、やはり勇気がいる。
友達に好きと言うのとは違うのだ。
考えて、アリスの頬が知らず知らず赤く染まる。
「あー!アリス何かエロいこと考えよんやろー」
「本当や、顔赤いよ」
友達は、そう言いながらケタケタ笑った。
周りの男子が注目する。
恥ずかしい。
「もう、そんなこと考えてないし!変なこと言わんといて」
ちょうど休み時間の終わりを告げるチャイムがなった。
蜘蛛の子をちらすようにバラバラと生徒が動く。
席につく者、自分のクラスに戻る者。
その中に、アリスの想い人、野崎もいた。
野崎は、クラスに戻る前にちらっとアリスを見たが、アリスは友達を恨めしそうに見ていた。