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夢なの?

もし、君が人にない力を得たらどうする?

                  


                       周囲はどう見る?




君は英雄になる? 




                                        それとも……


「さて、今日は何しようかなぁ…」


 HRもたった今終わり、学生の義務から一時解放された事を喜びつつ、ボクは家に帰ろうとしていた…といっても、すぐに帰れるわけじゃない。


 ここ最近変質者が出るとかで、ボクの通う根号こんごう高校では集団下校が義務付けられており、ボクは他の従過じゅうか町組何人かとともに帰らないといけないのだ。


 まったく高校生にもなって集団下校とはめんどくさいもんだ。


そんなことを考えていると「星川ー、帰らない?」と声をかけられた。


 彼女は海風 里香 (うみかぜ りか)ボクと同じ獣過の住人にして、今日唯一一緒に帰る相手である、本当はもう一人いるのだが、そいつは風邪らしく、今日は登校していない。


 「そうだな、帰ろう」


 そうそうボクの紹介を忘れていた、ボクは星川ほしかわ すず、なんの変哲もない普通の高校生だった…


このときまでは…


◇◆◇


─キンッ!キンッ!─


「ッ!! なんか頭痛……? にしては痛いわけじゃないんだけど……頭の奥が重いような鳴動しているような感じがするんだよな…」


 なんだろうか……頭の奥で何かが鳴ったような……不思議な感じがしたのだが痛い訳ではなく……それはなんとも奇妙な感覚だった。


「星川もなの? 私も最近なんか頭の奥がキンキン鳴ってるのよね……風邪かしら?」



 不思議な感覚だったのだが、海風さんが同意してくれた……どうやら流行している風邪か何かなのかもしれない……。


「んー……にしては他の奴が口にしてるの聞いてないんだけどなぁ」


「流行り始めでまだあまり症状でてる人がいないだけじゃないかしら……私もきいてないわね」


 その後話すことも無くなりしばらく歩いていると海風の家が見えてきた…いつもどおりそこで別れ、どうでもいい事を考えていると……気付けば自分の家に着いていた……。



 「右目が霞むな……」


 夕飯その他を済ませ後は寝ることとゲームする事ぐらいしか無い訳だが……今日は右目がピンボケ気味だ。

今日はまだあまりゲームをしていないし、テレビ番組もほぼ見ていない……恐らく風邪の所為だろうと考え布団に潜り込み目を瞑る……と何かがおかしい、電気は消したはずなのに右目だけ明るい……。


 「なんだ……これ!?」


 気付けば右目だけでなく、両目の視界に何かが見える……草原だろうか……見たこと無い景色なんだが……。



━━━━━━


「朝よー!! 起きなさーい」


 「あれ……」


どうやらボクは寝ていたらしい……というか昨夜のアレは単なる夢だったのか……


「不思議な事なんて漫画やゲームの中しかありえないよなぁ……」


 急いで支度をし家を出るとややギリギリだった……朝は集団登校ではない為(早朝はサラリーマンなど人の目が多い為問題ない)学校へと直接向かう事になるのだが、間にある幅50mほどの雑木林を突っ切ると、時間が少し短縮出来る……一人なのだし使う手しか無いだろう。


 小さい頃はこの雑木林で遊んだものだし、ショートカットに使うことも時々あるのでなんなら考え事しながらでも転ばずにいけるのだが……なにやら普段と違うような…。


ガサッ ガササ…


「なんだ!?」


斜め前から茶色い何かが飛び出してくると同時にムッとする獣臭。


「ッ!」


気付けば犬だか狼だかに腕を噛まれている……と認識した時には犬っぽいそれはどこかへと走り去っていった。


「あれ……噛まれた割たいした事ない?」


 確かに噛まれた後があるにはあるのだが、微かな傷があり、うっすらと血が滲んでいるだけで……5分もしたら噛まれた後が解らなくなるような浅い怪我だった。アレは何をしたかったのだろうか……ってそんな事考えてる場合じゃない!!


「あぶねぇ、学校に遅刻する!!」


 「セーフ……」


 なんとか時間内に学校にたどり着き椅子でぜーはーぜーはしていると先生が来てHRが始まった。



━━━━━━

「海風さん牛に噛まれたの?」


 ボクらは放課後のHRも終わり、昨日と同じく海風と一緒に帰り道を歩いていた。


「噛まれたっていっても咥えられたって方が近いけどね、元々あった擦り傷に歯が当たったから痛かったけど」


 偶然とは不思議なものだ、昨日ボクは狼のような何かに、彼女は牛に噛まれ…そんな二人が一緒に下校してるのだから。


 そういった事を考えているうち海風と別れ、家へと着き、食事その他が済んで気付けば自分の部屋にいた。


ただ獣に甘噛みされただけといえばその通りなのだが、平凡な生活をしていると自負しているボクには刺激が強かったのかもしれない……思い出して少しドキドキしているのを悟られないようにするのが難しかった位なのだから……。


◇◆◇


「うぅん?」


 風が吹いて寒いな……寝る前に窓は確認したはずなんだけど……。


目を開けるとそこは昨日見た夢の光景そのままだった、横に不思議そうな海風が居ることを除いては…。


「夢なのにリアルだな?」


━━━━━━今にして想えば、もっと良い台詞を言うべきだったと思う━━━━━━ 

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