序章
「ちくしょーー!!!!」
時刻は9時45分、どの家も電気がついている。
この夜、公園のベンチに座って俺は困っていた。
「どうして誰も金を落とさないんだ」
実は今、俺は一文無しであった。
俺の年齢は26歳、性別は男、誕生日は5月1日。
俺には記憶がない、知っているのは自分の年齢と誕生日、性別だけだ。
そう、俺は記憶喪失なのだ!
原因は、親による暴行らしい。
そして今日俺は病院から抜け出した。
「こんな事だったら病院に居た方がよかったかなあ」
俺が病院から抜け出した理由、それはよくわからない、でも逃げたいと言う気持ちだけがなぜかあった。
「これからどうするかなあ、やっぱり働くしかないかなあ」
彼は気がついた。
「ていうか俺自分の名前わからないじゃん、どうしよう、このままじゃ何もできない」
そしてとっさに思った。
「よし、名前を考えよう」
でも彼はさらに思った
(あれ、でもなんで誰も俺の名前を教えてくれなかったんだ?)
「あれ?あれ?あれ?あれ?」
そのときだった。
「簡単だよあなたの記憶はにせもの」
どこからか声がした、わかったのは女の声それだけ。
(何だ?)
「今あるあなたの記憶はすべてにせもの、あなたに親は居ない」
「私はあなたを助ける、行こう私と」
気がついたら前に少女の姿があった、16歳くらいの少女の姿が。
「なんだ、おまえは誰だ、こんな時間に居ると親が心配するぞ」
「いいから行くわよ、殺されるわよ」
この瞬間俺にはわかった彼女の真剣さが、でも意味がわからない、殺される?
気がついたら周りが光っていた。
「なんだこれ」
数秒で光は消えた、でも周りの風景は変わらない。
彼女は言った
「着いたわよ」
彼は思った。
(着いた?どこに?何にも変わっていないじゃないか)
「まるで何にもわかっていないって顔ね、じゃあ説明するわ、一回わたしの話をすべて信じなさい、まず
ここはさっきの世界ではない、ここは私が作った世界なの、だからこの世界にはまだ人が30人ぐらいしか居ない、さっきあなたが居た世界は別の人が作った世界、その人はいろんな状況に人を置いて、その人がどうするかを見て楽しんでいる、ただその人は過ちを犯した、世界を作る人、私のような人を自分の世界に入れてしまったの、それがあなたってわけ、通常私たちは自分が作った世界で人や動物を作らなければいけない、もしやぶった場合は殺されてしまう、だから気づく前に証拠を隠滅しなければいけないつまり殺さなくてはいけないってこと、だから私はあなたを救った、わかった?」
当然わかるわけがない、大体さっきも今も変わっていない。
「だったら証拠を見せてみろよ、ここが違う世界だって」
「そんなの簡単じゃない、まだ今の時間は10時周りを見てみなさい」
俺は周りを見回した。
「あれ、誰も電気をつけていない」
「でしょ、これがさっきの世界と違う証拠、さっきの世界は発達していたせいかざっと人が9000万人は居たわね、まあ私は興味がないからこれ以上増やす必要はないけど」
「ちょっと待ってくれ、気持ちの整理をさせてくれ」
「ああいいわよご勝手に、どれもこれも空き家だから、今日は好きな家で寝るといいわ、後、また明日この公園に来てよね、いろいろ話すこととかあるから、じゃあ」
すると彼女は消えた。
「もうなんなんだよ!」
俺は適当に家に上がり寝る準備をしていた。
この家ではテレビ、風呂、エアコン、ラジオなどがあったがどれも使えなかった。
「意味がわからない、世界が変わった!?確かに俺には記憶がないけど、知識はある、でも実際に
この家だって空き家だし、もういいや、今日は寝よう」
そしてわけのわからない夜は終わった。