告白のない終わり
好きな人がいるけれど、告白できない。
その人は、私じゃなくて別の人が好きみたいだから。
私は思いを伝えたい。
かなわないことを承知でそうしたい。
けれど、それで、相手の迷惑になるのなら、我慢すべきだと思う。
私が自分というものを出すの苦手なせいもあるけど、なにより相手に恩があるから。
人生の足を引っ張るような真似はしたくない。
学生である私が、あの人の近くにいられるのは、あとわずか。
卒業してしまうから。
進学や就職で、未来の道はそれぞれが別々。
一緒にいられるうちに、クラスメイトでいられるうちに、この問題を解決すべきなんだけど。
どうすればいいのかわからないな。
解決すべきじゃない問題も世の中にはあるのかも。
何でもかんでも解決してハッピーエンドってわけにはいかないもんね、現実は。
酷い事や悲しい事になるくらいなら、そのままで構わないかな。
私自身は思いを伝えたい。
日常のふとした場面で追走思ってしまう。
恋人つなぎをするカップルを見たり、両親の姿を見たり。
一緒の家に入っていく新婚さんを見たり、あるいは家族に笑いかけられる赤ちゃんの姿を見たり。
そんな光景をみるたびに、私は何度も心に問いかけることになる。
このままでいいのかって。
でも、何度疑問を持っても同じ結論。
このまままでいい。
私の恋は答えを得ないまま、終わらせようって。
何のけじめもつけずに、終わりもはっきりと自覚することのない。
そんな恋でいいって。
立ち向かう事も、打ち砕かれることも、すべて私の都合で自己満足だから。
大切な人の重荷になりたくない、足手まといになりたくない、枷になりたくない。
だから卒業式のその日も。
「元気でね」
たったその一言だけで、私は彼とのやりとりを終わらせたのだ。




