表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナイトコードΩ 【残響の封印】  作者: 神北 緑


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/119

天使の涙 ― 因縁の雷鳴

仲間たちが境界へと集い、静かに息を整える中、

その先で待つ“何か”だけが、確かに世界の均衡を震わせていた。


稲妻が空を裂いた。

土煙と雪の結晶、砕けた雹が雷雲に巻き上げられ、螺旋状にうねる。


その中央――頭部に三本の角を持つ影が、確かに確認できた。


ドローンの映像が乱れる。


「こいつは……やっぱり間違いない。カリースだ!」

ルクジムの奥歯が、無意識に噛み締められた。


映像に映るのは、ギャオの裂け目の中で佇む異形。

モスグリーンの肌に、赤いひび割れ。

高エネルギーの電波干渉と土煙で画像は不鮮明だが――記憶の底に焼き付いたその姿は、間違うはずもない。

最大の難敵にして、最愛を奪った厄災――カリース・ヴァングレア。


他のドローンからの映像に、大きな影がもう三つ。


「熊……?しかしあのサイズ、北極熊か!それにもう二つは……セイウチか!」

エドの声色が変わる。


「奴ら、厄介なもんを魔界印獣タトゥーにしやがったぜ。しかも片方は**レッドアニマル(絶滅危惧種)**だ!」

通信機越しに、スーマの声が鋭く響く。


「オッサン、ルクジム!もう止めねぇが、体力を温存しろ!バギーを出せ!」

「一小隊はキャンプの護衛だ。エド、ミラ、ジョー、カーロスはΩブレードを携帯しろ!セシル達を頼む!」

スーマが素早く指示を飛ばす。


「Ωブレードって言っても……これ、柄しか無いぞ?」

エドが不思議そうに三人へ配る。


セシルとルクジム、ヌエのバギーは雪を巻き上げ、裂け目へと疾走する。


「ったく、あいつら少しはこっちの事も考えろ……。」

エドたちのバギーも後を追う。


「ケイト、ライアン、タイラー、ビル――QRボット散布後、念のためオメガワンで待機してくれ。」

スーマはオメガワンクルーにも指示を出す。


「……救護用カプセルに高反応リンクシステムマニュピレーター搬入終了。こっちの360度スクリーンに専門医10名待機済よ。」

リリアンの通信が入る。


(誰の命も奪わせはしない。)

ドクター・リリアンの心の声が、冷たい空気に溶けた。


「んっ、画像が乱れて見にくいが……カリースに対峙している紫色の大きな影は何だ……?」

一瞬映り込んだ映像に、スーマが息を呑む。


緊急を告げる警告灯が、激しく点滅していた。


天使の涙は、まだそこにあるのか――

それとも、すでに“誰か”に触れられているのか。


轟く大地に雷鳴が吹き荒れ、嵐が裂け目を飲み込む――


その境界線に向かうメンバーが目にするものは……。


「アルマンナギャオ ― 前章戦」へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ