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八番目の偽心者  作者: 参龍頭
序章 〜新たな道、目指す先は変わらずとも〜
4/7

心の拠り所

少しすると私の頭に聞き覚えのある声が聞こえてきた。


【イア様。ありがとうございます】


ハクさんだ。

声色はさっきと変わらないが声の聞こえ方が全く違う。

心の中に直接響くような感じだ。


【ええ、今はイア様と思念で繋がっていますから】


なるほど、って思念ってなに?

と心で思っただけで届くのがいい。

いちいち口で話さなくてもいいからだ。

それに『思念会話』という魔法を()の中で見ているから現実味が増す。


【思念とは自分の意思や感情、つまりは考えていることです。それに『思念会話』とは違います。これは『心眼』と言うスキルです】


ハクさんの解説モードがまた始まった。


「なにが違うの?」


【2つの違いは思念をどのように使うかにあって全く別物です。『思念会話』は自分の思念を伝えたい相手に送り、『心眼』は相手の思念を読み取ると言う能力です】


強要と覗き見ね。

つまりハクさんみたいな変態が使うのが『心眼』と言うことか。


【そんなわけないじゃないです!!】


さっきから凄いですねキャラ崩壊。

まあ冗談はほどほどにして本題に入ろうか。


「どうやったら『心眼』の効果を無効化出来るの?」


【……私が言うのは少しおかしいとは思いますが、()()なくても良いのですか?】


ハクさんは少し間をおいて私にそう言った。

話が繋がっていない。

何を聞くかなど『心眼』とは全く関係がない。


【そうなのですか。ならば良いのですが…】


ハクさんはまた『心眼』を使い、私の心と会話している。

ところで本題は心眼の対処方法なんだけど。


【すみません。いらないことを気にしていたようです。『心眼』に対処するにはこちらも心を守る防壁を用意しなければなりません。補助魔法の《読心妨害(アンチリアドレス)》や『思考隠蔽』のスキルなどですね。

もう一つ別の系統で自分を自分で心から騙すという手段もありますがこれはイア様には向かないので前者を極めたほうがいいと思われます】


うん、私には不可能だな。

そういえば、さっきハクさんに魔力を譲渡してもらっていたけど、それみたいにスキルも渡すことって出来るのかな?


【『思念隠蔽』のスキルを渡すことはできますが不完全な状態になりますのでやはり魔法を練習したほうがよろしいと思います。今ならば私も教えることが出来ますし、イア様の魔力量でしたら問題ありません】


なるほど、つまり《読心妨害(アンチリアドレス)》は消費する魔力量が少ないと。


【いえ、発動中は常に魔力を消費しますし、消費する魔力量も―】


周りから足音が聞こえた。

一人かな?


【手練れですね】


ハクさんが感心するように言う。

足音だけでて誰かどうか判別するとは流石の一言だ。


【いえ、警戒しているのはその一人ではなく足音を含め、気配を消して行動している2人の方です】


1+2=3......3、3かぁ〜。

いやいや現実逃避はやめよう。

混乱してから自分に自分でツッコミ入れている。

少し冷静にならないと。

………つまり3人いるってことだよね、ハクさん。


【はい。敵だった場合私が出て粉砕します】


粉砕はやめて!?

まだ敵とは決まったわけじゃないんだし、戦う力のない私がいうのもなんだけど、少し会話させてくれる?

危なかったら攻撃してもらって構わないから。


【そうですか。ですが、無理はさせません】


はい、わかりました。善処します。



▽▽▽



ハクさんと脳内で会話していると人の声が聞こえだした。


「本当に竜はいたのでしょうか?」


「ああ絶対にいる。この俺が見間違えるわけないだろう」


会話の内容からしてハクさんがここにいたのを見つけて来たというところだろう。

ハクさんのことを知られていなければどうとでも…『心眼』のせいで少し疑心暗鬼になっているがおそらくは誤魔化すことができただろう。

でもこうして人の会話を勝手に聞いているとハクさんみたいな覗き魔になってしまう。


【まだその話を引きずっていたのですか?】


もちろん。でもハクさんの覗き魔よりはいいと思うよ。


【もう私は何か反論するのはやめますので今直面している問題について考えてはどうですか】


一応プランはある。

だけど、その後の印象が悪くなる。

貴族社会上この選択肢は悪手といえる。

ただ、これしか手段がないのも事実だ。


【確かに政治を考えるとそうですね。しかし一般市民が生活するときに知らない人と会話するときにその様になってしまうのは必然だと思います。ただし、相手の性格が腐っていなければ、ですが】


ハクさんは腐っていなければのところだけを凄く強調した。

私は一般市民の生活とは程遠いところで暮らしてきたからわからないが、ハクさんを信じよう。

ほんの数時間しか一緒にいないが信用することはできる気がする。


―試してみないことにははじまらないさ。損する得するなんてあとでいいよ。君のしたいことをやってみな。僕は君ならできると思うよ―


先生は試すことが大切だと言っていた。

私は腹をくくることにした。


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