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八番目の偽心者  作者: 参龍頭
序章 〜新たな道、目指す先は変わらずとも〜
3/7

契約

ハクさんは説明の許可を取ったからか長々と話を進めた。

それも10分20分などのレベルではなく大体2時間位話し続けている。

そんなに話して喉は痛くならないのかと思ったりもしたのだが、魔物なので再生すること言うことで触れてはいない。

話の内容を要約するとこうだ。


まず“竜王”と言うものについて説明を始めた。

最初はここに来た経緯からと思い、違和感を感じたので聞いてみると…


「すみません。今からお話することを先に説明した方がわかりやすいと思ったのですが…」


など少し後ろめたい感じで答えてくれた。

そもそも記憶がなんだとか聞いているのでなぜか敬語を使っていることはスルーするが、ハクさんが引くことはないと思うのだけど…

しかしその後ハクさん曰く、私は竜の末裔らしい。


ふ〜ん、はあ〜、へぇ〜。


思わず疑問の三段活用をしてしまった。

話の脈絡から考えてその話はないと思っている。

あるとすればその竜王?とやらがなにかこの王都近郊になにか用がたまたまあってそれがここであっただけだと思っていた。

しかしそれは私がここにいる理由に繋がらないので一番最初に思い浮かべだ案なのだが破棄した。


それよりこの話は一見嘘に見えるがそうではないことがわかる。

力で勝っている種族は力で劣っている種族に対して嘘を付く必要がないからだ。

ましてや指一本も動かすことの出来ないであろう女の子にはその行為に意味なんてない。

するとすればこの私が言うのもなんだが愚か者のすることだ。


ここまでは頑張れば理解できる領域の話だったが次からは次元が違った。

一言で言うならば何を言っているのかわからない。


特にハクさんがいった言葉の中でこの言葉


「私がここにいるのはイア様が窓から飛んでいっていたからですよ?」


言葉の意味はわかる。

だが、なぜかは全くわからない。


ただベッドの上で寝ていただけなのにそんなことは起きるのか?

可能性としては―いや、考えるのはよそう。

そしてハクさんはその状態の私を空中で受け止めたらしい。

ハクさんがいなければいまのこの全身が動かない状態よりさらに悪い状態、というか下手すれば死んでいた可能性だってある。

その可能性の方が高いと言っても過言ではない。

つまりハクさんは命の恩人というわけだ。


それ以外にもいろいろと説明をされたのだが、魔力の波長とか、スキルがどうのこうの言われているが詳しく聞いても意味のわからない語句が並べられるだけなので意味がなかった。

わからないことは話されても意味がないので話の9割くらいは聞き流していた。



▽▽▽




ハクさんの話が終わった。

話を遮るのは少し違うと思ったので、言わないでおいたが、お礼を忘れてはいけない。


「あの〜ハクさん。あ―」


なぜかハクさんがめちゃくちゃソワソワしているのだが?!

意味がわからない。

何かあったのか?


「もしかしなくても、何か用事があったの?」


そういえば話をしているうちにハクさんと話す恐怖を薄れていった。

心の内が少しわかったということだろう。


「いえ、全然そのようなことはありませんよ」


否定をしていたがまだハクさんがソワソワしているのには変わりがない。

もういっそ聞いてみたほうがいいな。


「どうしたの?なんかずっとソワソワしているけど」


遠回しには聞かなかった。


「えーっと…いいのでしょうか?少し失礼だと思われますので…」


失礼?それは私の方だと思うんだけど。

自分より強い生物に対して敬意を払わないのがまさにそうだ。

私はハクさんに許可をもらっていることだしいいと思うけど、別に失礼とか全然ないと思う。


「遠慮とかいいから。話すだけならどうにもならいいでしょう?」


「そう…ですか。ならば、この私と『主従の(マレアティア)契約(サーメント)』を行ってくれませんか?」


ソワソワしていた状況から一転して真面目な表情に戻った。


「はい?」


「ありがとうございます。どうやって行うのかを説―」


なぜかハクさんの中では納得したらしい。


「ち、ちょっと待って!?私まだ良いとか全然言ってないんだけど!!」


「主従と言いましても前王との契約が残っているだけで完璧なものではありません。なので契約をしてもらえば完璧な者になります」


私の言葉をガン無視してハクさんは言った。

完璧なもので無くとも全然いいのでは?と思っているがそれを口にするほど私は馬鹿ではない。

別に話したとしても否定はされないだろう。

だが、その後のことを考えると言わない方が絶対にいい。


ハクさんの様子を見るとめちゃくちゃ契約してほしいのだろう。

しかしその前に確認しておかないといけないことがある。


「契約を行ったときのメリットとデメリットってわかる?」


ここは損得勘定で決めたほうがいいと思う。

私がそう聞いたら白竜は少し考え込んだようにして答えた。


「前王はデメリットはないと言っておりました。しかし、メリットはあまり教えてくださらなかったのですよ」


秘密主義なのか?その前王って人は?

そういえばさっきから話にちらほらでている前王って誰だ?


「あっ……説明していませんでしたね。

それは前の時代の竜王のスキルの保持者のことです」


またもやハクさんは心を読んだように答えた。

確定。

心を読む魔法かな?

まあいちいち口にするまでの時間がめんどくさいだけだろうと思うけど。

別に私を罠に掛ける必要をないからね。


「まあ、するよ。契約」


「ありがとうございます!!!イア様!!」


少しキャラ崩壊…


「それで、どうやって契約ってするの?」


内容は全く聞いていない。

魔力をどうにかするのだろうが、私は得意ではない。


「いえ、心配しなくとも大丈夫です。足りない魔力はこちらが()()しますから。」


そんなことが出来るのか。

私は家族の中でも魔力が一番低いので助かった。


「本当?契約をする方法が全くわからないんだけど…」


「確か…魔力を込め詠唱後に契約魔法『主従の(マレアティア)契約(サーメント)』を使えばよかったはずです。詠唱送りますね。」


送る?聞いたことのある表現だな。

実際には聞いたと言うよりは知っただけど。

あの《思念会話》とかいうやつだろう。

《思念会話》が私の頭の中に響く。

にしても全く聞き覚えのない詠唱文だな。


「ここに主従の(えにし)が結ばれ、(シモベ)(あるじ)の絆によりここに断ち切れぬ誓いを繋ぐ、『主従の(マレアティア)契約(サーメント)』」


魔法が発動するとハクさんの姿が柳色の光の粒子に変わり、ゆっくりと私の心臓へ吸収されていった。

魔力が譲渡された感覚は全くなかったが一応魔法は発動した。

その後少しすると私の頭に聞き覚えのある声が聞こえてきた。


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