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八番目の偽心者  作者: 参龍頭
序章 〜新たな道、目指す先は変わらずとも〜
1/7

廻るいつかの話

周囲には夜の視界が悪くなるほど森の木が茂った雑木林が広がっている。

前方にはおびただしいほどの数の兵士達が部隊を展開している。

それは何か悪いことが起こるかのような前兆で…

それもそうだ。なぜなら私が宣戦布告したからだ。

敵さんの大将としては絶対に負けてはならない戦いなのだろう。

兵士の顔はあまり乗り気ではないように見える。


そんなことを考えているうちに彼女が私の影から飛び出してきた。


「イア様、目標を確認できましたわ。対象は前方150kmで円状に部隊を展開しておりますの」


全くもって円状に部隊を展開しているとは見えない。

だがそんなことは百も承知のはずだ。

ならば疑うべきは敵を発見次第布陣を変化させるという戦法か…


「オッケー。ありがとうね」


「どういたしまして。それよりも一応報告しておいた方がよろしいかと存じ上げますわ」


一応報告?あ〜あれか。

私がわかったような素振りをし、その後頷くと彼女はわかりきったことのように話した。


「それでは…もう言い逃れはできないと思われますが、あのゴミ共―国王とその家臣は自国の民や兵士達には何も説明せずに全世界に対して違法薬物を販売し、自国のみならず他国にまで被害を及ぼし、さらには奴隷売買にも手を付ける始末…やはりゴミらしい行動ですわ―こほん、完全に規定違反であると言えますので早く潰した方が世のためといえましてよ」


だろうな。そうでなければ私たちがここまで出張ってくる必要がない。

奴隷売買に関しても昔はともかく今は各国だけの事情と言うわけにはいかなくなった。

薬物売買人生よサラバだ!!

その様な副音声が聞こえてきそうなのだが結局は牢獄で罪を償ってもらうことになるだろうし、その通りだと思う。

そのようなことを考えながら私は私の仲間に対して《思念会話》を飛ばす。


【作戦を始めるよ!まあ、あまり全力を出しすぎない方がいいかな?それといつも通り——】


【わかってますよイア。絶対に怪我をすることは許さない。ですよね】


自分の言葉を代弁してくれる人がいるとやっぱり過ごしやすい 。


【そもそも僕が怪我するなんてありえないんだけどね】


それに対しては自信過剰すぎて逆に心配してくる。


【…イアお姉ちゃんを残して逝くなんてあり得ないの】


そう言うと思ったよ。

でも、いつものことながら……


【わかったってことだよね!みんな!!】


今回の戦争も死者無しで勝利する。

それはこの私—イア・ラヴィア・アートロークの名にかけて。


ここから一気に戦況が開かれた。

開幕の合図に私の魔法をドカンとお見舞いしてあげた。

私の仲間には当たらないように加減はしたので大丈夫だろう。

そこからは私はみんなの様子を『千里眼』で観察することにした。


敵の停泊地らしきところへ向けて一人の兵隊が走って行った。


「で、伝令!!敵国の放った魔法により部隊前方はほとんど壊滅状態。中央部も半数ほどが脱落した模様です」


敵はまだ気がついていないようだ。


「そうか、ならば軍の配置を変えねばならぬな。そうだな、軽症の兵は少し後ろに下がらせろ。その後能力値のあまり変わらない者達で代わりをさせる。部隊の展開は緊急時のものだ。実行させろ」


おそらくは話し相手はエプトルの参謀級だろう。

この状況でも冷静さを保てるとなると結構な優秀さだな。

だか……


「それなのですが———」


兵士の体が歪み本来の姿を露わにする。


「左翼はほとんど無力化してしまいましたわ」


後ろで控えていた一人の兵士が殺意を向けて言った。


「き、貴様!!左翼は無力化したと!?今の一瞬でそのような真似ができるわけ無かろう!!」


「それが出来るのですよ」


擬態を解除した後抑えていた魔力が少し解放されている。

その後魔法陣が現れ、それが回転し新たな魔法陣を描き出す。

それが七つの魔法陣となって黒く輝いた。


「《七刻閻薔回魔(セプトロイトリーネア)》」


七つの回転する黒薔薇は周囲の敵をも巻き込み基地ごと飲み込んだ。


「《護城結界(キャストプロテクター)》」


生き延びられたのは一人、先程優秀そうだと私が評価した参謀だ。


「ハハッ!なかなかの策であったな。だがそれも然り、魔族には我が国の奥義は特攻があるのでな」


もうすでに勝利を確信したような顔で男はそう言い放った。


「冥土の土産に教えてやろう。我が名はギルダン・コリウム!エプトル公国第三騎士団騎士団長である!!念の為聞いておくか。そなたの名は何という?」


彼の心境だともう自分の情報など誰にも漏らされないとでもおもっているのだろう。


「ワタクシに名乗る名などありませんわよ」


流石に徹底しているな。

それに《七刻閻薔回魔》の魔法の奔流はここからだ。


「ならば、この世に名を残さず死ぬがいい!!」


ギルダンの魔力が聖なる魔力に変化していった。

恐らくあれは『聖樹同調』のスキルだ。

ただしあの能力はどんな魔族にも効くとは限らない。


「ではさらばだッ!!《聖轟罰(ホーリーロアナ)》—ッ!!」


光り輝く聖なる波動がその場に広がった。

その波動は魔族を貫いた—否、貫いたように見えた 。

幻影魔法《虚飾演技(ペテンタリウス)》だ。

私の魔眼でそう見せかけていることがわかるというだけでいま対峙しているギルダンには自分の魔法で攻撃が通り倒せたと思っているだろう。

見せかけた幻影はその場から消えた。


「なっ!?どこへ消えた」


隠蔽されていた《七刻閻薔回魔》の二刻目が始まる。

二刻目には発動時—つまり一刻目により召喚された黒薔薇が漆黒の炎に飲み込まれるそれは再度黒薔薇の形を取り敵を追尾する。

つまり現れるタイミングは…


「ここですわよッ!!」


ギルダンの真後ろから大鎌が振り下ろされる

だがそれは難なく防がれる事となった。

しかしギルダンには見えていなかったのだ。

《七刻閻薔回魔》によって作り出された黒い炎の薔薇が…


「はい、終わり。」


黒焦げになったギルダンだったものから離れていく。

「全く届きませんでしたね」


そんな声が聞こえたような気がした。



▽▽▽




左翼での暗躍はうまくいったようだ。

第三騎士団騎士団長と言っていたくらいなので右翼には恐らく第一、第二騎士団が配置されているのだろう。


——あなたは王になったのですから戦闘には参加しないでくださいね?絶対ですよ!!——


この言葉が頭の中によぎった。

だがしかし人数的にもあと一人は右翼に向かったほうがいいのでは?

普通に考えるとそうだ。

後で怒られるとは思うが…ここで戦わないとなんか仲間はずれにされる気がする。

監視は辞めて私も攻めるか!!

氷結加速(フロストブースト)》起動。

私は体ごと氷の溶解エネルギーを利用して加速した。

その加速は速度が上がりエネルギー量が増えるたびに増加する。

そのためすぐさま敵本拠地の前についた。


「それじゃあ、ぱぱっとやっちゃいますかね」


「魂界——」


周囲に幻想的な花畑が咲き乱れる。


「—―《生命根源(フロアフォント)花樹層(デイビアホトロア)》」


「《連一(ファイス)死を呼ぶ(ディスカウント)待雪草(スノーウィード)》」


▽▽▽


ゴトン、という音で目を覚ました



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