表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/95

不安を打ち消す信頼関係

*この小説はフィクションです。

 寧々や探たちが人々を助けている同時刻。勇輝と美鶴は過去に戻っていた。

 その理由は彼らが居る隠れ住処アジトで警告音が鳴り響いたことにある。

 緊急事態。それは、過去が変えられたことを意味する。過去を変えられたら戻すことはできない。

 過去を変えた変える者(ブラックチェンジャー)を捜さなければならない。

 危険性リスクはあるが、話し合いにより勇輝と美鶴が行くことになったのだ。

 勇輝はいつもと変わらないが、美鶴は周囲を警戒しながら前を歩いている。

「みっちゃん、大丈夫だよ。みっちゃんほどの雰囲気オーラは感じないよ。だから、警戒しなくても」

 勇輝の余裕に満ちる表情に美鶴は短いため息を吐き出す。


 警戒しなくてもいいことはない。外に出れば、いつどこで変える者(ブラックチェンジャー)と遭遇するか分からないからだ。

 変える者(ブラックチェンジャー)阻止する者(ブロッカー)の命を狙うのも目的の一つ。

 そのため、警戒するのは当たり前のこと。それにも関わらず、勇輝は落ち着いている。

 美鶴は勇輝がなぜこんなに余裕でいられるのか不思議でならなかった。

「みっちゃん、何かあったの?」

 無言の美鶴に何かを察した勇輝。美鶴を心配そうに見つめる。

 美鶴は真剣な表情で勇輝に視線を合わせる。

「いい? いつどこで命を狙われるかも分からないのよ。特にあなた、勇輝くんは狙われやすいの。あの人の子だから尚更、」

「父さん、そんなに凄かったんだね。それなら、僕も強いから大丈夫だよね」

 勇輝は美鶴の言葉を遮り、呑気に話す。美鶴は呆れてため息をつく。今の勇輝には何を言っても分かってくれないだろうとそれ以上言うのをやめた。


 不意に美鶴は誰かの気配を察知した。勇輝を庇うように守る体勢を作る。

「咄嗟の行動ができたな。だが、今度はお前に勝てる」

 突如、二人の前に現れたのは斉と剣十。二人は余裕に満ちた表情で美鶴を見据えている。

 不意に美鶴が腹を押さえた。地面にぽたぽたと血が滴り落ちる。

「みっちゃん、大丈夫? 僕のために、」

 勇輝は不安そうに見つめているが、美鶴は腹を押さえたまま何も発しない。

「やはり、先手を取られては何もできないようだな」

 得意げに笑いながら言葉にする斉だったが、眉を寄せた。

 美鶴から強い威圧感オーラが放たれた。圧倒されるほどの強さだ。それでも、斉と剣十はなんとか耐えた。

「剣十、もう一度やれるだろ。切りつけろ」

 然し、剣十はその場から動こうとしない。その理由が斉にも分かっていた。

 あまりにも美鶴から放たれている威圧感オーラが強い。耐えることはできたが、下手に動こうとすれば、立てなくなるほどだった。

 斉は舌打ちをし、自力で美鶴に攻撃を加えようと隙を見て襲いかかろうとする。

「無駄よ。あなたたちは一歩も動けないわ。私には勝てないのよ」

 得意げに言葉を発する美鶴の傷がみるみるうちに消えていく。それを見た勇輝は唖然としている。

「みっちゃん、大丈夫、なの?」

 恐る恐る声を掛ける勇輝は美鶴と目が合う。美鶴の目が紫色が混ざった赤色に光っている。嫌悪が混ざった怒りの感情を示していた。

「みっちゃん、大丈、」

 勇輝の言葉が途切れてしまう。美鶴から凄まじい感情が伝わってきたのだ。

 美鶴は勇輝から離れ、斉に襲いかかろうとする。その隙を見て勇輝に近づく剣十。

「血迷ったか? 少年を手離すということは狙える対象が増えるということだというのにな」

 美鶴は斉の言葉を無視し、斉に向かっていく。美鶴の動きは止まることがない。斉の顔を狙って、攻撃をしかける。

 然し、斉の頬を掠めただけ。美鶴は攻撃を繰り返す。敵対する美鶴と斉の攻防戦が始まった。


 一方、勇輝に近づいた剣十は剣を空間から取り出し、素早い動作で剣をふるった。

 勇輝はなんなく躱わす。

 剣十は続けて剣を振り回すが、攻撃は当たらない。

 勇輝の動きに眉をしかめる。あの時、勇輝を切りつけた時とは違うことに気づいた。

「強いのか?」

 剣十は問いかける。何も答えない勇輝の強い眼差しに鋭いものが宿っていることに気づく。勇輝は目で訴えかけるように見つめ続けている。

「みっちゃん。この人たち、瞬がどこにいるか知ってるみたい。僕、瞬の場所に行きたい!」

 突如、勇輝が大きな声で言葉を発する。何かを感じ取ったのだ。それは勇輝自身にしか分からない。能力の一種。

 勇輝の言葉に斉と美鶴が振り向いた。

「剣十、そいつを逃すな。絶対にだ」

 直後のこと。斉が美鶴に向き直ったが、美鶴の姿が消えていた。一瞬の隙を見計らって、勇輝のところへと戻った。

 美鶴は勇輝の場所へ行くと、剣十との距離を置いた。美鶴の動きを見逃さない剣十は美鶴に向かって剣を振りかざす。

「みっちゃん!」

 勇輝が声を張り上げる。剣先は美鶴の腕を掠めた。

「私は大丈夫。それよりも勇輝くん。あなた、瞬くんの居場所が分かるのよね。行っていいわよ」

 美鶴の言葉に勇輝は真剣な表情になる。本当にいいの、と目で問いかける。

 美鶴は黙ったまま、目で合図を送る。

「分かった。僕、瞬を連れ戻してくる」

 そう言って勇輝は姿を消した。

 斉と剣十は辺りを見回すが、勇輝の姿は確認できない。

「お前、どこに逃した? 答えによっては、」

 斉は美鶴に勇輝の居場所を聞き出そうとしたが、解き放たれる雰囲気オーラに気圧され、言葉が途切れてしまう。苦虫を噛み潰したように顔を渋らせる。

「私はあなたたちを倒す」

 美鶴は二人を鋭い眼光で見据えた。

次回の更新日は4月2日(木)の予定です。

*時間帯は未定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ