表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/91

再始動、それぞれ課せられた任務

*この小説はフィクションです。

 司と隼人が隠れ住処アジトに戻る少し前。

 二丈財閥の秘密が隠された蔵で暴れ狂っていた流が落ち着きを取り戻し、その場を離れようとしていた。

 彼の目の前に狂が平然と現れる。

「ひどい荒れ様だったみたいだな」

 不意に聞こえてきた声に流は振り向き、苦笑いで返す。落ち着いても、覚えのない記憶に少しだけ困惑している。

「記憶か? おそらく、悪い記憶を植え付けられたんだろう。深呼吸して忘れろ。じゃないと身が持たなくなる。お前を信じてるからな」

 狂の言葉を耳にし、流は言われた通りに深く息を吸い込んで吐き出す。悪い記憶だと言い聞かせながら、心を落ち着かせた。

 そうか、と誰に言うともなく呟く。

 流の様子に狂は笑みを浮かべ、ぽんと流の肩を叩いた。

 その合図に二人は立ち去ろうとしたとき、狂の視線の先にあるモノが映る。

「二丈財閥の能力の秘密、か」

 説明書きのような文字が並べてある資料のようだ。狂はたった一言を言葉にすると、拾い上げる。

 何を思ったのか、びりびりと引き裂いたのだ。くしゃくしゃに丸めると、そこら辺にぽいと投げ捨てた。

「行くぞ。ついてこい」

 うつけた様子で立ち尽くす流に言葉を掛け、先へ行ってしまった。

 流も急いで後を追った。


 変える者(ブラックチェンジャー)の現在の住処アジトでは御角と千歳が待機している。そこに狂が流を連れて戻ってきた。

「おかえりなさい」

 千歳の声に流が振り向く。千歳が待っていたかのように流に近づこうとした瞬間、狂が立ち塞がった。

「戻ったばかりだ。少し休ませろ」

 その言葉に千歳はふと我に返った。流は平然としているが、どこか疲弊しているようにも見えたのだ。

「すみません。俺、」

「構わない。休憩は必要だ。その代わり、休んだらやってもらいたいことがある」

 返事を聞くこともなく、狂はその場からいなくなった。

 ふと、流は御角にちらっと視線を向ける。視線に気づいた御角は険悪な表情を浮かべる。

「戦いに備えろってことでしょ。僕、関係ないもんね」

 素知らぬ顔で答えるように言葉を発する御角に流は短くため息をついた。

 御角は一度、勇輝たちと一緒にいた。そのため、また勇輝たちと遭遇して変える者(ブラックチェンジャー)を離れることになれば、裏切りになる。

 一度は見逃してもらえたものの、また裏切るようなことがあれば狂も黙っていないだろう。

 そんなことも知らない流は休憩室に向かった。蔵にいたときに流れ込んできた記憶を整理する。

 あいまいな記憶。何か大切な記憶だと思い、頭の片隅に記憶をしまい込んだ。


 一方、斉と剣十は過去に戻っていた。二人は狂の指示を受けていた。

 有利な状況のはず。然し、斉は険しい表情をしている。

「何が気に障るんだ?」

 不意に剣十が問いかける。斉は答えることはない。無言で歩き続ける。

 その様子に剣十が剣を取り出し、斉に向けて身構える。

「何のつもりだ?」

 突然の行動に斉は剣十を見やる。

 それでも、剣十は剣を正眼に構えたまま動かない。斉はふっとため息を漏らすと、剣十を素通りした。

 剣十が襲いかかろうとした直後、剣がすうっと消えた。

 斉が能力を発動したのだ。

 彼の能力は能力を無効化する。剣十の能力によって空間から取り出された剣は斉の能力で消え去ってしまった。

「お前は俺には勝てない。それにお前とは争うつもりはない。目的を忘れるな」

 言い残すように口にして、先を急いだ。剣十は仕方なく諦め、後についていくように歩き出した。


 不意に二人は変えたい者(チェンジャー)を見つけた。

 二人でいた時は重苦しい空気が漂っていた。見つけたことにより、空気が変わった。

 彼らにとって、最高の機会チャンス変えたい者(チェンジャー)にそっと近づく。

 望みを聞き、叶える。それを数回続けた。

「もっとだ。これじゃ、任務を遂行できない。剣十、行くぞ」

 その言葉を合図に次なる変えたい者(チェンジャー)を見つけ出しに行った。

 途中、二人はある人物に遭遇した。斉が険しい表情を見せる。

「なぜお前がここにいる? それぞれ任務を与えられただろ」

「任務? そう思ってるなら、変える者(ブラックチェンジャー)やめた方がいいんじゃない?」

 斉と剣十が遭遇した人物は瞬だった。

 瞬は答えず、余裕を見せつけるかのように言葉を投げかける。その瞬間、斉が瞬に襲いかかろうとした。

 咄嗟に剣十が反応し、斉を遮る。

「剣十、そこを退け」

 言葉を放つ斉だが、剣十は退こうとしない。

「退けと言っているのが分からないのか? ならば、」

 それでも剣十は動かない。ついには斉が剣十に襲いかかろうとした。その瞬間、剣十の後ろにいた瞬が剣十の前に瞬間移動する。

「あのさ、そのくらいで感情的になるなら、変える側に向いてないんじゃない?」

 瞬は挑発的な言い方で斉を煽る。剣十が瞬を止めようとすると、不意に斉が瞬たちに背を向けた。

 振り返り、嘲笑う。

「感情的だと? お前が気に入らないだけだ。裏切ったら、お前を殺めるからな。今は見逃してやる。有り難く思え。剣十、行くぞ」

 斉は冷静になったかと思えば、瞬に向かって言い放った。剣十に呼びかけ、去っていく。

 斉の行動に瞬は不機嫌に眉をしかめた。舌打ちをし、斉とは反対方向に体を向ける。歩き出すが、一度振り返る。

 二人はすでにいなくなっていた。この時、瞬は決めた。必ず、勇輝を倒す、と。

次回の更新日は3月12日(木)の予定です。

*時間帯は未定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ