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過去を変える者たち

*この小説はフィクションです。


 南西区域の某所にて複数の男女に召集がかかり、集まっている。そこにある男がやってきた。一同が振り向くと、男は深刻な表情を浮かべている。

きょうさん、突然どうしたんですか?」

 さいが狂に声を掛けるが、答えは返ってこない。その様子に斎は不安げな顔つきになっている。横にいるれいも同じだ。


「まさか、奴らにここの場所が見つかったんじゃないわよね?」

 麗が顔色を変え、問い掛ける。それでも、場の雰囲気が凍てつくように白けている。

 依然として、他の者は誰も言葉を発さない。

「どうして? 見つからないはずよ」

 誰も答えない。誰も思っていなかったのだ。この場所が知られることは。


 なぜなら、彼らが居る場所は過去には無い、消滅した場所なのだから。

「嫌よ。見つかった以上、ここに居続けたら、襲撃されるわ。そうなったら、今までの計画も全て水の泡じゃない。それなら、場所を転々としていたほうがいいわ」

「そう思うなら、ここを出ていけばいい。襲撃されたら仕返せばいいだけだ。オレたちは強い。それだけは忘れるな」

 麗の言葉に狂は冷静に言葉を返した。


 狂、この男は己の強さを信じていた。その強さで色々と計画をし、過去を変えてきたのだ。その結果、現在では災害が多発していた。阻止されないために過去を大きく変えて。


 麗は呆れてその場から去っていった。


 麗が去った後、狂は不適な笑みを浮かべた。だが、斉は不安な表情だ。

「いいんですか? 計画には問題ないと思いますが、麗の能力は使えます。必要な人材を逃していいとは、」

 狂は笑みを浮かべたままだ。一人欠けても、狂には問題なかった。寧ろ、都合が良いくらいだった。


 それでも、麗がいなくなったことで斉は不安だった。狂の右腕であり、麗もまたそれくらいに優れていた。

 二人は今まで狂の下で組織の力になってきた。

 過去を変えたいと強く願って生きてきた境遇。狂についていけば、過去を変えられると信じ今まで慕ってきた。

 共に同じ道を進む麗を外したくない気持ちなのだ。


「アイツの能力が無くても手は打ってある。直に新しい仲間(•••)がやってくる」

 再び、狂は不適に微笑む。その様子に未だに顔を歪める斉。

 それほどまでに麗の能力を頼ってきたのだ。

 その様子をじっと見ていた御角みかど。彼女は疑わしげに斉を見ている。


「斉、そんなに麗が離れるの嫌? 僕は嫌いだから清々するけどな」

 麗のことを敵対視する御角が斉の浮かない顔色を察して問い掛ける。御角は唇をへの字に曲げた。

「嫌ではない。ただ、麗はこれでいいのかと気になるだけだ。今までの変えたい気持ちがなくなったわけじゃないと思ってる。一緒に叶えたいんだ」

「もうさ、それって麗のこと、」

 御角がそう言いかけた時、不意に咳払いが聞こえた。最年長、六十を過ぎる武蔵むさしが目を細めて二人を見ていた。


 視線を感じた二人は肩を震わせる。武蔵の能力は狂よりは下だが、使い方が上手い。

 長年の慣れというべきか、相手の能力を早急に理解し、戦い方を知っている。

 ある理由で願いを叶えるために狂に協力し、仲間になったという。それに加えて威厳ある人格を持っている。

 二人は雰囲気で察した。


「麗のことは一旦忘れろ。これから作戦を練る。気を抜いたら、過去を変えれなくなるし、命取りになる」

 狂の言葉に今まで会話をしていた斉と御角を含めた五人が真剣な表情に変わる。

「斉と剣十けんとは今まで通り、過去を変えたい者(チェンジャー)と奴らを探せ。奴らだった場合、構わず殺れ。オレは野暮用で仲間になりつつある者を勧誘してくる。武蔵さんと御角は留守だ。分かったら、解散だ」

 言葉を合図にそれぞれがその場から去った。


「えー、おじさんと留守は嫌なんだけど……」

 御角はぽつりと言葉を漏らす。

「おじさんとは失敬な。待つことも大事です。いざという時のために力を温存するということですよ」

 武蔵は言葉を口にすると、御角ににこりと笑みを向けた。

 御角は一瞬、身震いする。武蔵の奥底に不気味さを感じたのだ。


「笑えないんだけど。僕、そういうの苦手。分かってやってる?」

「そんなことはないです」

 御角の問いかけに武蔵は再びにこりと笑みを浮かべる。御角の不機嫌さが増した。

「あのさ。喧嘩、売ってる?」

「そんなことはないです」

 武蔵の言葉に御角の怒りの沸点が最高点に達した。御角は武蔵の目の前まで瞬間移動した。

 その瞬間、去ったはずの剣十が武蔵を守るように立ち塞がる。

「どいてよ、剣十。僕、武蔵が嫌い」

 御角は苛ついて言葉を放つ。それでも、剣十は無表情で何も声を発せず、立ち塞がり続ける。

「剣十さん、私に構わないで下さい。私の問題です」

 武蔵の言葉に剣十は姿を消した。武蔵はほっと胸を撫で下ろすが、御角はむすっとしたままだ。


「私はあなたと喧嘩したくありません。あなたは女性なんですから」

 御角は舌打ちすると、そっぽを向いた。




一気にキャラ増えたぞ!?

過去を変えるなんて許さない(๑•ૅㅁ•๑)

阻止しなきゃ


次回は本編お休みですが、登場人物紹介などを投稿します。


次の更新日は2月29日(木)の予定です。

良ければ感想、評価、コメントしてくださると嬉しいです。

誤字脱字もお待ちしてますm(._.)m

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