表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ふたりのフェアリーテイル

作者: h

全部を諦めた顔であの子が言った

「この先に希望なんてない」って

その言葉を嘘にしたくて少年は走っている


ボロボロになった靴

確かに擦り減るばかりだ

今ある楽しいも大好きも

いつか消えてなくなるのかな?


神様がもしいるのなら

もっと簡単にしてくれたらよかったのにね

分かり合えない相手が

どうしてもこの先いるっていうなら

印でもつけておいてくれないかな

次は間違えないから

でもさ、もしかしたらだよ

神様は間違えて欲しいのかも!


魔法なんて信じないよって顔してたって

箒で空を飛んでみたいな

あの不思議なお婆さんはきっと

森の奥のオンボロ小屋で魔法の薬を作ってる!

ドラゴンは火を吹いて

その鱗は見えないものを見せてくれるんだって

そんなお伽話をもう一度信じてみる


全部を諦めた顔であの子が言った

「この先に希望なんてない」って

その言葉を否定したくて少年は走っている


ボロボロになった靴

確かに擦り減るばかりだ

今ある楽しいも大好きも

いつか消えてなくなるのかもしれない

それでもその手を少年は掴んだ


「間違いだって神様だって

魔法だってドラゴンだって

君の味方ってことにしていいよ

あとまあ、しょうがないから

僕もそばにいてあげてもいいよ

だから諦めるなんてもったいないよ」


早口で捲し立てる少年に

「たった一つだけでいいかな」

そういってあの子はやっと笑った

フェアリーテイルをふたりは信じた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ