ピパロン王国警備隊 第10話 狙われた偽物
〇怪盗オリーからの予告状
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カムカム美術館の諸君、こんにちは。
私は世間を騒がす大泥棒、怪盗オリーである。この美術館に飾られている「ギンギラギンのスニーカー」は素晴らしい!コレを履くとスターになれそうだ。欲しくなったので頂くことにしたよ。今夜7時にいただきに参上するよ。
怪盗オリー
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トーマ隊長「怪盗オリーめ、懲りずにまたカムカム美術館をねらうとは。」
館長「この、「ギンギラギンのスニーカー」は伝説のスター歌手が履いていた大切なものなんです。」
ルミ隊員「知っています!テレビでみたことあります!全身ギンギラギンで、すごい華やかで、「ブルースはさりげなく」が大ヒットしましたよね。」
館長「そうです。この、「ギンギラギンのスニーカー」を守って下さいますか。」
トーマ隊長「勿論ですとも。今度こそ、オリーをオリにいれるぞ~」
ルミ隊員「(この光景、以前にも見たような・・・!?)」
〇スニーカーの秘密
館長「実は・・・このスニーカーには秘密があるのです。このスニーカーと全く同じ形、同じデザインのスニーカーが、この美術館の金庫にあるのです。」
ルミ隊員「それは偽物ですか。」
館長「ううん、実は・・・本物かもしれないのです。」
トーマ隊長「え、えぇ!」
館長「飾られている方が本物なのか、金庫にしまってある方が本物なのかわからないのです。」
ルミ隊員「それって、まずくないですか?」
館長「そうなんですが・・・」
トーマ隊長「それでは、怪盗オリーはどっちのスニーカーを狙っているのかわからないなあ。」
ルミ隊員「隊長、ここは両方守りましょう!」
トーマ隊長「そうだな、よし、ここは二手に別れよう。ルミ隊員は金庫の前で見張りだ!俺は飾ってあるスニーカーを守る!」
ルミ隊員「了解です!」
〇金庫の前
ルミ隊員「でも、、、怪盗オリーは同じデザインのスニーカーがもう1つあることを知っているのかしら?
きっと、飾られている方を狙ってくるにちがいないわ。」
館長「実はもうひとつ秘密があって・・・私はこっちが本物ではないかと思っています。」
ルミ隊員「え、どうしてですか?」
館長「5年前、伝説のスターが引退後、展示しているスニーカーを頂いたのですが、その時、その伝説のスターが実は影武者だということを教えてもらったのです。」
ルミ隊員「ええっ!じゃあ、本物は?」
館長「どうもカーレースに没頭して、こっそりスターの座から降りたようなのです。そして、ある日、カーレーサーがひょっこりやってきて・・・」
ルミ隊員「このスニーカーを置いていったのですね。」
館長「そうなんです。飾られているスニーカーとそっくりな、もうひとつのスニーカーを。」
ルミ隊員「その話がそのまま伝説ですね。どうしよう、なんか緊張してきちゃった・・・」
〇展示中のスニーカー
トーマ隊長「ふん!こんなギンギラギンのスニーカーに何の価値があるのかねー!?俺にはさっぱりわからん。」
ルミ隊員「隊長、大変です!」
トーマ隊長「あれ、ルミ隊員は金庫を見張ってたのでは?」
ルミ隊員「金庫の中のスニーカーが本物なんです!」
トーマ隊長「えっ、なんだって!」
ルミ隊員「早く金庫へ行って下さい!怪盗オリーはこちょこちょが得意です。気をつけて下さい!」
トーマ隊長「大人の俺がこちょこちょなんぞにやられる訳ないじゃないか。よし、オリーを捕まえにいくぞ~」
ルミ隊員「ここは私に任せてください。」
〇再び金庫の前
トーマ隊長「あれ、ルミ隊員ではないか?」
ルミ隊員「トーマ隊長、どうしたのですか?展示中のスニーカーを警備してたんじゃ・・・」
トーマ隊長「ルミ隊員が金庫の前に来いって言うから来たんだぞ。」
ルミ隊員「私はずっとここにいましたよ。トーマ隊長、さては、また、寝てましたね!変な夢見てた~」
トーマ隊長「バカなこと言うなよ~
ルミ隊員が血相変えて「金庫の中のスニーカーが本物なんです!」って言うから飛んで来たのではないか。」
ルミ隊員「・・・隊長、それってもしかして・・・」
トーマ隊長「怪盗オリーの変装か!!!」
ルミ隊員「すぐ行かないと!」
トーマ隊長「おい、まってくれ!あ!」
ドテッ☆
トーマ隊長「アイタタタッ。お~い、待ってくれよ~!」
〇ルミ隊員VSルミ隊員
トーマ隊長「アイタタタ、全く、隊長を置き去りにするとは・・あれ、ルミ隊員が2人?」
ルミ1「怪盗オリー!今日は負けないわよ!」
ルミ2「あなたこそ怪盗オリーでしょ。そろそろ観念したらどうですか?」
トーマ隊長「そっくりだ~、見分けがつかない。本当は双子だろ~、双子コントか?幽体離脱!なんてね・・・」
ルミ1「ふざけないで、早く、オリーを逮捕して下さい。」
ルミ2「どう見ても私がホンモノでしょ~、トーマ隊長、偽物を逮捕してください。」
トーマ隊長「いや、困った、困った・・・本当にそっくりだ・・・どうしたら・・・
あ、そうだ、ルミ隊員の好きな食べ物はなんでしょうか?
①ラーメン
②ドーナッツ
さあ、どっちだ!」
ルミ1「②ドーナッツ」
ルミ2「②ドーナッツ」
トーマ隊長「なんだ、わかるのか。」
ルミ1「問題が簡単すぎでしょう!」
ルミ2「もっと難しくしないと!」
トーマ隊長「2人で責めないでくれよ~
では、ルミ隊員はトーマ隊長のことをどう思っているか。」
ルミ1「...だらしない人。」
ルミ2「...だらしない人。」
トーマ隊長「えっ!お、おかしい!さては2人とも偽物か!?」
ルミ1「いいえ!この部下が牢屋に入っても良いのですか!?」
ルミ2「違います!怪盗オリーは1人じゃないですか!もしそうだったら本物のルミ隊員は、どこに居るんですか!?」
トーマ隊長「確かに。気のきかない部下だが、あのお姉さんが可愛いのだよな。」
ルミ1「そこですか?
ルミ2「ルナお姉さん...そんなに好き何ですか?」
トーマ隊長「じゃあ、ルミ隊員の誕生日は」
①6月18日
②7月29日
③10月26日
さあ、どっち?」
ルミ1「②7月29日」
ルミ2「③10月26日」
ルミ1「あっ!違う!」
トーマ隊長「正解は②だな。じゃあ、怪盗オリーはお前だー!」
怪盗オリー「誕生日は、初耳でした♪」
〇怪盗オリー
怪盗オリー「皆さん、遊びはここまでです。」
トーマ隊長「それはこっちのセリフだ!今日こそ観念しろ!」
怪盗オリー「そんなこと言っている場合ですか。スニーカーはどこにありますか。」
ルミ隊員「あっ!スニーカーがない!」
怪盗オリー「皆さんがルミ隊員当てクイズで遊んでいる間に頂いちゃいましたよ。代わりにカードを置いていきます。では、ごきげんよう!スタッとな。」
ルミ隊員「ま、まて、エイッ!」
怪盗オリー「こちょこちょこちょ」
ルミ隊員「あ、また離しちゃった。」
怪盗オリー「はっはっは、私のこちょこちよは超一流です。では!」
トーマ隊長「まだまだだ!止まらないと撃つぞ!」
怪盗オリー「おや、ピストルですか。でも慣れてないようですね。安全装置を外さないと。」
トーマ隊長「ありゃ・・・」
怪盗オリー「というわけで、この、スニーカーはいただきます。さようなら!」
トーマ隊長「ちきしょー。」
〇オリーのカード
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親愛なるカムカム美術館の諸君
偽物のスニーカーは、しっかり頂いたよ。カムカム美術館に偽物は似合わない。今度からは金庫にある本物を飾りたまえ。ちなみにわたしは、この偽物が欲しかったのだ。伝説のスターの影武者は、本物そっくりであった。その影武者の履いていた偽スニーカーこそ、変装の名人である私にぴったりだろう。
怪盗オリー
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トーマ隊長「ごめんなさい、ごめんなさい!
後一歩の所で逃がしてしまいました。」
館長「いいえ、これでよかったのだと思います。これからは本物を展示できますから。」
ルミ隊員「でも悔しいです!」
トーマ隊長「またこちょこちょにやられたしな。」
ルミ隊員「トーマ隊長も慣れないピストルで失敗したくせに。」
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