第三話:【チキチキ乱痴気チキンレース開幕!】
クラスのあちこちで、何か熱に浮かされたかのような声が聞こえる。そして、クラスの男子女子および担任の先生の顔が真っ赤になり、熱烈な視線が黒江に向けられた。
「ちょ、ちょっと皆、どうしたの?」
何かを察したカレンは、黒江の腕をつかみ、教室を飛び出した。
「へ、なに? カレンどうしたの?」
「やばいデス」
走りながら、顔面蒼白になりながらカレンは言う。直後、飛び出した教室からクラスの男子女子および担任の先生が塊になって2人を追いかけてきた。
「ちょっ! ど、どういうことよカレン!」
その光景に動揺した黒江は、カレンに問い詰める。カレンは、
「えーと、先ほどのお薬のせいだと思いマス」
と目を泳がせながら言った。
「あ、あんたの薬でしょッ?! 何とかならないの?!!」
「スイマセン。効果が切れるまで逃げるしかないデス」
「捕まったらどうなるのよ?!」
「貞操の危機デスね」
「そんなモン学校に持ってくるなぁーー!!」
黒江はカレンを太陽系の外までぶっ飛ばしたい衝動に駆られながらも、立ち止まることができないのでぐっと抑えた。
「対象は瞳子さんだけなノデ、 私が足止めしマス! 薬の効果は15分で切れるので逃げ切ってくだサイ!」
カレンは踵を返してクラス一同の塊の中に飛び込んでいった。
「くらえっ! カレン特製マル秘煙幕ってガスマスク忘れたあああ!!!」
黒江は一瞬カレンに感謝しかけたが、よくよく考えてみたらカレンがまいた種であることに気がつき、一瞬前の自分の感情を記憶から消去した。
黒江は残り時間を確認。時間はあと9分ほど残っている。黒江はある程度の武道の心得があるが、いかんせん相手が多すぎる。もし捕まったら、と一瞬想像。「貞操の危機デスね」というカレンの声が頭の中で木霊して背筋が凍った。
とにかく15分逃げるしかない。幸い、カレンの足止めが成功しているようで追っては今のところきていない。
そんなことを考えながら走っていると、黒江は何か大きなものにぶつかってしりもちをついた。
顔を上げると、そこには一人の長身の男子生徒が立っていた。
前作ではブクマ、評価いただき誠にありがとうございました!ものすごく元気と勇気をもらえました。これからも精進するので応援を宜しくお願いします!具体的に言うと評価とブクマとか。評価とブクマとか。あとコメントとか……宜しくお願いします!(ゴリ押し