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第一話【戦場の名前はバレンタインデー】

今日がいったい何の日であるのか、それは皆一言も話題にしない。


けれども、おそらく今日はクリスマスとタメを張るレベルで異常な件数の恋が実る日であり、同時に阿鼻叫喚するレベルの件数の恋が潰える日でもある。


当たり前だ、そもそも今日この日は、そのためにだけにあるようなものなのだから・・・


「バレンタインデー」


人はそう呼ぶ。そして、私にとってこの日は、一年で最も生命の危機を感じる日である。


耳が隠れる程度の長さの鮮やかな黒髪、そしてその下に見える整った眉と凛々しい瞳。スレンダーな体が姿勢の良さのおかげでよく映える。

今日もあちらこちらから女の子の黄色い声が上がる。


そんな声を聞き、この声を一身に受ける黒江は贅沢にも一つため息。

そのため息は、別に優越感からくるものではなく、

心の底から腹の底から出てきたモノであった。

単純に嬉しくないのである。


黒江瞳子。


それが『彼女』の名前だった。


黒江は昔から、その容貌のせいで男よりも女の子にモテてしまっていた。しかし、残念ながら彼女はレズではない。男であったら魂を売り飛ばしてでも勝ち取りたいそんなポジションだが、至極誠に残念ながら彼女はレズではないため全く嬉しくない。


そんな彼女が一年間で最も恐れる日、それが今日「バレンタインデー」である。いったいどこで調べられているのか、県外からも送られてくるトラック単位のチョコ。


……まあこれならまだいい。


あまり良くない気がするがまあいい。

本当の問題はもっと深刻なのだ。


その深刻な問題が、

今日も一学年上のクラスのドアを、

臆さずにぶち開けてきた。

前作ではブクマ、評価いただき誠にありがとうございました!ものすごく元気と勇気をもらえました。これからも精進するので応援を宜しくお願いします!具体的に言うと評価とブクマとか。評価とブクマとか。あとコメントとか……宜しくお願いします!(ゴリ押し

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