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人ならざるものに愛を寄せて  作者: 柴野いずみ@『悪女エメリィの逆転劇』発売中
第七章 妖魅、妖怪根絶やし作戦に抗う
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動き出す者たち

「ワタシ、妖怪たちに声をかけてみるわぁ。注意喚起はもちろんだけど、誰か協力してくれるかも知れないしねぇ」


 ……奥村との一件があって数日。

 メリーさんは早速、知り合いの妖怪たちに声をかけるため、出て行くことになった。


「みっちゃんにはぁ、ちょっとしたお出かけとでも伝えておいてねぇ。心配させたくないからぁ」


「うん、わかった。メリーさん、きをつけてね!」



△▼△▼△



 一方の丘子は、ばっちりお札を買い揃えていた。


「これが除霊の札で、こっちが霊火の札、霊氷の札。そしてこっちが霊を呼ぶ札です。……これでばっちりです」


 他のはともかく、霊を呼ぶ札に関しては初めて見たので、私はそんなものもあるのかと驚いた。


「いい霊を呼び寄せるためのものです。いざとなったら、強い霊に出てきてもらって、戦っていただきます!」


 一方レイちゃんはと言うと、幼いながらに神社にお参りに行ったりして、色々とお願い事をしてくれたらしい。


「何をお願いしたの?」と言うと、「わたしもおねえちゃんもおねえちゃんたちのだいすきなおばけも、みんなしあわせになれるように」らしい。


 ――レイちゃん、可愛い。可愛すぎる。


 それで私は、協力者を探していた。

 今回のことで、霊視できる人間が少なからずいるのだと知れた。その多くが例の『組織』側についているのかも知れないが、きっとそうではない人間もいるはず。そう思い調べていたところ、出てきた。


『100%の霊能力者』。


 そんな大それた宣伝文句をつけられていたのは、欧州に暮らす一人の男。

 その男は、あらゆる霊的な事件を解決することで有名であるらしい。だから私は、男が霊能力者なのではないか、と狙いを定めたわけである。


 でも彼がいるのは外国で簡単に行ける場所ではなかった。しかし電話などで話したところで何がわかるだろうか。やはり、実際に会ってみなくてはならない。


 ――そして私は一週間の休学を決めた。


 お母さんに外国旅行へ行かせてほしいとおねだりをしたのだ。当然詳しい事情までは話せないが、なんとか納得してくれたようだった。


「あなたが行きたいなら行きなさい。でも、できるだけ早く帰ってくるのよ」


 高校には「急な事情ができた」ということにして、休学。

 もちろん欠席ということになるし、休学分の勉強などはあるだろうが……、幸い勉強が苦手な方ではないし大丈夫だ。なんとかやれるはず。


「今が頑張り時よ。奮起するしかないわ」



△▼△▼△



 少年――奥村は、あれからすぐにお上へ彼女らのことを言いつけた。


 本当にあいつらはどうかしている、と彼は思う。幼い頃から、『見えて』しまうもののけたちに怯えて生きてきた彼にとって、それを愛するなどというのは理解し難いことだったからだ。


「あいつらはお上が見張るんだし別に俺の仕事じゃないしから、考える必要はないか。とにかく大物を殺らねえと」


 小物はいくらでも見つかるが、大物はなかなかに難しい。

 それにしても、あの人形を逃したのは痛手だった。あれはかなりの大物だと思ったが、霊視能力者二人に阻まれては、なかなか手が出せない。


「それにあの女、存外強かったしな」


 蹴りの一つで昏倒させられてしまった苦い思い出が蘇る。

 奥村は、中学生にしては体格は小さい方だ。だから彼女にすら負けたのだろう。


「まあいいさ。俺は、ただ狩り尽くしていくだけなんだからな」


 もののけを探して、少年は街を徘徊し続けるのだった……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 休学!?(゜Д゜;) そこまでしちゃうなんてさすがに凄いぜ妖魅ちゃん(゜Д゜;)
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