Cette beauté
雨羽八年。
「刃、さっさと服を片付けなさい!」
「刃、アフタヌーンティーは?」
「刃、使い切った化粧品買ってくれた?」
六花王政が支配してるこの国は、八年前現代国王が継承した以来、今までのない豊かになった。
「伊吹お姉さま、服ならすでにアイロンかけて、クロゼットに置きました。アフタヌーンティーは机にありまして、蓮華お姉様が着席次第ですぐ紅茶を淹れます。パルフィお姉様もご安心ください、化粧品はすでに鏡台のところに置きました。」
当時二十八歳の現代国王はまだ若いが、政治に関する実力を持ち、ゆるいだった王政を整った。
「そういえば蓮華、その宴はいつのことかしら?」
「来週の木曜日ですよ、お姉様。」
「でしたら、新しい香水を買わなくちゃ。」
「お姉様!私も一緒に行きたいです!」
「それはいけませんよ、パルフィ。」
「え...!」
そして、今年三十六歳の国王は、二人の王子と、二人の姫がある。
今回の宴は一番上の姫の誕生日祝うために開催したのだが、二人の王子の嫁を探す目的もあるという。
「私はもうひとつ、ドレスを注文するかしら。」
「蓮華はまたあの店に?」
「そこのドレスは全部手作りで、なかなかいい品質ですし、こんな大事な日にぴったりです。」
王子の嫁候補、あるいは、姫の夫候補に目指し、人々はそれぞれの知恵を尽くし、今回の宴に挑む。
「刃!なんとかして!お姉様たちに負けるわけにはいけませんの。」
「はい...!飾りならどうでしょ?」
「それです!あの有名なお店に新しい宝石があったみたい、私に相応しくないか、早く確かめなくちゃ!」
「すぐお姉様たちに車を用意します。」
しかし、刃にとって、それはどうでもいいこと。
「刃、私たちが出かける間に、洗ってもらった服を取りに行ってきなさい。」
「わかりました、お姉様。」
専門の美容師に処理してもらえない長い髪を少し整理して、刃はこのまま出かけた。
彼女が行く店は、香水やドレス、飾りの店よりもずっと遠いが、彼女だけは車に乗れない。
それが彼女の定め。
「町中騒がしいですね...?」
みんなは宴のために色んな準備をしているが、今日みたいに騒がしくはなかった。
「何かイベントでもあるのかしら...?」
例えそうだとしても、刃は自分に参加する資格がないとわかっている。
だが、途中でチラッと見ることくらいはいいかな?
刃はそう思った。
しかじ、人混みからあの姿を覗けた瞬間、彼女は固まった。
あの人の顔は見えないが、彼女のドレスは刃の姉たちのどのドレスよりもずっと眩しかった。
飾りも輝いて、少し距離があるのにも関わらず、微かに匂える淡い花の香り。
「...!」
「まだ若いが、さすが二番目の姫様ですね。」
人たちの言葉を聞いて、刃は改めてあの人を見つめる。
彼女が噂の、二番目の姫様か?
「殿下、こちらへ。」
刃の後ろから、一つ穏やかな男性な声がして、彼女の集中力を取り戻した。
この声はとても普通だったが、刃が気になるのは、彼の言い方。
殿下。
王族の人にしか使えない、最高に尊い言葉。
「...?」
刃は後ろに振り向いて、声の持ち主を確定した。
彼の目線に追った刃は、次の瞬間で、さらに強いショックを受けた。
彼が見つめてるのは、刃と同い年、あるいはもっと若い少女だった。
彼女がごく普通なドレスを纏い、髪型もよく被るタイプだった。
メイクにも、飾り物にも、香水にも、特別なもの何一つなかったのに。
なぜ、なぜ…
目が離せないのか?
「...!」
刃の目線に気を付けて、少女は緊張しながら、刃と目を合わせた。
隣にいる男性は刃の存在に気付き、一歩近付きたいところだったが、少女が目線で止めさせた。
「知り合い…でした?」
「...!あ!違うんです!ただ...目が離せませんでした。」
「ありがとうございます。」
「見つめててすみません、先に失礼します。」
慌てて現場から逃げ出したが、刃の脳内で、少女の姿は消えなかった。
囲まれてる姫と違って、少女は余計な飾り物何一つもなかったが、汚れさせない強い雰囲気があった。
「ずみません!服をもらいにきました!」
「刃ちゃんか。ドレス三つですよね。」
「あと白いスーツひとつあります。」
刃はオーナーの後ろに指さして、笑って言う。