混浴
兵站裁判の次の日の夜。
事後処理の為、執務室に夜遅くまで残っていた僕は、地下浴場へと赴いた。
この時間はもうみんな隊舎に帰っているから、僕の貸し切り状態だ。
隊舎に帰れば部屋にお風呂はついているけど、こっちのほうが気分がいい。
のんびりとお湯に浸かりながら昨日の裁判の事を思い出す。
人生初の裁判だった。
デビュー戦でいきなり勝訴は自分でも凄いと思う反面、他人の力とただのラッキーとも思う。
ナミカちゃんを論破する証拠を集めたのはルイちゃん達。
僕の論破は、偶然セツラ大尉のメールを読んでいたから。
セツキ先輩みたいに、自分の力で勝訴したとは言えない。
そうすると、なんだか悔しくなってくる。
「でもまぁ、僕はただの代理人だし、明日にはセツキ先輩が退院するからいっか」
明日から僕はまた交渉人第一補佐官。
兵站裁判はまたセツキ先輩の担当だ。
これまで通り雑用にいそしめば、
シュッと、静かなドアの開閉音がした。
僕以外にも残っている職員がいたのかな?
振り返ると、二つの影が近寄ってきて、
「何してんの二人とも!?」
僕は驚き過ぎて、声が裏返った。
そこにいたのはバスタオルをまいたサエコちゃんとルイちゃんだった。
「いえ、一人で夜な夜なこっそりと誰もいない水場へ行くサク様の姿が見えましたので」
「何その言い方!?」
ルイちゃんがにぱーっと笑いながら、ぴっと人差し指を立てる。
「いえいえ、ただ昨日の頑張りを評価して背中を流してあげようと思ったまでなのですよ」
「で、でもここ男湯だよ」
ルイちゃんのワガママすぎるプロポーションをタオルで巻いても、ボディラインがくっきり出過ぎて、僕はいろいろと猛走力が働いてしまう。
「だいじょぶだいじょぶ、この時間なら誰もきやしませんって」
「それに、表には清掃中というニセの表示を出しておきました」
「そ、そこまでする!?」
「それよりもサク殿♪」
ルイちゃんは新しい玩具をみつけた子供のように目を光らせながら、自分の胸をバスタオルごしに持ち上げた。
「これから湯船に浸かろうと思うのですが、やはり湯にタオルを浸けるのは無粋ですかな?」
「えッッ‼?」
僕の顔が急速に熱くなって、全身の血液が熱を帯びていく。
「でででで、でも僕がいるし、別にいいんじゃないかな?」
サエコちゃんの瞳が、絶対零度の視線を向けてくる。
「サク様。どこを硬くしているのですか?」
湯船の中で、僕は股間を抑えた。
「硬くなんてしていないよ!」
「え? 表情が硬いと思うのですが?」
「~~~~~~ッ」
あーもーこのドSメイドわぁ~~!
「サク殿、わたくしのこのタオルの下が気になりますか? とって欲しいですか?」
ルイちゃんは胸元のタオルをゆるめて、誘う様な目で僕を見つめて来る。
僕は目を逸らそうとしたけど、視線がルイちゃんの深くて、徐々に面積を広げる谷間から離れなかった。
「そして不意打ちでドーン、です」
サエコちゃんが、ルイちゃんのバスタオルを一気に引き抜いた。
タオルの下に隠されたルイちゃんのスベテを見て、僕の両目は開き切ってまばたきを忘れた。
ルイちゃんは両手を広げて、ジャジャーンとばかりに身体を誇示する。
「ざんねんでーしたー♪ 水着着用なのですよー♪ そうかんたんにわたしの裸がみらえれるとお思いでしたか? 甘いですぞサク殿」
ルイちゃんは足を広げた仁王立ちで、腰に手を当てて大きなを胸を張った。セツキ先輩にも迫る見事な豊乳が、上下に大きく弾んで、表面が波を打って、生乳のやわらかさを見せつける。
「ちなみにこの水着はサエコ殿に選ぶのを手伝ってもらったのですよ。セツキ殿はわたしに紐みたいなのばかり着せようとするので助かりました」
僕の鼻から熱い血潮が止まらない。腰骨がトロけたように力が入らない。
もう本当に、ルイちゃんのもっちりボディのとりこだった。
「ねっ、サエコ殿」
同意を求められたサエコちゃんは、ルイちゃんの体を見下ろして、バスタオルを握りしめたまま硬直していた。
顔がひきつって、あごが震えている。
「? どうしたのですかサエコ殿?」
サエコちゃんの顔を覗き込む、ルイちゃんのわずかな動きにも合わせて、開放的なおっぱいが揺れた。
「……あ……あなた……みみみ、水着……は?」
「水着? 水着ならちゃんと着て……」
ルイちゃんが、乳房の先端を飾る、桜色の頂きを見下ろした。
視界を邪魔しているであろう双子山を手で割って下半身も確認してから、ルイちゃんの顔がうっすらとピンク色に染まった。
ルイちゃんは、恥ずかしそうに大きすぎる胸を抱き隠してから後ろを振り向く。それから肩越しに、とっても可愛い、はにかんだ笑顔で僕を見つめた。
「水着を着るの、忘れてしまったのですよ」
湯船に浸かっている僕の視点が低いせいだろう。
セツキ先輩よりも大きなヒップが丸見えになって、正面からも見てしまったけど、尻たぶと尻たぶの間から見えてはいけないものが見えた。
湯船を真っ赤に染めながら、僕の視界はレッドアウトして途切れた。
体がお湯に浮かぶ浮遊感。
サエコちゃんとルイちゃんが悲鳴をあげて、サエコちゃんが僕を罵っているのだが解る。
網膜に焼きついたルイちゃんのカラダは、まぶたを閉じても、いつまでも残っていた。
ルイちゃんの体……すごすぎる……




