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第13話:今以上ですか!

一夜明けて翌日は昨日の雨が嘘みたいな快晴だった。

私とジンさんはもうここには用は無いので一緒に港湾都市に戻ることになった。

道すがら今回の事で分からなかったことを色々と聞いてみることにした。


「あの師匠。教えて欲しい事があるんですけど」

「ん、何だ?」

「そのなぜ師匠があの場に居たのか、とか、私雷に撃たれたはずなんですけどどうして無事だったのか、とか。それに師匠は今回の事をいつからどこまで予想していたんですか?」


ジンさんは私のでうーんと唸ってから答えた。

あ、ちなみに今私はジンさんを背中におんぶしながら歩いている。

指示を無視した罰兼修行の一環だそうだ。


「全部をいっぺんに答えるのは難しいから1つずつ答えるとだ。

俺があそこに居たのは半分は偶然だ。

俺がギルドで受けた依頼が丁度この辺りで発生した魔物の討伐でな。

本来なら手すきの奴が行くんだがみんな別の依頼で出てたらしくて、でも街からそんなに離れていないから放置も出来ないって事で俺に回って来た訳だ」

「その魔物は無事に倒せたんですか?」

「まあな。倒すのにそれ程時間は掛からなかったさ。むしろ移動と探索に時間が掛かっちまった。

それとあの廃村の近くにゴブリンが異常繁殖していた原因もその魔物の影響だろうな。

元々住んでいた場所を追われて来たのか、魔素の分布が崩れたのかは分からないけど」


なるほど。

偶然依頼を終えた後についでにゴブリンの討伐もしてたら私が居たってところかな?


「リーンが近くに来ているのはパーティーの腕輪で分かってたからな。

魔物の討伐が終わった後は気付かれない様に遠くから様子を窺ってたんだ」


言われて左腕を見る。

すっかり忘れてたけど、これを付けてればお互いの位置が分かるんだっけ。

ということは初日から指示を無視した行動をしてたのはバレてたんだ。


「それならもっと早くに助けに来てくれても良かったんじゃないですか?」

「自分で蒔いた種は自分で刈り取れ。無茶しても俺が居るから大丈夫なんて甘えた状態にする気は無いぞ」

「うっ、はい」


そうだった。

依頼を勝手に受けて街を抜け出したのも、あそこで窮地に陥ってたのも全部私のせいだった。

って、そういえばあの依頼はどうしてダメって言ったんだろう。


「師匠。あの依頼の事覚えてますか?ギルドを出る前に師匠がダメだって言ってた奴です」

「……あぁあれか。あれはもう手遅れだったからな」

「え、手遅れ!?」

「そうだ。小さな村で畑と家畜に被害が出る程の状況、依頼料は大銅貨5枚。

それはつまり村の存続はすでに不可能に近い状態で、依頼も気紛れで誰か受けてくれたらラッキー。今後安全になったら戻ろうかなってやつだ。

真面な村長なら村人に被害が出る前に近隣の町に避難しているだろう。

その証拠に村には魔物に食われた死体とかはなかっただろ?」

「たしかにそうですね。家も別に破壊されてはいませんでした」

「そして極めつけはその村の付近でCランクの魔物の討伐依頼が出ていた事だ。

リーンも依頼票は見ただろう?」

「あっ!?」


そう言えば街から南西に4日の距離で魔物の討伐依頼があった。

今考えてみればあの村の付近だったんだろうって分かる。


「ということは、もしかしたらCランクの魔物があの村を襲っていた可能性もあったんですか?」

「活動範囲の狭い魔物だったから可能性は低いがあったかもな。そうなったらゴブリンどころの話では無かったな」


うん。多分私もそしてシーミアさん達もCランクの魔物が居たら無事では済まなかったと思う。

でも実際にはジンさんが先に倒してくれていたと。

そっかそっか。そういう幸運が幾つも重なったお陰で無事だったんだなぁ。

その反動で雷の直撃を受けるって不幸が降り注いできたのかもって。


「そうだ。私雷に撃たれたはずなのに何で無事なんですか!?」


あれはどう考えても即死だったはず。

私は別に雷耐性の魔道具を身に付けている訳でもない……あ。

もしかしてこの魔導着がそうだったりとか?


「気付いたか」

「この魔導着ってそんなに高性能なんですか」

「まあな。どっかの誰かさんが雷神公のマネをしたいというからには、そのうち雷撃魔法を覚えたいって言い出すと思って身体強化も出来るそれを用意してたんだ。

しかし1回で壊れるようじゃ実戦には耐えられないな」


言われて魔導着の機能が停止していた事に今更気が付いた。

でも、そこまで考えてくれてたんだ。

私まだ何も言ってなかったけど、確かに攻撃魔法を覚えるなら雷撃の魔法が良いなって思ってた。

でも地元の学校では教えられる先生が居なくて習得できなかったんだ。

港湾都市なら冒険者も多いし雷神公の聖地だから雷撃の魔法が使える人も居るんじゃないかと期待していた。


「あ、もしかして師匠も雷撃の魔法が使える、なーんてことは」

「ああ。使えるぞ」

「え、本当ですか!?」


ジンさんは戦士っぽいから雷撃みたいな高等魔法は使えないと思ってたけど聞いてみるものだ。


「教えてやっても良いが、基礎訓練をサボらずしっかりやった後の話だ。

当面は基礎体力と基礎魔力作りだ。

今回の事で余裕を持たせるとサボることが判明したからな。

今後は更に厳しくやるからな」

「い、今以上ですか!

実は既に両足プルプルしてるんですけど」

「当たり前だバカ。飛脚術を魔力限界近くまで使ってたんだからな。

あればピンヒールでダンスを踊るくらい足に負担が掛かるんだよ」


確かに飛脚術を使った翌日は筋肉痛になるから緊急時以外は使わないようにしてたんだけど。

あ、あの。もう結構限界なんですが、休んじゃダメですか?ダメ、ですよね~。


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