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6話 ウンコォブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリおならがブーーーッ!!

 自転車でしばらく移動した。


「そろそろカラルサス共和国に入ります」


 トラス・ファキトラシュはそう言った。その時、変な看板が見えた。変な看板には『喉がカラカラお腹サスサスみんなのオアシスカラルサス』と書いてある。


「気にしないでください。カラルサス共和国は全然オアシスではありませんので」

「ですよね」


 たいていこういう看板は胡散臭いし、嘘っぽい。




 カラルサス共和国に入ってからもしばらく移動した。すると、道のド真ん中でケツを振っている頭の可笑しい女(もしかしたら男かも?)がいた。俺とトラス・ファキトラシュはそいつが邪魔で先に進めなかった。


「邪魔です。どきなさいシット・ダテプープ」


 ――シット・ダテプープ? 馬田一也(うまだかずや)が言ってたオーダ・ダテプープの家族かな?


 俺はそんな事を考えていると、シット・ダテプープが意味不明のドヤ顔をした。


「ウンコォブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリおならがブーーーッ!!」

「っ!!?」


 ――こいつ!? なぜ俺の黒歴史を!


 俺は小学生の頃、ウケると思ってやったネタがダダスベりしたことがある。そんな俺の黒歴史にある言葉をなぜかシット・ダテプープは発した。


 戸惑う俺の前にトラス・ファキトラシュが行った。


「シット・ダテプープ。悪さをする事こそ我が人生と思っているキチガイです。他人の物にゴミを付けたり、迷惑行為を平気でしたり、酷い時は他人の黒歴史の真似をするのです。……シャビ・エンプカーンの時に言ってませんでしたが、シャビ・エンプカーンとシット・ダテプープとダスト・ガベルアンジはこの世界の三大キチガイと呼ばれています」


 ――三大キチガイ!? 嫌な呼称がついてるなぁ。てかダスト・ガベルアンジってトラスの主じゃないか…。……だけどシット・ダテプープはどうやって他人の黒歴史を……?


 シット・ダテプープがゲス顔をした。


「おっぱいぶるんぶるん」

「うっ!!」


 ――こいつ! また俺の黒歴史を! ……にしてもどうやって他人の黒歴史を覚えるんだ? まさか! シット・ダテプープは記憶を――


「黒歴史なら目を見れば分かるんだぜ!」

「っ!?」


 ――なんだと!? 特殊能力じゃねぇか!?


 警戒する俺にトラス・ファキトラシュが言う。


「こんなやつ放っておいて行きましょう。私もシット・ダテプープの事はとても不気味だと思っています」


 俺とトラス・ファキトラシュは自転車に乗って突っ切ろうとする。だが、シット・ダテプープは道をふさいだ。そして――


「ペッ」


 トラス・ファキトラシュに唾をかけた。とびっきり汚い唾をかけたのだ。


「お前顔面偏差値高いから気に食わん。というわけではい!」


 シット・ダテプープはトラス・ファキトラシュの顔にドロドロしたゴミを付けた。


「イエェェェェェィ――……」

「…………」


 トラス・ファキトラシュはシット・ダテプープの顔面に銃口を向けた。


「選びなさい。これで撃たれて死ぬか、首を斬られて死ぬかを」

「…………ウンコォブリブリブ――」


 バンッ!!


 銃声がなった。銃弾はシット・ダテプープの頭に……は当たっていなかったが、髪の毛をかすってはいた。シット・ダテプープは白目を向いて立ったまま気絶していた。トラス・ファキトラシュは俺の方を向くと、何事も無かったかのように無表情で言う。


「さて、行きましょう」

「……はい」


 ――この人怒らせたら死ぬなぁ。


 俺とトラス・ファキトラシュは気絶したシット・ダテプープを放置して移動を始めた。

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