宇宙のバンド活動
僕は、一転して問い詰め始めた羽海に別に気にしなくてもいいんじゃないかなと思いつつも、何も言わずに始めたのも事実なので、説明することにした。
「まあ、この家は僕が一人で買ったわけじゃないからね?」
「そうなの?」
「うん、基本的には僕が住んでるから住居部分は僕がほぼ払ってるけど地下のスタジオの所はメンバーに出してもらってるからさ。レコーディングとかの時は下でメンバーとやってるんだ」
「へー……でもそれって実質ほぼ宇宙が出してるってことじゃ」
「いや、そんなことはないけどね?」
「ならいいけど……っていうか宇宙が音楽が好きだったのは知ってたけどこんな事になってるなんて知らなかったんだからね!BLAZEって私も聴いてるし!」
「そうなんだ?」
「そうだよ!なんだったらこの前出たアルバムだって買ってるんだからね!」
「そうなの?それは素直に嬉しいよ、サインでもしようか?」
「え!?嬉しい!……ってそういう話じゃないから!とりあえず、なんでBLAZEを結成したのかとかなんで私にも教えてくれなかったのかとか色々聞きたいんだから!」
「そこはあんまり話すことでもないんだけど……まあ黙ってたこっちも悪いし話すよ」
「うんうん!」
こうして僕は、BLAZE結成の話を始めた。
「あれは今から2年前の6月頃かな。
僕は、時々動画サイトのShowTubeで楽曲を投稿してたんだ。その時までもそこそこ視聴されてはいたんだけど、その時に出した後にBLAZEのデビューシングルになる『Stargazer』が爆発的な人気になってね。メジャーデビューしませんか?って某レーベルの人に言われてじゃあやろうってことになったのがBLAZE結成のきっかけだね。そこからベースとドラムのオーディションをして3人組ロックバンドとしてデビューしたんだ。そこから先は羽海も多分知ってのとおりだよ」
「なるほどね?でもStargazerって要するに宇宙が中2の時に作ったって事でしょ?」
「まあそういう事になるかな」
「それすごくない?だってそれもしながら勉強も全国トップクラスを維持って…………ほんとに人間?」
「ちゃんと人間だよ!?……ああ、それとね?みんなに僕のことを伝えなかったのは年齢的な理由だね。拡散されるとちょっと面倒なことになる可能性があったから。でも、高校に上がったのをきっかけに公表しようってメンバーと話してたからさ」
「そうだったんだ……」
「だから、黙ってたのは申し訳ないって思ってるけどお互い様ってことでね」
「そうだね!私も私で押しかけちゃったし」
こうして僕と羽海が和解してこれからについて話そうとし始めたときだった。玄関のチャイムが鳴った、それは僕の家では普段は無いことだった。それが起こるのは……
「ちょっと見てくるね!」
「今開けまーす!…………えっと、どちら様でしょうか?」
「…それはこっちのセリフ。あなたこそ誰?」
新たな修羅場が幕を開けようとしていた。
次回はBLAZEのメンバーが登場します!
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