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出オチの王国  作者: 迫る騎士シカマル
1/3

幻獣、誣謗(ないことをあるように作って、人を馬鹿にすること)

 「俺様は化物だ」


 そう言うのは全身毛で覆われた何か。それ、が化物と称しているのでそうしておく。


 「な、なんの用ですか。僕に」


 僕は何の取柄もない中学生。だからみんなに馬鹿にされ、いじめられている。

 

 今日もいつも通り男子からは肉体面、女子からは精神面からの攻撃を浴びせられて、心身共にダウン寸前。早く唯一の安全場所である家に帰るため、そこに叱咤をかけて下校中である。


 そこに突然現れた自称化物。そいつは言う。


 「俺様はお前を獣にさせることができる」



 「で、一体、獣ってどういうことだよ」


 そのまま家までついてこられ、今は僕の部屋で二人きり。この場合、一人と一匹なのか?


 なにはともあれ、化物は僕の質問に答える。


 「そのままの意味だぜ。そうすればお前はいじめから解放される」


 「本当か」


 「ああ、そこは保障するぜ」


 「じゃあ早速、僕を獣にしてくれ」


 「了解だ」


 化物は僕の頭に手を当て、ブツブツと詠唱する。


 ほんの数秒で詠唱は終わる。


 「もう終わったのか」


 「ああ、確かめるか」


 そう言うよりも早く、化物は僕のスマホをいじりだした。慌ててかっぱらった時にはもう遅かった。クラスライン一言「お前ら全員、死んで俺様に謝れ」と送信されていた。


 文面は矛盾している感が否めないが、とりあえず、僕は明日が命日になるかもしれない。


 「おい、どうしてくれんだよ」


 「うるさいな。よく見ろ」


 化物に言われ、おそる恐るスマホ画面を見続ける。


 1分、10分、そして一時間が経過。誰も僕のラインに返信してこない。返信してもしなくても脅迫じみた文章が僕宛に送信されていたのに。


 「あ、ありがとう」


 最後に化物は「俺様にとってもな」と言い残し、僕の部屋から去って行った。



 翌日、僕は遅刻ギリギリ。なぜか母さんが起こしてくれなかった。こんなことなかったのに。その上、朝ごはんまで出さない始末。


 この際それはどうでもいい。いじめから解放された喜びの方がでかい。


 嬉々とした面持ちで僕は教室へと入る。


 だが、そこには僕の机が存在しなかった。


 どうやら僕は「の獣」にされたようだ。






だ、ダジャレ……

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