91/95
鋼殻竜 / ティアマト
■鋼殻竜
ユグドラシルにおける頂点捕食者。
成体の全長は、およそ十七メートル。炭素鋼と同等以上の硬度と靭性を誇る外骨格によって全身が覆われており、砲弾でさえ容易には貫通させることができない。
性格は極めて獰猛であり、人類の存続さえ脅かしかねない危険な存在だが、海、湖沼、河川など、まとまった容積の水を嫌う習性から、その生息域はアルテシア王国の北端に位置するネストと呼ばれる台地状の島に限られている。
真社会性の生物である鋼殻竜は、大部分が不妊階層に属するが、産卵によって繁殖を担うティアマトと呼ばれる個体が少数存在する。ティアマトは自身が産み落とした卵に異常な執着を示すことが知られており、鋼殻竜の卵の拾得はネストにおける最大の禁忌とされている。
■ティアマト
鋼殻竜の社会において繁殖を担う個体。
不妊階層の個体に比べて遥かに大きい体躯を誇り、全長は百メートル近くにもなる。普段は地下の巣穴に籠もって産卵に勤しんでいるため、地上に姿を現すことは稀である。




