地理
■ユグドラシル
地球の平行世界。
地球と等しい大きさと質量を持つ惑星であり、大気の組成や生態系も似通っている。
人類の言語、文化、科学技術にも類似点が少なからず見受けられ、文明レベルは西暦1900年前後(第一次世界大戦の直前)に相当する。
■アルテシア王国
ユグドラシルに存在する王政国家。エルド教を軸とする宗教国家でもあり、国王は教王とも呼ばれる。
樹高三百メートルを超える支天樹の森によって、国土の三割が覆われている。また、アース文明の大規模な遺跡を多数抱えており、北端には鋼殻竜の唯一の生息地であるネストを有する。
主な産業は、巡礼者を対象にした観光業と、アース文明の遺跡から発掘された各種有価物の輸出である。
■ミストルティン
アルテシア王国の王都。
支天樹の森に囲まれた円形の平野に位置する。王都の中央には、エルドの樹と呼ばれる樹高千七百メートルに達する規格外の支天樹が屹立しており、その樹の根元を囲むように白亜の美しい王城が建てられている。
近郊のヨダ川から水を引くことで、市街地には大小の水路が張り巡らされており、格式の高い建物と相まって風情のある景観を作り出している。
■ベリンダ
アルテシア王国本土とネストの間に架けられた巨大な吊り橋。
ネストに渡る人々のベースキャンプ的な役割を担っており、探検家や採掘作業員を目当てにした飲食店や宿泊施設、アース文明の研究施設、鉱石の製錬所や工房、さらに各種小売店や物流ターミナルなどが、橋板の上に所狭しと建てられている。
人口も増加の一途をたどっており、現在ではアルテシア王国において王都ミストルティンに次ぐ大都市となっている。規模を誇る都市となっている。
また、ベリンダのネスト側は、鋼殻竜の侵入を防ぐために高さ三十メートルの防壁によって囲われている。
■ネスト
大規模な地殻変動により、海抜千メートルほどの高さにまで隆起した台地状の島。
島の外縁は垂直に切り立った険しい崖となっており、加えて周囲の海域は潮の流れが速いことから、上陸にはアルテシア王国本土から架橋された橋上都市ベリンダを経由しなければならない。
ユグドラシルにおいて頂点捕食者に位置づけられる鋼殻竜の唯一の生息地であると共に、アース文明の遺跡と鉱床の宝庫である。そのため、鋼殻竜との遭遇という危険性が周知されていながらも、世界中から多くの人々が採掘のために訪れている。
■キスカヌ遺跡
アルテシア王国の領内に位置する、支天樹の森に囲まれたアース文明の大規模遺跡。
アース文明期、ローンチヴィークルの射場として、セフィロトシステムを構成する人工衛星の打ち上げに用いられた。レーザー砲を始めとする防衛設備が現在に至っても稼働中であり、足を踏み入れることに成功した者はいない。
■シュタール連邦共和国
アルテシア王国の南西に位置する共和制国家。
領土面積、人口、経済力、軍事力の全てにおいて、ユグドラシルのトップに君臨する大国である。古くは小国が乱立し、互いに小競り合いを繰り返す地域だった。しかし果ての見えない戦乱に耐えかねた民衆が国家の枠を超えて一斉に蜂起し、各国の君主を打倒して連邦政府の樹立を成し遂げた。
建国の経緯から開明的で挑戦的な国柄であるが、近年は良くも悪くも政治と経済の熟成が進み、官僚の汚職や企業の不活性化なども目立ってきた。




