Op.42 リフト・オフ
ミコトは管制室に詰め、ロケットの打ち上げを急いだ。
各部署から作業完了の報告がもたらされ、発射台から作業員たちの退避が完了する。
シュタール連邦共和国軍の樹械兵が現れ、シタンが苦戦しているとの報せが入った。ミコトは焦る気持ちを抑えて最終チェックを済ませ、カウントダウンの開始を指示する。
『5、4、3、2、1』
そして『0』がカウントされると同時に、キスカヌ中央の発射台において、ロケットのノズルが火を噴いた。
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『なんだ!?』
爆発のような音に、ライドたちが動きを止めた。その場にいる全員の視線の先で、巨大な筒が地面を離れようとしていた。
轟音が大気を揺らし、噴煙が空を割る。
圧倒的な力の上昇は、遠くミストルティンからも望むことができた。
◆
ロケットブースターの燃焼と切り離し、一段目の燃焼と切り離し、そして二段目の燃焼の全てを成功させ、ロケットは人工衛星ティファレトを衛星軌道上に押し上げた。
衛星軌道に投入されたティファレトは、すぐさま太古の昔に打ち上げられていた他の衛星との通信リンクを構築する。