Op.31 キスカヌ遺跡
ある日、カムラの執務室を訪れた数人の議員から、シュタール連邦共和国への支援要請を王立評議会にて再審議するよう、署名付きの要望書が提出された。
強硬な議員たちの態度に頭を抱えるカムラ。そんな彼の元へと、ミコトが息を切らせてやって来る。
ミコトは、アース文明の大規模遺跡であるキスカヌの調査を行わせて欲しいと、カムラに申し出た。
理由を問うカムラに「ケテルは、ティファレトと呼ばれるものの操作を担う装置であり、そしてそのティファレトが、キスカヌに存在する可能性が高い」と、ミコトは答える。
「しかし、ミコト殿、調査を行うのは構わないが、あの遺跡には侵入を阻む堅固な仕掛けが備えられている。樹械兵の一個師団を投入したとしても、突破は困難だ」
「いけませんぞ。国家危急の折なれば、戦力の損耗につながる行動は厳に慎むべきです」
カムラの言葉に反応し、議員の一人が口を挟んだ。しかし、それを牽制するかのように執務室の扉が開き、シタンが姿を現した。
「私が同行しよう」
「シタン様……また勝手を仰る。先般、ベリンダにおいて少なくない数の樹械兵が失われたこと、よもやお忘れではありますまい」
「サージェントプラナスのみを動かすのであれば、問題はないだろう。あれは元々、王家の持ち物だ」
告げながら、シタンはミコトに向き直る。
「しかし、キスカヌが相手では、サージェントプラナスとて時間稼ぎの的にしかならないだろう。何か策はあるのだろうな?」
シタンの問いに、ミコトは力強く頷いた。




