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山賊襲来
朝、王を隊長に讃歳武館の男達が護衛した荷車が出発した。
男達の中にロドリゲスと早川もいた。
一行は城門を出ると荒野を進んで行く。
日射しが強く皆、大粒の汗をかいている。
「よし、ここで休憩する」王が言った。
各々、腰を降ろし水を飲むなど休憩した。
早川は1人、遠くを眺めていた。ロドリゲスは銃の手入れをする。その様子を数人の男が好奇の眼で見ていた。
「では行くぞ」王が言い、一行は荒野を進んで行く。
前方から騎馬隊が走って来た。
そして、一行の前で止まった。
「ご苦労」騎馬隊の隊長が一行に声をかけた。
「少林寺の残党は見つかったか?」王が聞いた。
「いや。まだまだ見つからん。が、広東に来る事は間違いないだろう。隣街には将軍が御滞在だ」
隊長が言った。
「そうか。では街に着いたら我々も力になろう」
王は言った。
「それは心強い。では我々は行く」隊長が言い、騎馬隊は去って行った。
一行は進み、やがて山道に入った。
さらに進むと川の橋のたもとに来た。
「狭い橋だな」王が言うと橋の向こうから男達が現れた。「山賊だ」王が叫んだ。