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李の思案
月夜
灯籠の灯りが境内を照らしている。
李と僧は寺の中で話しをしていた。
「少林寺再興のためには同士が必要です」李が言う。「そうじゃのう。場所も必要じゃ」僧は言う。「場所はやはり広東と考えてます」李が言う。「フム。だが広東も清の支配にある。清の目が届かん所となると難しい」僧は言った。
「そうですね」と李が言う。そして「まずは福建少林寺の仲間を見つけます」と言葉を継いだ。
「まあ、今日はゆっくり寝なさい。疲れているじゃろう」
「わかりました」と李は答えた。
李は寝床で物思いに耽っていた。
幼い頃、街道場で修業した日々。血気盛んだった青年の頃。更に武術を極めようと家を出て少林寺に入門、修業し指導者になった頃、様々な思い出が蘇って来る。
必ず少林寺を再興する決意は固い。そのために身を捧げる。だが、どうすれば良いのか。思案に明け暮れていた。
とりあえず、広東に来たが、これから、何処に行けば良いか思いつかないのが正直な所だった。
そんな事を考えながら深い眠りに落ちて行った。




