10/372
Aの悲劇
私の名は、アマン・ダーラ。
職業 ゲートガーディアン セントラルゲートの実働部隊№2
LV28の兵を自負している。
自負しているのだが・・・
昨日以来、凹んでいる・・・
LV01の少年達は、
朝、出掛けたと思ったら、獲物を捕って、1時間程で帰って来る。
それは良い、それは、良いのだが、
この町 シン・ジュークの半径20㎞には、居ないのだ。
LV60越えのウササギもキキジも、ましてや、
黒緋ヒグマなどここ30年はお目にかかったことすらない。
だが、その少年たちは、それを、複数捕って来る。
罠で仕掛けて捕ったというなら、無くはない。
だがしかし・・・デコピン? 生け捕り? ありえなぁ~い!!
今朝など、私の目の前で 棒切れ一本で黒緋ヒグマをK・Oなのだ。
悪い夢を見ているようだ。
だが、台車に乗せられた黒緋ヒグマを町の人々が取り囲み、騒いでいる。
私の名は、アマン・ダーラ。 その少年たちは、私をおっちゃんAと呼ぶ。
明日は、非番だ。ゆっくり休ませてもらおう。 せめて、この胃痛がおさまるように・・・
ああっ、今日の報告書も、すぐには、信じてもらえないのであろう。・・・