7 イメージが生み出す物と俺の名
長く待たせてしまい、すいません。
忙しかった時にちょこちょこと書いていた物を今回出しました。
これを出した後に活動報告にこれからの事を書きますので良ければ見て下さい。
俺の尻尾から放たれた擬似太陽は演習場中央へ向かって飛び、覆っている魔力の解放と共にその脅威を周囲へと振りまく。
ドンッ!という爆発音とも思えない音と共に小規模爆発を起こす。
小規模爆発の理由は威力を高める為と演習場を荒らさない為の工夫である。今の状態でも演習場はかなり荒れているのに、そこに高威力魔法なんてぶっ放したらそれこそ使用不可能レベルに成りかねないからだ。
そして今の状況を説明すると、とんでもない事になっている。先ず爆発した擬似太陽は半径三メートル以上脅威を広げないように操作したが、演習場の外にいる俺の周囲の温度が急激に上昇し灼熱砂漠に放り込まれたかの様な気温になっている。
そしてドンッ!という音は地面の破壊も意味している。急激に熱せられた地面は水分を失い干からび、その後に伝わって来た衝撃波で地面が爆発を中心に半径十メートル程吹っ飛んだのである。後から衝撃波が伝わって来たと表しているが、そんなものは殆ど誤差で秒間とかそんな差である。
それでもまだ轟々と破壊を続ける擬似太陽は周囲の水分を蒸発させ未だに気温を上げ続けている。
漸く破壊が終わり中心へと向かって急速に小さくなっているのを見ていると、先程まで脅威を振るっていた存在なのに呆気ないと思ってしまう。
結果として見れば、元演習場の地面全ては干からび最初に地面が吹っ飛んだ場所の土は蒸発し消えた。
擬似太陽の爆発後の地面は溶けてガラス状になってしまっているし、周囲の草も灰と化してしまった――最初に枯れて干からびた側から発火した――ので運動場二つ分の広さになってしまった。
俺や龍達は身体強化で耐えれたが、この魔法は範囲指定しないと相当危険だと分かったので当分封印する事になると思う。ポコポコ放って環境破壊したい訳じゃないしな。
「うーむ……中々の威力だな。ただ周りへの影響が大き過ぎるから考えものだな」
「確かに、周りへの影響を抜きにすれば完璧よ。でも、そこは練習しかないわね」
「儂でもあの攻撃は避けんと致命的ダメージになってしまうな」
「ですが初めてにしてはイメージや魔力操作も上手でしたよ。まるで効果を知っていたような……これは異世界の知識ですかね?」
「これも見抜かれた……何か自信なくなって来たな」
「僕達と大きく違う部分はそれぐらいしかありませんしね」
こうして魔法に関しての情報や工夫すべき点を挙げてもらいながら、意見していると子竜達が合流して来た。
演習場から爆音が聞こえ慌てて飛んで来たとの事だった。
「成る程、そんな事があったのか……」
「演習場をこんなにしてしまうなんて、力加減ってものを知らないのね」
「確かにその通りなんだぞ」
「貴方は黙ってなさい」
「すまないんだぞ……」
「これは実戦で使い物になりませんね」
「まあ、そう言うな。後々工夫すればいい事だ」
「儂が見たときお主達は発動すらしなかったはずだが?」
「まあまあ、諍いはみっともないから止めなさいな」
「儂は諍いなどに興味は無いわ。初めからこの威力を出せる黒竜を褒めているだけだ」
「はいはい。見栄を張らなくても良いですよ」
「ぐぬぅ……」
何故か子竜達と龍達の諍いが始まっていた……。
俺も諍いには興味は無いが、初めてこの威力を出せた自分を褒めてやりたい。まあ、どれくらいの威力が平均か分からないから判断基準が曖昧なんだがな……。
そして少しの間フォートレスとソニック、ミストの宥め合いがあったが、最終的に名付けの話になった。
「で、息子達よ。名付けの件に関しては終わったのか?」
「……いや、まだだ」
「ぬ?どうしたはっきり喋らんか」
「自分達で決めるのはやめたんだぞ」
「おい!」
「なるほど、自分達で決めるのが恥ずかしかったと。だから俺の魔法を言い訳に誤魔化そうとしてたのか?」
「「「「……」」」」
「図星かよ……」
まあ、最初からそんな気はしてたけど……。
「じゃあ俺が付けても文句は無いな?」
「儂も丁度お主の名前を思い付いた所だ」
「ではそれで皆んなも構いませんね?」
ソニックさんが最終確認をしているが、さて俺は一体どんな名前になるんだろうな。
「煌炎龍の息子から『ブレイズ』意味は『激しい炎』二つ名は『爆炎』
次、紫電龍の息子は『サンダー』意味は『雷』二つ名は『雷鳴』
次、岩砕龍の息子は『クラグ』意味は『岩山』二つ名は『鋼鉄』
次は、華水龍の娘さんですが名は『アクア』意味は『水』で二つ名は『深淵』だ」
「ふむ。次は儂の番だな。
黒竜の名には悩んだのだが『フェリオス』とする。この世界で『自由』という意味だ。
名はお主の雰囲気から考えさせてもらった。魔法も無く、人や動物しかいなかった世界の生まれにも関わらず儂ら龍に怯えず逆に絡んでくる面白い奴だからな。
それに、これからお主が進む道の先で誰にも縛られる事がないようにとの願いも込めた。
まあ、龍種が縛られるのも可笑しな話なのだがな」
「フェリオス……か。ああ、いい名だな!分かったこれからはフェリオスと名乗らせてもらう」
「さて、ではこれからどうするんですか?」
「そうだな……幾つか試してみたい事があるな」
こうして龍、子竜と共に俺は考え付く事を話してみるのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
続編も読んでいただけると嬉しいです。
活動報告には作者名から飛べると思いますのでよろしくお願いします。