53 午後の予定へ向けて
どれだけ時間が余っていようと書けないもんは書けないし、いざやる気出しても1行書いて終える事もある。
結論:これ毎回の言い訳になってるけど、仕方ないじゃない事実だもの
原因:自分の妄想には限界があるし、他人のを読んでる時の方が楽しいからねぇ…どうしてもね
ギルドで引き受けた醜鬼村の破戒及び殲滅を終え、そこに捕らえられていた生き残りと危うく加えられそうになっていた翡翠の扇の女三人を救い出し、今は醜鬼リーダーに負傷させられ動けないであろうメンバーの男二人を探して移動中だ。
そして、魔力探索のスキルを使用する際に魔力波によって引き寄せられる魔物群を狩り、残りの依頼である投擲猿と妖犬の討伐証を紫に集めさせているところだ。
「う〜ん…そろそろ引っかかってもいい頃なんだがなぁ」
この鬼戦の森は街の北東にある貧痩の森と違って大きさも出てくる魔物の強さもかなり違う。こちらの方が森の規模が大きく魔物の図体はしっかりとしている。
その森で十分ほど歩き回っているのだが、一向に姿を捉える事が出来ずにいる。
「変だな?そろそろ森の外周付近を除いて有効範囲の円が完成してしまう……となると、この短時間での可能性としては二つぐらいか?
既に死んでいて反応しないか、探索・探知妨害系の手段があるか
ふーむ…どっちかに心当たりはあるかね?お三方」
「堅実な戦い方の兄さんと支援が得意な弟の事だ……確実に生き延びている。妨害するような道具に覚えはないが、二人とも有事の際の手段は確保しているはずだ」
先ほどまで強気だったセニアが少し不安そうに応える。姉と妹を気遣い精神の柱でいようとしているのが伝わってくるが、負傷し戦力が落ちている状況で長時間耐えれるほどこの森は温くない。
「なら、スキルの方に問題がある可能性か……。確かに、街中で使用していた時と違い魔物を引き寄せるデメリットっぽい効果は初めて知ったしなぁ。
何も見落としはないと保証出来る訳でもない。はぁ…仕方ない。一度面倒を覚悟でスキルに頼らず探してみるか」
魔力探索スキルをコントロールしていた叡羅に中止を言い渡し、歩みを止めて魔力に意識を集中させる。
魔力波を勢い良く放ち跳ね返ってくる情報に意識の全てを充てる。濁流の様な勢いで情報が次々と流れ込み、頭痛と共に脳味噌が破裂するかと思うような感覚に襲われるが、叡羅のサポートが反映されると同時に鏡の湖面と似たクリアな感覚になる。
「あぁ?スキルの能力ガバガバじゃねぇか……」
醜鬼村から数百メートル。現在地から数キロ離れた場所にポッカリとドーム状の空白地帯が出現したのだ。その場所へ向けて再度魔力波を飛ばしてみると先程とは位置が微妙にズレているが確かに空白地帯が存在した。それも、確実に外周に向けてズレている。
確定だな。この空白地帯が魔法や結界の妨害系によって出来たもので、二人は生存しこの森からの脱出を試みていると。
しかし、これは為て遣られた感が強いなぁ……。実の所、正確に表現するならば空白地帯ではないのだ。
ソナーのイメージが分かりやすいが、物体に当たって跳ね返ってきた魔力波を受け取って魔物や木々の場所を把握している訳だが、二人の場所周辺のみ魔力波が受け流されている感覚だ。
俺一人では魔力波の情報から簡易マップのように把握するのは困難だが、叡羅によれば受け流されている範囲より奥から届く反応にタイムラグがあり、その情報をマップに組み込むとドーム状の範囲が生まれるのだとか。魔力波って表現上地面に平行に飛ばしてるはずなんだが、どうやって三次元を把握してマップ作成したりラグ計算してるのかは謎だ。
「紫!走るから一旦片付けるぞ」
今の今まで全方位から襲ってくる魔物を牽制したり殺して捌いていた紫に声を掛ける。
「りょ〜〜かいっ!でもちょっと面倒だから魔力貰うね…私をぶん回して!」
両腕を軟体生物のように鞭やら鎖やらに変化させていたが、返事と共に後ろに振りかぶった足が鎖へと変化し手元に収まると同時に柄になる。そのまま魔力をごっそりと持っていくと、柄の部分から先が一本の刃になる。
そして出来上がったのが斬馬刀や大太刀といったモノもびっくりの大刀が完成。それを「伏せろ」と叫びながら力任せに円を描くように振り回せば、周りの一切合切を真っ二つに切断した。
途中でリヤカーを避けたので一部の魔物は切り口が微妙なのもいるが地上にいた敵は全て絶命し、木の上のやつは適当に叡羅任せで水魔法をぶち込み溺死した死骸がボトボトと落ちていた。
「ふい〜ぃ。叡羅任せとはいえ防衛にちょろちょろと魔力削られてて鬱陶しかったけど、ようやくスッキリ出来たな」
投擲猿や妖犬が石・棍棒・錆びた数打ちなどをぽんぽこ飛ばすので、質量のある土属性魔法で迎撃させられていた。
「ホントだよ全く…。弱い癖に数だけは優秀なんだから」
大刀から人の姿へと変わり、尻尾を切り落としたり体内から魔石を抉ぐる紫が不満を口にする。
その姿を横目に叡羅サポートの元全ての魔物を適切に処理して次が来る前にさっさとその場を後にした。
最後の探知から最速で移動して来たからここら辺に居るはずだが、さて?
「ん〜〜、おっ、あれかね?」
少し遠目に木に寄り掛かるボロボロの男二人組を見つける。その顔は恐怖に染まっており、ビクビクと震えながら身を縮こませている。
二人を回収してアクアの見様見真似で回復魔法の応急処置を施していく。ステータスにも反映されないお粗末なものではあるが、打撲痕や捻挫に剥離骨折ぐらいなら治せるので案外馬鹿には出来ない。
後ろの怪我人などに負担が掛からないようえっちらおっちら歩いて、漸く森を抜ける事が出来た。
森を出れば後は楽勝だ。魔物が少し出るかもしれないとは言え、見通しの良い街道では奇襲なんぞ無理な話だ。
そこからはまぁ、ある程度順調にギルドへと来れた。すれ違う冒険者に驚かれ、南門から入る時に門番のおっさんに質問攻めにされたり、衆人の様々な視線が鬱陶しかったりしたが、荷台の奴らよりかは幾分かマシな筈だ。
ギルドの入り口近くに着けて、近くにいた人に声を掛けて受付嬢を呼んでもらう。その場に待機しながら話をまとめ、事情を話して手続きやら保護やらの処理に奔走するのを横目にギルドの修練場へと向かう。
森の出口と街の入り口で散々感謝されたが、ギルドに責任を放り投げたってのに未だに頭を下げたまま俺を見送っていた。
うーん……気が重い。模擬戦といえど午後の予定に響かないよう手加減をしろと言ったはずだ。しかし、今向かっている修練場の方向からはバトル漫画みたいな音が聞こえて来る。
試験の時は一箇所しか使用していなかったが、ギルドには複数の修練場があり教練や講義、個人利用や模擬戦と言った様々な用途で使用されている。
その内の一箇所からアレな音が聞こえてる訳だが、個人利用のため他の者は入れず普通なら聞こえてこない音に他の利用者は扉付近を避けるようにして通路を通っていた。
んで、この注目されまくりの中、扉を潜って入って行かにゃならんのはかなり恥ずかしい。
たが、いつまでも扉付近でうろちょろしてる意味もないので覚悟を決めて入っていく。当然周りからはギョッとした目で見られた。勘弁してくれ。
「お〜い。戻ったぞ〜いっと……」
俺は前方の光景を目にしたと同時に入って来た扉を勢いよく閉めた。
目が爛々と輝き、肌には光沢のある鱗、口の中には肉を容易に引きちぎる牙、尻の辺りからは獰猛さが顕現したかの様なゴツゴツしい立派な尻尾が生えていた。
そして、リアンは完全に人の丈以上ある筋骨隆々でボディービルダーも真っ青の筋肉ゴリラになっていた。唯一顔だけは好々爺のままなのでそれだけが救いかもしれない。
うん。ハッキリ言って今のブレイズ達は人ではなくまさに竜人や魔物といった風貌に変わっていた。それも未だに戦いを止めない本人達は無自覚であの姿を晒しているのだろう。
頭の痛い問題が出来てしまった……。本来眷属契約スキルで縛っているのでこういった事は起きる筈がないのだが、距離を取ると効果減衰でも発生するのだろうか?……ありそうだ。テレパーシーの不良という前例があるだけに今回もないって言い切れねぇ。
取り敢えず一発頭をしばいてから説教を挟んで、それから何か対策を考えるしかないか。コイツらと組んでると常に自由に動き回ろうとするから制御が大変なんだよなぁ……。(泳ぎ目)
まあ、元々が竜と魔物いう存在だから周囲の生物や時間に縛られてるのがそもそも変だと言う事にはなるのだが。
「おい、お前ら!一旦止まれ!んでもって、一発殴るから覚悟しろ」
俺が怒鳴って近づくと、静観していたアクアとサラ以外が驚いてこっちを向き明らかに目が泳いでいた。
未来予測していたのか、アクアからは呆れのため息とサラのさすお姉で評価が上昇と。
午後の予定に向け余力もたっぷりの様でなによりだ(青筋)
次話は可及的速やかに投稿出来るよう善処しますw
そんではまぁ、投稿しなかった期間に新たに読んでた小説の紹介します。
【なろう】目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい
【なろう】ご主人様とゆく異世界サバイバル!
リュート先生
1作品目はSFゲームの大まかな知識とテクを活かして宇宙を渡る物語です。ハーレム系でイチャイチャが強いですが、撫でポ(即落ち)みたいなことはないです。
2作品目は某地雷なクラフターや7大豆などの主人公を異世界へ連れてったらまぁ、理不尽さに驚くよねっていうハーレム系物語です。超イチャイチャしてます。序盤だとそんなでもないですが(日本人の貞操感)、最新話までくると経験人数?…多数!みたいなw 爆発すれば良いのにとは思うけど、その場所変われとも思う。(人間性を殺すクッション下さい!)
個人的に書籍化の絵がヤッペン先生なのは得点高いですw
【なろう】難攻不落の魔王城へようこそ~デバフは不要と勇者パーティーを追い出された黒魔導士、魔王軍の最高幹部に迎えられる~
御鷹穂積先生
最初は名前からしてありがちなストーリーだと思って読んでたんですが意外な設定が出て来た事にビックリしました。その設定に沿って話がしっかりと組まれているのでとても興味深く、共感というか入り込み過ぎで感動してめっちゃうるうるきました。
中々そういう入れ込む作品ってないので結構久しぶりの感覚でしたw
【なろう】最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える
じゃき先生
【なろう】限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない ー オーバーリミット・スキルホルダー
三上康明先生
【なろう】最強錬金術師の異世界珍道中
猫子先生
【カクヨム】ガンバルローグ
水野藍雷先生
読む人注意の作品ですね。グロイとかR指定超えてるとかって事は無いんですが、下ネタ系がとんでもねーです。話は駆け出しの期間(数話)過ぎると面白くなる(個人意見)ので注意とか言いましたが、慣れて逆にネタ要素になるのでブラウザバックは諦めましょう。
(理由無しの下ネタ言いたさでは決してありません)
【カクヨム】黒の棺の超越者 ー蠢く平行世界で『最硬』の異能学園生活ー
浅木夢見道
主人公の周りのヒロインが大抵クレイジーなのである意味こういう能力であったことに助けられてるのではないだろうか…知らぬが仏
【カクヨム】七天魔導の中でも最強と言われているのに、魔法学院に通えと言われた……
壱兄さん先生
更新が止まっていますが、元々不定期更新だそうなので早く続きが読みたい作品です。言葉的には他作品と比べて少ないですが、厨二好きや無双系好きには刺さると思うので是非読んでみて下さい!
読めば分かる!!
【カクヨム】射程極振り弓おじさん
草乃葉オウル先生
今回はここまで!以上!!
紹介文がない作品は面白くないと言う訳ではありません。個人的に楽しく読ませてもらってます。
が、全部が好みのド真ん中という訳ではないという話です。