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異世界最強種〜神龍より生まれし存在〜  作者: 黒神金龍
『混成覇王 ― カオスダイナスト ― 』誕生
54/56

52 事後処理

一話にかける気力が無くなってきたので、最低限目標の三千字で取り敢えず投稿です


 濃い霧の中で異様な存在感を放つ刀を帯刀し佇む男。男の少し前の地面には、地に伏せ額に縦長の穴が空いた死骸があった。血は流れておらず代わりに肉の焼けた不快感を催す臭いが漂っていた。



「さーてと、帰るか」


 先ほどまで言葉を交わし、知性を感じられた生物だが活動を停止して物言わぬ肉となってしまっては既に興味の対象外である。


「おい、(アカネ)。堪能してる所悪いがちょっと手伝ってくれ」


 俺は少し熱を持った刀の柄をノックして熱りを覚ますのと、人手が足りない事への協力を求める。


「ん〜〜〜!!!んぅ。はぁぁあ。楽しかったなぁ、久しぶりだなぁ、嬉しいなぁ。やっぱり刀の切れ味って最っ高ぉ!」


 人の形になり先ほどまでの虐殺を思い出して一頻り身悶えした後、ブルリと一際大きく震えると頬を手で包み吐息を漏らした。過去にあった体験にも思いを馳せているのか、うるうるとした瞳と紅潮しきった顔は美人顔にプロポーションも合わさって破壊力抜群である。実に愛らしい


「可愛いのは良い事だが、今はこっちだ」


 紫の首根っこを掴んで醜鬼リーダーを視界に入れさせる。


「んッ。もう!敏感な時に急に首を触っちゃダメだよ」


「人の話を無視してるからだ」


「初めて貰った服が濡れて汚れないように気を付けてるんだよ?だから死を煽っちゃダメ!」


 腰に手を当ててプリプリと怒る様は可愛いが、目線を合わせる為にリーダーの死骸を踏み台にしていてちょっと笑える。


「ふふっ。ハイハイ、分かった分かった。だから素材を踏みつけるのは止めような」


「むぅ〜〜、全然反省してないじゃん。んもぉ!」



 「もうもう」と牛のようにブツブツと呟きながらも首級としてリーダーを引き摺る紫と二人、生き残りが居ないか索敵を行いながら冒険者の元へと帰る。




 先ほどまでの視界を埋め尽くすような濃い霧は徐々消え、少し離れた場所には私達の命の恩人である男に見知らぬ少女と引き摺られる緑のデカブツが見える。



「おう。無事だったか〜?」


 男は片手を上げ助けてくれた時と同じ暢気そうな声でそう言った。


「ええ。問題は無かったわ。ポーションのお陰で傷や疲労も幾分かマシになったわ」



 男に一番近かったユアが応えると「そりゃ良かった」と、さして気にもしてないような返事をする。男が周りをとりわけ警戒していない事からも察するに、敵に襲われるとは微塵も考えていなかったようだ。



「なあ、アンタは── いや、貴方の名前を訊いてもいいか── 良いですか?その…オレ── 私達を助けてもらったのにまだ名前も聞い、知りませんし……」



 セニアはごたごたの所為でまだ男の名前を訊いてなかったと思い出し、慣れない言葉を喋りながらも恩人に対して失礼にならないよう努力した。



「んぁ?…ああ、俺に気ぃ使ってんのか。なら問題ねぇよ。別に口調を指摘するつもりはねぇから、喋りやすい方で喋ってくれ」


「す、すまない。なら、名前を教えてくれ」


「俺はフェリオス。()()冒険者ギルドに登録したからランクはEだが、今日の昼の試験で昇格するから実質Dランクだな」


 フェリオス…さんは微笑みながら試験の話しをしているが、落ちることは毛頭ないと言って退けた。だが、醜鬼村から無傷で生還している時点で既にランクD以上なのは確実だろう。

 ランクは気にしてないんだが上下関係云々で舐められるのは腹立つからな〜と、ケラケラと笑いながら話してくれた。



「そ、そうか。それで、そっちの赤髪の子は?先ほどまでは見かけなかったが何処かに隠れてたのか?」


「ああ、こいつは(アカネ)。人手不足になりそうだから手伝ってもらう事にしただけだ」


「うん?……よく分からんが信用は出来るのか?」


「そこは問題ねぇな。隠すつもりはないが色々と特殊なんでな、深く詮索しない事を勧めるよ」


セニアは少し訝しむ素振りをみせたものの、すぐに頷きを返した。


「そうだな。こちらも面倒事はごめんだからな」


 そして、話の主導権を握るように矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。


「そちらの自己紹介は必要ない。こちらは既に把握しているからな。それよりも事後処理を手伝ってくれ」



 俺は紫がアイアンクローで引きずっているリーダーと後ろに見える醜鬼村を親指でくいくいと指しながら軽く溜め息をつく。

 今更になり緑の巨体に気付いた三人共が「きゃっ」と可愛らしい悲鳴を上げて距離を取った。俺と紫の顔を交互に見て、ソロで討伐したかもしれない俺に驚くか、巨体を片手で引き摺る紫に驚くかという曖昧な視線が向けられる。

 



 その後は戦々恐々としながらも紫に近付き、リーダーの死体を確認してからは多少の強張った表情と予想以上の戦力により諦観の念を抱いたようで警戒心は限りなく弱くなった。どうやら三人で話し合って決めたらしいが、必要以上に緊張せず他に気を回す判断は流石だと感心させられた。


 本当は指示に従うよう強制するために運んできたんだが、この状況下で冷静を保っているのは有難い。とまあ思いつつも、テキパキと指示を出して処理を進めていく。

 灼熱の刀身で首を跳ねて回ったお陰で出血を抑えられたのは良かったが、やはり気の緩んだ死体からは溜まったブツが垂れ流しになってしまい臭い事この上ない。やはり汚物はさっさと消毒するに限るのだ。



 戦利品として『布・革(皮)・鉄・魔石』と大まかに四つ集めた。第二の拠点とされないため骨組みの木は醜鬼と一緒に燃やし、それ以外は全て奪っていく。 

 轟々と激しく燃える火柱の側では、リーダーを逆さに吊るした紫が嬉々として血抜きしていた。血が抜けきり軽くなったリーダーを骨格にリヤカーのような二輪の荷車を土属性魔法で作り上げ、綺麗にした布を敷き詰めた荷台に気を失っている者を並べ翡翠の扇の三人も乗せて運ぶ。




 俺はこの世界に来て初めて知識を有し言語を使用する二足歩行の生物を殺した。結果は見ての通りで、罪の意識どころか吐き気を催すことすら無かった。魔物であり人間に危害を加えていた事も大きいかもしれないが、地球の日本にいる一般人とはかけ離れた生活や行動をしているにもかかわらず心境の変化といったものが一切無いのだ。


 元々生きている事に興味の無かった俺だが、此処まで心に変化に乏しいのは不思議に感じた。それに戦闘事となると高揚感が体を突き動かし、破壊衝動と残虐性が湧き起こる。

 転生モノによくある精神が身体に引っ張られる現象や本能としての行動と処理しても良いが、やはり何かが引っ掛かる。二重人格のような感覚でスイッチのようなものがON/OFFされているのだろうか?


 短期間で解決しないと不味いようなものではないと思うが、長期間放置するのもどうかという勘が働いているので叡羅に診断をお願いしても問題無しだと言われた。



 これは俺が可笑しいのか?それとも案外ショックを受けているからこういった考え方をしてしまうのか?と悩む。

 翡翠の扇のメンバーを探して助けるために魔力探知を行いながらも、その影響で集まってくる魔物群を(アカネ)がピクニック気分で狩りながら残っている依頼内容の妖犬(コボルト)投擲猿(スローエイプ)の討伐証を必要数集める。



 そういえば、今の状況と行動は非常識なのではとリヤカーに乗る三人に視線を向ければ、必死に今までの常識を繋ぎ止めようと現実逃避する悲しい姿があった。

最近のやってるゲーム紹介

スマホアプリ【TRAHA】


今年の4/23に開始したMMORPG

体型の違いで2タイプの武器種を選べるゲーム

大剣・双剣・弓、盾・ナックル・杖、のどちらかを選ぶ形になる


数十分でも定期的にログイン出来るかと、行動範囲が広がる30レベルまで育成出来るかで変わると思います

システム的に良いと思う点は、成長ポイントをいつでも自由に振り直しが出来るので行動の幅が広がるという所です


どのゲームにも言えるが、好みと楽しみを見出せるかで変わってくるので、レベリングやギルドに楽しみを感じている私は個人的に好きです。


name:叡羅

ギルド:白夜

スタイル:エンジョイ


こんな感じで最近は楽しんでます。


小説などの紹介はまた後日書きます。


new


簡易小説紹介!


【なろう】乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です

 三嶋与夢先生



【カクヨム】天才詐欺師は転生してもラクに暮らしたい

 如月衣更先生



【カクヨム】『レベル』があるなら上げるでしょ? モブキャラに転生した俺はゲーム知識を活かし、ひたすらレベルを上げ続ける

 アルバト先生



再投稿【カクヨム】巻き込まれ異世界召喚記

 結城ヒロ先生



小説はここまで!



お気に入りサイト紹介!


【フリー音楽素材】魔王魂


フリー歌もの音楽素材より


『12345』


『still』


『シャイニングスター』


『where you are』


『桜日和』(1ページ目)


『ハルジオン』


『月と狼』(1ページ目)


歌もの終了


魔王魂の音楽素材は過去に紹介した『我々だ(グルッペン・フューラー)』のbgmとしても使われていたりするので、色々と聞いてみるのも面白い



今回は以上!

次は五千字目指して頑張ります

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