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異世界最強種〜神龍より生まれし存在〜  作者: 黒神金龍
ドラッへ〜冥護を受けし街〜
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32 ブレイズとクラグの屋台巡り②

遅くなってすんません。前話の次の日に連投として書き上げるはずだったのにここまで引きずってしまいました。


作者自身も一読者として投稿期間が空き、続きが読めないことがどれだけ辛いのか分かっているのですが、中々上手くいかないものですね…。


言い訳としては、短期集中型が長期戦をするもんじゃねぇって事ですかね。体力より精神を削られるのがこれ程辛いとは思ってもみなかったって感じです。


前話までの話の流れ

子竜達が一日で起こした騒動の数々を各視点で見ていく感じ。

サンダーが本屋へ行く話が終わって屋台組であるブレイズ&クラグに視点が移り、作者でもどうなるか分からん伏線っぽい悪魔の植物の話しがされた部分までです。

 ケニーは赤緑の王の話を聞いてすぐさま冒険者ギルドに報告しに行こうと考えるが、視界に映ったブレイズとクラグを見て思い留まる。

 会話からするとこの二人は既に赤緑の王を暴食野いちごと呼び、倒すのは面倒だし調整?も難しいが成功すると美味いって言っていた。それに個体数が少ないから量は取れないとも。


「その〜……なんだ、お前ら二人は本当に食べたことがあるのか?いや、初対面で嘘をつく理由がないってのは理解してんだけどよ、少し信じたくない所があんだよ……」


「そうなのか?なら、採取するまでの戦闘の仕方とその後の調整のやり方まで教えてやるよ。ん〜……持ってきて食ってもらう方が早いか?」


「まって待って、採取する前に個体数確認が先だよ!食べ過ぎで絶滅しちゃったら皆んなに怒られるよ。植物は管理が大切だってフェイに何度も言われたでしょ?」


「危ねぇ、また殺される所だった」


 赤緑の王に対してそう言いながら、笑って会話している二人。俺は人としての本能で理解した、この二人には勝てないということを。見た目は完全に成人したてのガキに見えるが、中身は完全なる化け物なのだと。


 なぜ俺がそう思ったのか、理由は簡単だ。


 赤緑の王をそこらの植物扱いして、管理が大切とか言ってる状態だ。そして、もう一つある。何気なく身内に殺されると言った時の雰囲気や目の色がマジだった。


 俺はこの北門で二十年間様々な人間を見てきた。仲間を失った冒険者グループやダンジョンで一攫千金のチャンスを手にした者、部位欠損のせいで職を失った元門番など本当に色々だ。

 その俺が疑う余地もなく直感で"そう"だと思ったのだから間違いない。


 その後は赤緑の王についての食べた感想を詳しく聞いたりしていたのだが、少し離れた場所が騒がしい事に気付く。

 二人はそちらの方に興味を惹かれ、チラチラと視線を向けていた。


「なんだ、何か気になるのか?」


「ああ、戦闘の臭いがする」


「あそこからだね。今はまだ言い争いしてるけど、もう少ししたら始まると思うよ」


 二人はケニーに質問され、ブレイズが街の中央に繋がる方向を見る。そして、クラグは同じ方に指さしをした。

 ケニーは二人が睨む視線を辿っていき、かなり先の方に黒い点に見える人集りが出来ているのを確認した。


「あれがハッキリ見えてんのか?」


「おっちゃんは目ぇ悪いんだな」


「うるせえ。逆だ逆、お前らが良すぎるだけだ」


 少ししても一向に人集りから視線を外さない二人を見てケニーは溜息を吐く。


「行きたいなら行ってこいよ」


「クラグ、どうする?」


「状況はあんまり良くないね。もしかしたら飛び火するかも」


 クラグは自分の足元に視線を落とし、地面から魔力を伝わせ返ってきた情報を読み取りそう応える。

 その返事に顔をしかめたブレイズは即断する。


「行くか。飛び火は困る」


「お店が潰れたら美味しいもの食べれなくなっちゃうしね。それに、微かだけど相手の方からアクアの気配がする」


「おっちゃん!俺らはちょっと様子見てくるわ」


「おぅ、あんまり無茶するなよ」


 ケニーがそう言い終わるやいなや二人は駆け足で人集りに向けて移動し始める。その動きはダンサーのようにヒラリヒラリとしていて、行き交う人々を全く問題とせず躱して行く。そして、あっという間に人混みに紛れて見えなくなる。




 街の中央部から北門に向けて伸びる大通りの途中では人集りが出来ていた。その中心部には二組が対峙して睨み合っていた。いや、先頭に立つ人物同士では言い争いが起きていた。


「おい、ガキんちょ。そこをさっさと退け」


「はっ、笑わせる。犯罪者に譲る道なんてないね」


「あ?」


 頭と顎に包帯を巻いたガラの悪そうな男、常に内股の奇妙な男と如何にも雑魚そうな男二人に対して、一風変わった服装を着ている青年が三人──男二人に女一人──だ。


 その後も少し言い争っていたが、我慢の限界がきたのか包帯男が怒鳴りナイフを取り出し反対の手で詠唱を始める。


「我が魔力を糧にし、火よ集い燃え盛れ、全ての敵を焼き尽くさん。火炎球ファイヤーボール!」


「嘘だろ!?こんな街中で火なんて使うなよ!」


「うるせえ、死ね!」


 男は青年三人に向かって火炎球を飛ばす。そして、そのまま後ろに下がり爆発範囲から逃れる。


「我が魔力を糧にし、水よ集い包み込め、全ての敵に沈黙を齎さん。水流球ウォーターボール!」


 バシャッ!ジシュゥウ……。


「流石っ、うおおおぉぉお!」


 女が水流球を放ち火炎球と相殺すると、先頭に立っていた男が腰に提げていた木剣を引き抜き包帯男に襲い掛かる。



 ブレイズとクラグが人集りにたどり着き、中心へと押し入った時には既に争っていた。周りの人間に事情を聞いた所、学生という青年三人が相手四人を犯罪者だと見定めて通行止めをしたらしい。そしてそれにキレた相手から学生に仕掛けて争いが起きたとの事だった。


 この学生と犯罪者を囲っている人々は争いに参加しないのかと聞いてみた所、魔法も使えず武術経験のないものが殆どだと言う。だが、犯罪者の相手を学生にさせておきながら見ているだけというのは悔しいから、相手の行動を制限するのと同時に街に被害が出ないよう囲っているらしい。

 よくよく観察してみると、相手の周りだけ最低限の間隔を空けて、学生の周りは広く取るといった卵型のような形をしていた。


 ブレイズとクラグは感心して興味深いなと話している。すると、状況が大きく変化する。

 先ほどまで組み合っていた包帯男と木剣の男が互いに距離を取り魔法を詠唱し始めたのだ。しかも取り巻きまでも参加し始めていて、人数の少ない学生の方は不利となってしまっている。


「なあ、合作のアレ(・・)試してみるか?」


「雑魚で止まってる相手にしか使えないやつ?」


 ブレイズは少しニヤニヤした笑みで思い出す。


「そうそう、それ。警戒心がゼロのやつにしか効かないのに、面白半分で改良しまくってたアレ」


「この状況で使えるかなぁ……。被害が凄いことになりそうだよ?」


「そこは、あれだ。壁、そう!壁だ。それで何とかしろよ」


 考えることが面倒臭くなったので、適当に言ってるとしか思えない発案にクラグは呆れた表情で言葉を返す。


「えー……。無茶な事言ってる自覚ある?もぅ、囲めないけど半円状ぐらいなら一瞬でいけるよ」


「よし。なら完成間際に合わせて横槍入れてやろうぜ!」


 二人はささっとイメージ通りのものを作り上げ、タイミングを計る。

 そして、争う連中が術を完成させるその時──


『──全ての敵を焼き尽くさん』


『──全ての敵に沈黙を齎さん』


 ── コトンッ。コロコロ ──


 術者達の中央に空から茶色の球が落ちてきて転がる。

 詠唱をしながらも、目の前に落ちてきたそれ(・・)に視線を惹きつけられてしまう両術者達。


火炎(ファイヤー)──』


 ── ゴゴゴ、ズズゥン ──


 ── ボロッ、ピカーッ!! ──


水流球(ウォーターボール)!』


 結果から言うと、犯罪者四人組のうち先頭の男以外は学生三人組の放ったウォーターボールにより顔面を強打されて意識を飛ばしたようだ。


 やった事は単純だ。瞬きするよりも早く犯罪者四人組の後ろに石壁を出現させ、先ほど空から降ってきた球の中には熱量ではなく光量だけに特化させた炎を入れてあり、フラッシュに指向性を持たせるため球の欠けさせた部分からのみ光が出ていくよう調節してある。

 つまり、犯罪者専用の「強烈!ピカピカ撮影会場!!(野郎の視界は死ぬ)」の完成だ。


 しかも厭らしいことに、球の内部はガラスになっていて全方位に拡散する光を集める役割を持つので間近でやられると失明する威力だ。

 実際にやられて失明したから、身を以て知っている。炎に最初から指向性を持たせていない理由は、それに威力を振るよりか光量を強めた方が効率が良いから、だそうだ。


 そして、学生は倒れなかった先頭の男を警戒し、次の一挙手一投足を見逃さぬよう観察している。だが、二人は倒れなかった男より周囲の気配に注意していた。

 先ほどまでは感じられなかった気配が多数増えており、気配を殺しこちらの様子を伺っているようだが隠れて観察しているのがバレないと思っているのか、視線を外すことをしないので逆に存在を主張してしまっている。


 『感覚が鋭い』というレベルを元からのスペックで超えてしまっている二人が見逃せるはずもない。

 もっと見逃せないのは、数キロ離れた地点からこちらを眺めている者達だ。こちらにバレないよう距離を取り、全体をぼんやりと眺め視線を一点に固定させない事で位置を隠している。方角しか感じ取らせないプロである。


 位置を知らせてしまっている三流どもはこちらに襲い掛かるタイミングを計っていて、武器を構えようとした為か極小の衣擦れ音と共に殺気が漏れてしまっている。


「チクショウガァァァああ!」


 叫んだのは未だに立っている犯罪者の男だ。男はオリジナル魔道具?である土塊の輝き(フラッシュボール)が地面に転がった時には既に急所を守るように顔と左胸を腕で庇っていた。

 そして光の強さに驚き詠唱を止めてしまったものの、視界が潰されているなかで水流球を避けたのは見事だと言える。


 少しの間独り言を呟いていたようだが、今は全てを吹き飛ばすかのように全身で吠えている。


「ドイツもコイツも俺の邪魔ばかりシやがってエぇ!全員纏めて吹キ飛ばしテやるかラなぁ!覚悟しろヤァァああ!!」


 完全に理性を失ってブチ切れている男から大量の魔力が溢れる。魔力は詠唱をしていないのにも関わらず形を作り、ハンドボール大の火炎球は威力を増していく。


 学生はそれを見て余りの威圧感に腰を抜かして尻餅をついている。だが、女を庇い男二人が盾になるよう射線を塞いでいるのに子竜の二人は感心する。

 余裕のない状況でも自然と相手を守ろうと動いてしまっているのは、並みの意志では不可能だからだ。


「へハハはははぁ〜!燃えて消シ炭になれやぁ!!」


 周囲に浮かべた 一三個の火炎球の半分を五人に、それ以外を無差別に解き放つ。と、同時に辺りに潜んでいるつもりの者達も一斉に学生三人や子竜二人に向かって武器を投擲する。


 が、当然の如くその行為は失敗に終わる。原因の一部は子竜二人だ。術の完成が遅く、発動のタイミングまで知らされた行動が成功なぞする訳がないのだ。

 周囲に飛んでった火炎球は土塊をぶち当てて、相殺し切れずどっかに飛んで行きそうな土塊数個を分解して終了。自分達に飛んできたものはブレイズが学生三人の前に仁王立ちして全てを自分に誘導、もろに直撃したが程度の低い術など話しにもならないので誘導した要領で魔力に変換し喰らってしまう。


 もう一つの原因は犯罪者の斜め後ろの空中に浮いている投擲武器の塊だ。元は青白い球体だったのだが、ド三流の投擲武器が球体に吸い寄せられて見えなくなっている。


 犯罪者の後ろから人を掻き分けて出てきた男性が一人いた。その男性は黙って犯罪者の男に近づき、首筋に手を軽く触れた後にこちらへ歩いてくる。

 ブレイズの数歩先で止まると緊張感もへったくれもない言葉を口にする。


「二人とも随分と美味しそうな匂いがしますね」


 ── ドサッ ──


 ── ガランッガラ、ガラガラァ ──


 そう話しかけたのはサンダーだった。その後ろで犯罪者の男が棒立ちのまま地面に倒れ伏す。役目を終えた球体も地面に近づいてその形を崩し、支えを失った投擲武器の塊は重力により音を立ててその場に山を築いた。

小説のネタが尽きたのでニコニコ動画の紹介だけになりやす。


『エイリアンエイリアン描いてみた』

五月病マリオ

下書き無しでスラスラ書く迷いなさが好き。手動演出も可愛いくて好き。


『英国面に堕ちた茜ちゃんのマッドマックス①』

たらちゃん(英国面)

英国面のやべー奴。発言も発想も常識も全てが予想の斜め上を行くから先が読めなくて好き。


『孤独な採掘業者の海洋生活』

にゃるマッチ(4)

コメントが全体的に少なくて寂しいけど、ストーリーの味付け茶番が好き。

これに限った話しじゃないけど海洋系のゲームとか見てるとWiiのFOREVER BLUE〜海の呼び声〜を思い出すし、やりたくなる。


『スプラトゥーンで死ぬ度***【雌実況】』

mega

完全に下ネタです。本来は歌い手の筈なのにみさくら語実況が一番動画視聴が伸びるという残念な人。

その残念さが結構好き。

動画や本人への批判をご褒美って言うM


『名無しのアイルー』

津軽野ユンボ

感動ものストーリー。モンハンの「アイルー」や「ハンターとは」について軽く知っていると内容が入りやすいと思う。

現実にモンハンの世界があったらこうなるだろうと思えるし、初めて見た時は自分のゲーム操作を見直してみたりという思い出がある。


今回は以上です。

更新遅れてしまい申し訳ない。

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