30 サンダーの知識巡り②
今回ワンスクロールで終わる程短いけど、投稿期間が変に開くよりかは良いはず…?
バフッと、本を閉じた音が店内に広がった。植物大全を読み終えたサンダーは「ふう……」と熱の篭った吐息を一つ。
「これはすごいですね。一地域だけの植物ではなく、四つある島の内、三つの島全てにある植物を研究済みとは……この人の熱意は本物ですね」
そして、この人物の更に凄い所は、ダンジョンにおいて採取方法の異なる植物もしっかりと網羅していることだ。なんでも、ダンジョンの中は魔力が豊富なようで、独自の進化をするものや攻撃性が増すものなど様々に変化しているようだった。
その後も本を手に取り、ページの半分くらいの所までを掴むとペラペラと流し読みをして内容を頭に入れていく。そうしているうちに十分で左棚の全てを読み終えていた。植物大全はじっくりと読み込んだので三分ほど掛かっている。
今読み込んだ情報を忘れないよう再度頭の中で繰り返し、抜けている本がないか確認してから中央棚へと向かう。
中央棚には子供向けの絵本があり、先程の専門書のようなものと比べれば文字が少ない。なので、覚えるのは簡単なのだが、絵に使われている色が少ないせいで細かな情報までは伝わってこない。
子供向けだから仕方ない。とさっさと諦めて右棚へと向かう。
右棚には専門書ではなく資料書のようなものが多く並んでいる。今まで読んできた赤黒い専門書の色から見て、三対七と言った所だろうか?
一つ取って読んだところ、資料書の色は青黒い色に見えるので、間違いはないと感じる。
パタッ。最後の資料書を読み終え、ざっくりと店内を見回しながら最終確認をする。全体で掛かった時間は三十分ぐらいだ。読み残しや記憶違いがない事を実感し、一冊だけ持って店の入り口までくる。
「あン?やけに出てくんのが早ぇなぁ。かなり読み耽ってるように感じ取れたンだが?」
「ええ、まあ。それと、コレを一つ買い取らせて頂きます」
店主が表紙を見れるように前に出したのは植物大全だった。他にも気になるものは幾つかあったものの、購入するほど気に入ったものはこの書物しかなかった。
「五千エンだ」
「では、"これ"で」
店主に一つの紙を差し出して読むように促す。
「……こりゃあ、マジもんか?だとしたらお前さんは……。いや、詮索は無しだな」
店主は首を振り、考えをリセットしてからこちらを向き質問してくる。
「そういやぁ、お前さん。うちの本たちは面白かったかい?」
「……興味深いものは幾つか見つけましたが、面白いと思えるものはなかったですね」
「そうかい。もう、ウチには来んだろうから聞くが、ウチで働く気はないか?」
「非常に魅力的ですが、やりたい事も沢山あります。それに、兄弟と離れる気は無いので残念ですが」
店主はガハハと笑った後にニヤニヤしながら、中々に興味をそそられる響きだなと言い、兄弟という部分を繰り返し呟くと、うんうんと頷き変なことを言い出した。
「いつか、その兄弟とやらに合わせてくれ。すぐじゃなくていい、時が来たらで大丈夫だ。なぁに、心配すんな、忘れててもいずれ思い出すさ」
その後、サンダーがいくら質問しても店主は笑いながらのらりくらりと言い逃れをしていたので、結局答えは分からず終いだった。
そのまま、疑問を持ち帰るように宿に歩いている途中に戦闘の気配を感じ取り、モヤモヤした気分を晴らすためにその方向に駆ける。
その先にある戦闘が極度にストレスと疲れを溜める面倒臭いものだとは知らずに……。
八日間くらいかけて人工言語作ってたけど、これが意外に難しくて面白い。独自の文字って中々思いつかないのに、ローマ字の二十六×二文字で全て違う形を採用したから難易度跳ね上がってた。
これからまだ数字の形も考える予定だから、また少し期間が空くかも?
全ては『マリィ』さんのせいだ!(良い意味で)
転スラの翻訳早すぎるんだよ!遂に作ってしまうまで影響されてしもたやんけ!
めっちゃ楽しいです。ありがとうございます。
(*´꒳`*)
タグで『解読職人』って検索したら出てくると思う(ニコニコ動画)
他の解読も面白いぞ!