表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界最強種〜神龍より生まれし存在〜  作者: 黒神金龍
ドラッへ〜冥護を受けし街〜
30/56

29 サンダーの知識巡り①

土日に投稿しないと言ったな!アレはマジだ!

けど、自分のガバをまた見つけてしまったのでその報告のために完成させました。

18話に街の様子をチラッと書いてたのに25話で全く別のこと書いてたw

なので25話に合うように編集しときました。

 俺は服屋組の次に、本屋へと行っていたサンダーの話を聞くことにした。

 と言っても、こちらはブレイズやクラグに合流するまでは特に騒ぎは起こしていないので、あっさりとしたものだが。




 俺たちと別れたサンダーは本屋のある南側を目指して歩いていた。南側に近づくにつれて歩いている人間の服装は段々と質素になっていき、一部の人間を除いて筋肉や肉付きが多くない痩せた者が多くなってきた。

 痩せてると言ってもガリガリだったり、頬がこけていたりする訳ではないので単純に贅沢が出来ないだけなのだろうと頭の片隅で考えたりする。


 南側にある大通りまでやってくると大きな民宿が幾つか見えた。だが目的の場所とは無関係なので興味を示すことなく通りの奥へと進んでいく。

 次に見えたのは民宿よりも一回りも小さく、木製で少しボロい家々が並んでいた。相変わらず本屋らしきものは発見出来ずに「こんなものですかね?」とも思いながら更に歩いていく。


 サンダーは遂に本屋を見つけることなく、南側の端である南門まで来てしまっていた。木製のボロ家を越えると、空き地を挟み廃墟のような場所が門の近くまで続いていたのだ。

 一人で首を傾げながら「ふむ……」と顎に右手を添えながら思考を巡らせようとしたのだが、その前に前方から声を掛けられる。


「おい!そこの坊主、こんな所に何のようだ?」


 見てみると軽鎧を装備し、槍を片手に走ってくる男がいた。

 だが、サンダーは特に気にする事もなく再度考え事をしようとする。それを見た男は少しイラッとしながらサンダーの肩に手を置こうとして空を切る。


「お?」


「何か用ですか?」


 男は空を切った手を見た後、声のする方を見ると先ほどまで目の前にいたサンダーが、一メートル程離れた場所にいた。


「いや、声を掛けてんだから返事ぐらい返せ。それと、衛兵から逃げるって事は疚しいことでもあるのか?」


「いきなり摑み掛かられたら、逃げるのが当然だと思うのですが?」


「衛兵から逃げるのが問題だって言ってんだ」


 自分から逃げるサンダーを怪しい人物として細目で睨む。


「衛兵ですか。治安維持をする役割でしたか?」


「ああ、そうだ。ん?もしかして知らないのか?」


「いえ、興味がないだけです」


 先ほどの回避行為でイラついている衛兵に対して真顔で応える。そのせいで衛兵の頬が引き攣るが、一息吐いて冷静な状態になると再度質問をする。


「それで、どうしてこんな所にいるんだ?」


「本屋を探してこの後ろの通りを歩いていましたが、端まで来ても見つからなかっただけです」


「あー……そういうことか。てことは、この街自体が初めてか」


 衛兵は頭を少し掻く動作をして納得する。


「で、誰に本屋の場所を教えてもらったんだ?」


「冒険者ギルドの"モンド"という人ですね」


「はぁ……。あの人、大雑把だからなぁ」


 大きな溜息を吐き、やれやれと首を振る衛兵。


「すまんな。ここの通りは住宅街かスラムしかないから、普段ここまで人が来ることはないんだ。趣味の悪い奴等以外はな。……おっと、悪い悪い。こんな話をしたかった訳じゃないんだ。本屋はこの通りのもう一本奥だ」


 衛兵は勘違いして悪かったなと謝罪し、早くここから離れろよと言って南門の番へと戻って行った。




 その後は南門から壁沿いに歩き、衛兵の言った一本奥の通りを今度は中心に向かって歩いた。

 壁沿いに近い店には、よく分からない謎の物が置かれた怪しげな店が多かった。だが、少ししてまた空き地があり、その終わりと共に本屋が並んでいた。


「ここですか。しかし、聞いていたよりも随分と小さいですね」


「あ?ンだぁテメェ。ウチの店にケチ付けてんのか?」


 小さいといった言葉に反応して睨み付けてきたのは、ガラの悪い爺さんだ。店先に木箱を置き、その上に座り片方の足だけ胡座をかいている。そして、前屈みな姿勢で胡座をかいた方の膝に頬杖をついている。


「いえ、ここの通りに本屋があると聞いたのですが?」


「あぁ、それはウチだなぁ」


「では、少し中を覗いても?」


「いや、帰れ」


「……」


 数秒ほど店主と笑顔で睨み合っていたサンダーだが、「そうですか」と呟くと間を空けずに


「じゃあ、勝手に入りますね」


 と勝手に店に足を踏み入れた。だが、帰れと言った店主はその場から動くことはなく、横目でこちらを見るだけだった。

 中には子供向けであろう絵本から魔法陣の描かれた魔法書らしきものまであった。配置的には、店先から見て左右の壁際に本の詰まった棚があり、中央には両側から本が見やすく置ける小棚が一つあるだけだ。

 因みに、絵本は小棚だけである。


 サンダーは左棚の一番奥まで行き、一番上の段にある右端の本を手に取り表紙を見てみる。その本の表紙には草の絵が描かれており、その絵の上に薬草大全と記してある。


「薬草ですか。学んだのはかなり昔ですからね。情報の更新という意味でも丁度良いでしょう」


 そう呟くサンダーは、一ページ目を開いてみる。そこには、大きく書かれた文字を赤線で四角く囲った注意書きがしてあった。


『一つ 薬草は全て採取するのではなく、葉や花の場合は一株から少しずつ取り、枯らしてはならない。


 一つ どの植物にも言えるが、植物には個性があり、その個性を知ったうえで採取を行うこと。

 ※さもなくば命を落とす危険あり。


 一つ 採取とは、ただ取る行為ではない。使う用途に合わせて方法を変え、傷つけることなく鮮度を保ち、自然の恵みを分けてもらう行為である。


 最後に一つ この大全は私が六十年の生涯を掛けて記したものであり、素人でも危険なく安全に採取出来るよう研究を重ねた書物である。


 著者 植物学専門特任教授 トレン・プラント』


 その注意書きを読み込んだサンダーは、胸の奥が熱くなるのを全身で感じた。この書物は"トレン"という人間の人生であり、植物という種類だけではあるが知識の塊である。

 知識欲が他の子竜よりも圧倒的に高く、親に感化されたのもあるだろうが、未知を知り、自分の経験となり、更にその先へと進める。これ程楽しく、心が踊り、一生役に立つ事をサンダーは他に知らない。


 注意書きの反対側は白紙だが、裏に描かれている植物の絵や説明文が透けて見えた。その白紙のページをサンダーは優しくめくり、一人の男が歩んだ歴史と知識の全てを受け継ぐため、一言一句違える事なく凄まじい速度で読み進めていった。

今回出てきた新しい人は多分名前だけちょこちょこ出てくると思う(気まぐれ的観測)

思いつきと気分で出してるからまた途中で名前が変わってるかもしれないけどねw


今回は結構急いで書いてるから紹介は次ぐらいに書こうと思ってる。多分。


あとは、ブックマーク登録が100件以上を安定して表示してくれるようになったので、解除されない為にもこんな感じの更新頻度を維持していけたらなぁと思ってます。


それと、作者的にはもっと感想やレビューをしてくれても良いんやで?って思ってます。読者とのネタ会話って意外と楽しいのでねw

自分の場合は感想しか書いたことないけど……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ