3 魔力と龍の攻撃と神
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俺は馬などがするように足を折り曲げて座り目を瞑り、周りに漂っているであろう魔力を靄としてイメージする。すると何となくだが魔力らしきものを感知する事が出来る。
体内に魔力を感じようとしてもやはり何も感じる事が出来なかったが、龍晶を思い浮かべて集中していると心臓とは逆の位置辺りに何とも言えない不思議な力を感じた。
「体内にあるこの不思議な感覚の物が、龍晶なのでしょうか?」
「お主がそう思うならそれではないのか?儂らは練習する時から感じとったから分からんのだ」
「そうなのですか……」
再び集中しながら先程聞いた属性のイメージを周りに漂う魔力に固定していく。
基本属性や特殊属性など関係なく火は赤、水は青、雷は黄、風は緑、土は茶、聖は白、闇は黒と色付けしてみると、案外魔力という概念に慣れてくる事が出来た。
「魔力を龍晶に流し込む時はどうすれば良いのでしょうか」
「ふーむ。魔力に触れている部分から吸収するようにしてみてはどうだ?」
「分かりました。やってみます」
身体に触れている部分といわれても、魔力は空気みたいなものだと思ってるから常に包まれてる感じがするんだよなぁ。ん?空気……肌呼吸みたいな感じなのかな?試してみるかな。
魔力を意識したまま全身の体表と龍晶にも意識を向けてみる。だが複数のものに意識を向ける事がかなり難しく、集中力を維持するのに俺は言葉を発するのが苦しくなる。
「すいません…少し……集中しますので…無言になると…思います」
「構わん。お主がやり遂げるまで見守ってやる」
「ありがとうござい…ます」
(魔力操作って俺らの時あんなに苦労したか?)
(いや。僕はそんなことなかったよ?)
(僕は何となくで出来たぞ)
(あの子才能無いんじゃないの?)
「貴方達は黙っていなさい!」
「「「「はい!」」」」
良し。漸く安定して魔力や龍晶のイメージが崩れなくなってきた。ここから更に龍晶に魔力を流し込まなければいけないのか……ええい!成るようになれだ、全ての魔力を吸い込んでやる!
△▼△
少しすると黒竜の周りの空間が歪んでくる。その事に初めに気付いたのは族長である煌炎龍だった。
「おい紫電。これはちと拙くないか?」
「何でしょうか?これは……急速に周りの魔力を取り込んでいってますね」
「此奴は何を考えとると思う?」
「魔力を取り込むので精一杯なのでは?」
「華水に岩砕、黒竜が少し無茶しとるから警戒しておけ」
「分かりましたわ」
「うむ」
次第に黒竜の周りの空間の歪みが広がっていき、黒竜を中心として半径一メートルの歪な空間が出来上がってしまう。歪な空間の中には魔力が存在せず、空間に触れている部分の魔力を吸収していくので地面の一部は完全に枯れてしまっている。
「これは予想外ですね」
「あらあら、困りましたわね。これでは近づいて止める事が出来ません」
「圧縮魔力をぶつければ止まるだろ」
「咆撃で止まらなければ少し苦労するかもしれんな」
煌炎龍はそういうと体内で魔力を練り上げ口内に集約させていくと、尻尾を地面に軽く叩きつけて周囲に警戒を促す。
(これぐらいで死んでくれるなよ)
そして煌炎龍が咆撃を放つとゴオッ!という音とともに黒竜目掛けて炎が襲いかかる。龍の咆撃は手加減しているものでも軽く一千度は超えてしまうのだが、この煌炎龍は最古の龍種と呼ばれる部類だった為威力は五百度までに抑えられていた。
一分間に渡り咆撃が黒竜を襲っていたが、何事も無かったかのように歪な空間を維持し続ける黒竜がそこにはいた。
「ふーむ。中々頑丈だな」
「族長の咆撃で壊れんのなら儂の攻撃で体制を崩せば止まるのではないか?」
「少し危ないかもしれないけど仕方ないわよね」
「そうですね。試してみましょう」
今度は岩砕龍が魔力を黒竜の足元に集約させていくと土が盛り上がり鋭い棘のように黒竜に突き刺さる--はずだったのだが、特に何も起こらなかった。
何も起こらなかったのだが、歪な空間が少しづつではあるが大きくなっている事に誰も気付かない。
「うぐぐ、どうやら失敗したみたいだ」
「全く頼りないわね」
「ならお前らも攻撃せんか!」
「さて族長、どうします?」
「紫電と華水でも駄目なら、一斉攻撃しかあるまい」
「族長もそう言っておる、さっさと攻撃せんか」
「では華水、力を貸していただけませんか?」
「勿論よ。私一人では通用しそうにないもの」
「僕も流石に一人では無理ですからね」
そういって岩砕龍と交代で紫電龍と華水龍、二匹の龍が前へ出る。
紫電龍が体内で魔力を練り上げ始めると身体に付着している結晶が光りだし、次第にその光が強くなっていき魔力が目視化するまで濃くなっていく。
華水龍はというと、魔力を練り上げ次第空気中に塊にして放出していく。すると放出した魔力塊を中心に空気中の水分が吸い込まれるように集まっていき、その水球が数十と華水龍の周りを漂う。
「さてと、華水。準備出来た?」
「ええ。バッチリよ」
華水龍の合図で水球は黒竜の真上に動いて行き、全てが移動した後に氷柱のように鋭く尖っていく。そこへ紫電龍がために溜めた魔力と結晶で増幅された魔力とが、雷として先程の全ての水球に纏わせていく。
「岩砕龍よ、分かっておるな?」
「族長、それは言わずもがなだ」
「流石に結晶の恩恵があるとはいえ、疲れますね」
「あら、恩恵のない私は疲れてないとでも?」
喋りながら下がってくる二匹とまた岩砕龍が入れ替わると魔力を込めた障壁を作り出した。
そして作り終えたと同時に雷を纏った水球が黒竜に降り注ぎ空間に当たるとともに雷が周囲に迸る。役目を終えた障壁が崩れ去ったと思いきや、先程よりも目に見えて大きくなった空間に魔力を吸い取られて障壁が崩れたのだった。
「いよいよ本気を出さんといかんかの?」
「私があの子達を逃がしま--すってもう既に逃げたのね」
「あの子達なら族長が咆撃を仕掛けようとしていた辺りから既に逃げてましたよ」
「あれぐらいで逃げるとは情け無い」
「儂らと同じに考えるな」
「それよりも少し様子がおかしいですよ」
「あの状態なら何が起きてもおかしくないから注意はしとかないとね」
歪な空間が揺れ始めたと思うと急に黒竜の体内へと消えていき、黒竜は倒れた。
「一体何だったのか、全く分かりませんね……」
「あの子が特別だということなのでしょうね」
「まあ儂ら龍の生みの親の子どもだからな」
「”あれ”でも一応は神だったしの」
「そうね。認めたくはないけれど」
「儂らは起きるまで休憩するか」
△▼△
俺はまた暗闇の中にいた。
「もう何度目だよ!毎回来ないといけないルールでもあんのかよ!」
そう叫ぶと一瞬にして世界が真っ白な空間へと変わる。そして後ろから声を掛けられる。
「やあ。やっと君と繋がれたよ」
振り返ると全身黒塗りの某アニメに出てくる真理みたいな奴がいた。声が中性的なので男とも女とも判断はできない。
「お前誰だよ。『真理そのものです』とかほざくなよ」
「うわ〜。先に言われちゃたよ」
何故だろう。妙にイラッとする話し方だ。
「早く消えないと殴るぞ?」
「まあまあ、落ち着きなよ。それは君にとっては悪手だからね」
「ん?どういうことだ。説明しろ」
「口悪いね〜君」
「いいから早く」
「神に向かってそれは無いんじゃない?」
また神かよ……。これ以上面倒ごとを背負わされるのは嫌なんだが。
「そんな露骨な顔しないでよ。これでも君がいた地球の神様なんだからさ〜」
「マジでか!帰る方法とかあったりするんでしょうか?」
成る程!地球の神が来てくれたなら安心だな。
「君凄いね〜。相手が利用出来るかもしれないと分かったら急に手の平クルクルーなんだね」
「当たり前だろ。こっちは無理矢理なんだぞ、責任取れよ」
「別に帰りたくないくせに〜」
こっちの事はお見通しかよ。それが帰ってムカつくな。
「まあいいや。それなら俺が考えてる事も分かってるんだろ?」
「じゃあ余り時間もない事だし、手短に話すね〜」
神って自分勝手っていうか、こんなにも自由なんだな〜。羨ましい……。
「先ずはその考え方から訂正させてもらうけど、神って何でもできるけど基本は何もしちゃあ駄目なんだよ。君が今いる世界の過去の記憶にあるように狂ってしまうし、主神からも厳罰が下るんだけどここの神は悉く無視し続けたってだけでね。
だから何億年と退屈な毎日だよ。行動出来るだけ有難いと思わなきゃ損だよ?今回は特別に許しが出てるから会いに来れてるけど。
で、次だけど地球に帰ることは残念ながら出来ないよ。地球での君は死んだのではなく、消滅してるからね。
君が存在していたということは残っているけれど、寝ていた布団には黒い君の跡形だけしか無いから消滅だね。まあ消滅したから竜に転生出来たんだけどさ、エネルギーの再利用ってやつ。
そして君が気になっている魔法やスキルについてだけど、向こうに意識が戻ってから『ステータスオープン』って心の中で唱えれば見れるようにしとくから有効活用しなよ。(おまけは付けてあげるからさ)」
「お、おう。急に長文になったな……」
「時間がないからね〜」
地球には戻れないのか……。てか黒い跡形って酷くね?せめて灰ぐらい残せよ。
でもステータスを見れることは結構有難いな。無能でなければいいのだが、祈るしかないか。
「他に何か質問ある?」
「竜は無性なんだろ?」
「そうだね」
やはり無性なのか……。
「有性にする事は可能か?」
「そこって重要なのかい?」
「馬鹿野郎!滅茶苦茶重要に決まってんだろ!」
「元人間に馬鹿って言われた……。そうだよね、君の息子は未使用だもんね。」
「口に出すな!」
「分かったよ。また男で良いのかい?」
「頼んだぞ!絶対だぞ!神が約束破るなよ」
「ああ。っともうそろそろ時間だね」
「そうだ。人間化も頼んだ」
「全く、注文が多いね君は」
これで地球に思い残す事はなくなったな。
「じゃあまた会おう」
△▼△
そして龍達からの攻撃の間ずっと神と話していた俺は、倒れてから半日ほどして漸く目覚めるのだった。
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