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異世界最強種〜神龍より生まれし存在〜  作者: 黒神金龍
ドラッへ〜冥護を受けし街〜
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26 ナンパのち、着せ替え人形と美形②

ギャグ系人外行動キャラってなんであんなにも面白そうに感じるのか…

 その後、アクアやサラに手を出そうとした男二人とその仲間共は、全員逃げることなくこの街の衛兵に捕まった。

 いや、逃げなかったのではなく"逃げられなかった"のだ。なぜなら、目の前で倒れた仲間を蹴った本人サラが第一子分を無表情で見た後、残っていた未だに立っている(・・・・・・・・)男共を端から順に眺め、輝く微笑み顔を見せたのが原因だ。


 後ろから観察していたリアンをして、雰囲気だけで微笑んだのが理解出来るほど怖かったそうだ。

 彼が無意識に一歩後ずさるほどには。


 まあ、そんなことがあったらしいんだが、対応した衛兵はすごく嫌な顔をしていたようだ。

 当然だよな?男共は武力で敵わなかっただけじゃなく、血溜まりを作っている場所が場所なのだ。連れて行くときに血に触れないよう努力していたみたいだ。

 リサに近づくのも当然避けていた。


・・・


 ナンパ野郎共を衛兵に預けた後は服屋を順に見て回る事にしたそうだが、人間としての服のセンスなんて分かるはずもなく迷っていた。

 すると、服屋の店員と思われる女性に引き止められ、困っていることを話すと一先ず店に連れ込まれた。


 店員は全員の容姿や立ち姿から"美しすぎる"と呟いた。かなり興奮していたらしく、鼻息を荒くして


「絶対に手を煩わせないから!そこで立ってるだけで良いから!すぐに服を持ってくるね!!」


 と言って、奥の部屋に引っ込むと十秒ほどで出てきた。両手と頭の上に服と頼んでない靴箱を乗せて。

 その後、様々な服や靴などを着せ替え人形状態にされるも店員的には納得出来なかったらしく、悔し涙を流しながら信用出来る高級服屋の紹介をした。




 高級服屋にやってきた三人だったが、途中から並んでいる店の雰囲気や大きさが目に見えて変化していて、歩いている人間の見た目も中身もガラリと変わっていた。

 場違い感が漂いそうなものだが、そこは竜と魔物だけあって服は見すぼらしくとも、堂々たる姿を見せていたため何も言われなかった。


「ここがあの娘が言っていたお店ね」


「そうみたいですね」


「……」


 ここまで来るのに、鬱陶しい視線や嫌らしい視線などの様々な視線がアクアやサラの機嫌を逆撫でしており、あと少しで殺気を発する寸前の所で辿り着いたのだ。つまり、激おこである。ぷんぷん丸には成らずに済んだ。


 しかし、身体能力が高過ぎるのも難点である。何せ、小声で話す陰口や欲望ダダ漏れの呟きが丸聞こえなのだから。


 リアンは終始無口だったが、それは女性二人を下手に刺激しないためであり、喋らない代わりにボディーガードとして先ほどのように野郎共が近づかないように目を光らせていたのだ。

 決して二人の怒気に当てられて、身を縮こまらせていた訳ではないのだ!断じて!


 店の扉を開き中に入ると


「いらっしゃいませ!ようこそ。虹の煌めきへ!」


 そう挨拶してきたのは、中肉中背の笑顔な男の店員だった。年齢は分からないが、雰囲気から考えて中年ほどではないかとの事だ。青年のように生命力溢れる様子ではないものの、老人のように枯れているような感じもしなかった、というのが判断材料だ。


 挨拶の時のお辞儀から、流れるような動きで両手を広げ歓迎を、そして煩くないが耳に残る程度で店の名前を元気よく紹介した。


 その男は改めてお客であるアクアたちを見て顔には出さないものの、明らかに目の色が変わり雰囲気も慎重なものに変わった。


「今日はどのような物をお求めですか?」


 アクアは店員の雰囲気が変わったのを感じ取ったが、今着ている服をチラッと見た後、気にするほどのことでもないと判断して紹介文と特に覚える気もない店員の名前をだした。


「ほう。なるほどなるほど。この書き方は確かにあの娘っ子のものですな」


「どんなことが書かれているのか私たちは知らないのだけど、問題がないなら教えてくれないかしら?」


 アクアはその紹介文の内容がかなり気になっていた。なぜなら、紹介文を書いた時間が十数秒だったからだ。そして、俺から聞いていた一般人の枠から外れたような動き方・バランス感覚・ペンの速さを実現していたのも理由の一つでもある。


「ええ、いいですとも。ただし、期待しているものとはかなり違うと思いますが」


 店員が見せてきた紹介文には、中身である紙の中央にでかでかと『ヤバイ 全力を尽くせ』と、書いてあった。


「ふーん。確かに、貴方の言う通りだったわね」


 アクアは言いながら、アレな店員を思い出し色んな意味で顔を歪める。


「はっはっは。……おっと、これは失礼しました。しかし、あの娘っ子に会ったことは確実ですな」


 あの娘っ子を思い出すと、皆様がそのような顔をされますからな。と疲れたような苦笑いをしていたことから、同じような経験を何度もしているのだとアクアは即座に理解した。


「貴方も大変ね」


「まったくその通りです」


 肩を竦めながら、やれやれといった調子で首を振る。


「さて、私も指示通り全力を尽くさせてもらいましょうかね?」


「あら?その言葉からすると貴方達は結構仲が良いのね」


「ええ、まあ。前面に出てくるのがアレですから不思議に思う気持ちはよく分かります。ですが、あの娘は服屋としてのセンスや作製技術、創造性も長けていましてな。普段の冷静な時"は"かなり優秀なのですよ」


「なるほどね」


 その後は、アレな店員が出てくることもなく普通に試着が進んでいったのだが、イマイチ決め手に欠ける感じだった。

 その間、他の店員はアクアやサラに見惚れており、店名を告げた店員に動かされている者以外はぽけ〜っとしていた。

前の投稿から少し遅れたけど、土日はノーカンでお願いします。

最近、麻酔針で身内を眠らせて事件を解決する名探偵が出できそうな某ゲームをPS4でやってるので書く期間が延びちゃうんだよね…。マイク〇やAR〇みたいで楽しいぞ(一部の略奪のないゆる設定限定で)

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