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異世界最強種〜神龍より生まれし存在〜  作者: 黒神金龍
ドラッへ〜冥護を受けし街〜
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23 伝説と新たな仲間

作者の趣味フルスロットル

作者の闇は深い(自称)

 俺がダガーにイラついていると、ウォルフ爺さんが入り口からひょっこりと顔を出した。


「そろそろ終わったか?」


「おっ!ナイスタイミング!」


 俺はそう言って呼びに行く手間が省けたことを喜ぶ。そして、かくかくしかじか・四角いムーヴ♪的なノリでサラッと起こったことを話す。もちろん、妖精が出て話した内容まで伝えてある。


 俺としてはここの土地の持ち主であり、知らないとはいえこの場所を守っていた者に隠すという考えはなかった。隠すほど疚しいこともないしな。


 案の定ウォルフ爺さんもダガーと鞘の美しさに見惚れていた。なので、少し落ち着いてからダガーを中心に置き対面で会話を再開した。


「ほう。それは中々に珍しいことが起きたもんだな」


「ん?どういうことだ」


「なに、昔から伝わる物語には妖精やらが憑いた魔道具や武器がよく描かれておるのだ」


「へぇ~、興味深いな」


 と、いうことは……俺が持っているダガー以外にも存在するかもしれないのか。

 それなら、そういう物をコレクトするのも面白そうだな。


「…………」


「あ?」


「なんだ?」


 聞こえてきた意志は「それは違う」というものだった。やはり、実際に聞いた訳ではないが何となく分かってしまうらしい。

 しかし、「何」が違うのだろうか。


「違うの意味について、なんか分かるか?」


「いや、さっぱりだな」


「俺が【物語の武器をコレクトする】ってのが間違いか?」


 意志が反応するかもしれないと、訊いてみたが無反応。


「なに?そのダガーだけじゃ不満なのか?」


 俺の欲が漏れ出た言葉にウォルフ爺さんは呆れた声を出す。


「いや、不満ってわけじゃないが……。やっぱ、ロマンがあるだろ?」


「ううむ……。それは否定せんが、度を越える欲は身を滅ぼすぞ?」


「まあ、忘れるまで覚えとくよ」


 忠告を受け入れつつ適当に返事を返し、再び先ほどのことを考える。

 そうなると、残るは【妖精が憑いたダガー以外の武器】だけだが。


 また意志が感じられ、考えが肯定される。

 そして大切な事が伝えられるが……。


「おい、心の中ばかりで会話しとらんと俺にも情報を渡さんか」


「てことは、爺さんは意志が聞こえないのか?」


「まったく聞こえんな」


「なら何で分かる?」


「真の鍛冶屋は武器や素材の気持ちぐらいは分かる」


 ウォルフ爺さんは、それにな……と話を続ける。


「俺が妖精の宿る武器だと信じた理由もそれだ。その武器は他のどの素材や武器とも違う……。そう、なんとなく感じる"こう"なりたいという意思ではなく、喜怒哀楽が見えるような意志を感じる。……まあ、少しだけだが」


 今まで俺は勘違いをしていたようだ。てっきり意志が聞こえている前提で話を進めていたが、まさか喜怒哀楽を感じ取るだけで会話についてきていたとは驚きだ。

 これからは、できるだけ多く言葉にして情報共有したほうがいいと思った。


「ん?じゃあさっき初めにした("違う"についての)質問はなんで答えれたんだ?」


「それはお前……。質問の意味が分からんから言っただけだ。無視して話を続けよったから少しイラついたがな」


「あ~、それはなんか、すまん」


 俺は手っ取り早く、先ほど感じた意志を含め今までの説明をする。


「んで、さっき聞いたのが、妖精の憑いた武器は自分以外知らないということだ」


「ふむ。つまり物語に出てくる魔道具や武器は全て同じ存在だということになるか」


「そこなんだよなぁ〜。毎回、形は違うが同じ存在が出てくる時点で【一定の形を持ってない】って事になると思うんだよ」


「…………」


 ここで初めて嬉しそうな感情が見えた。


「で?何と言っとる」


「基本はダガーらしい。けど、形にこだわりは無いんだとよ」


「ほう。不思議なものだ。普通武器ってのはその素材になる魔物の特性・性格から、向いている形に仕上げるのが一番良く、効率を最大化できると考えるのだがな」


「……が…良…」


「むっ?なにやら聞こえた気がしたが……」


 俺は、おや?と思う。少しずつではあるが、ダガーがウォルフ=トライデント個人を、認め始めているのを感じる。

 そして、ウォルフ爺さんも首を傾げているが、視線がダガーに釘付けになっているので分かっていない、なんてことはないだろう。


「このダガーは、【持ち主といつまでも一緒が良かった】らしいぞ」


「なるほど。では【一定の形がない】というのも、持ち主のために形を変化すると考えると、納得がいくな」


 ダガーは爺さんが理解してくれたのを非常に喜んでいる。


「まあ、その選定方法が不意打ちの顔面直撃とかいう即死トラップな時点で、コイツの性格の悪さが透けて見えるようだけどな」


 逆に俺の物言いには惜しげもない不満が溢れている。まるで、事実を無視して自分は悪くありません、と中学生ぐらいが言い放っている感じだ。


「不満を漏らすぐらいなら、その選定方法を変えろって言ってんだよ」


 言い返しの理由としては、『それぐらいでないと自分を扱うのにはリスクとリターンが見合わない』らしい。


 伝説の武器だけあって、狙われる危険性と取り扱いについてのリスク。一定の形を持たないお陰で様々な状況に対応できることと、使用者に"よっては"まさに無双といった状況に持ち込めること。


「で?ずっと気になってたんだが、変化出来る武器の種類はどれくらいなんだ?」


「確かに、俺も気になっていたところだ。一つの物語の中で数種類に変化したというものもあるからな」


 変化出来ると言ってはいるが、その種類によっては使い物にならない可能性がある。普通だと思うところを挙げると、剣や盾に、槍とか斧だろうか。

 弓の可能性もあり得るかもしれないが、矢を用意しないといけない弓では"一つの武器"として成り立たない気がしたのだ。


 少しの間沈黙が続いたからそんなことを考えていたが、やっと答えが返ってきた。


『……全て名前次第』


「「は?」」


 短く、意味が伝わり難い内容に、二人して首を傾げ素っ頓狂な声を出してしまった。

 どういう意味だと、再び問う前に補足が入った。


『名は体を表す。名にある意味、概念やその人が持つイメージ、武器としてどうあるべきか。全ては"人"に左右される』


 なるほど、分からん。例題みたいなものも付いてくると思ってたが何もないのか。


「ふーん……。過去、お前を使用してた奴らはどんな名前付けてたんだ?」


『使用していた者は九名。そのうち優秀者五名。

・所有:初代勇者 名:"万年花まんねんか"の【キヨカ(輝夜華)

・所有:十代目闘王 名:"百連爆鱗草ひゃくれんばくりんそう"の【リン()

・所有:稀代のテイマー 名:"千刃鎧鼠せんじんがいそ"の【ユウ()

・所有:破滅の魔王 名:"魔剣十式"の【テン()

・所有:現人神教の教皇 名:"神滅一刀"の【ダン()


・自爆した者、三名。

・奪取された者、一名』


 うわ〜。所有者、めっちゃ強そうな人ばっかじゃん。しかも、名前を漢字に起こしたら中二病一直線な感じだし…。


「ふーん……。てか、自爆した奴、ちと多過ぎないか?」


『忠告はした。が、自らの力を過信した。愚か者。


 奪取された者も同じ。実際は力不足。運はあった。が、運が尽き死んだ。使い所を間違え過ぎた結果』


 なるほど、単純に脳筋馬鹿や運だけの者には扱いきれないどころか、死ぬ可能性もあるのか。


・・・


「感覚は掴めたから何とかなるかな?

 つまり、あれだろ?意味や概念にある"数"が重要で、イメージや武器の本質が強さを決める感じ、とか?」


『前者は正解。後者は不正解。


 イメージや武器としてどうあるべきかは、私の姿形や性格に必要不可欠。所有者との意思疎通は大切』


「「は?」」


 俺とウォルフ爺さんは、またしても二人して首を傾げていた。イメージで姿形が決まるのは分からなくないけど、何故そこで性格が出てくる?

 こいつは喋り方から寡黙で性に興味があるか、普通という皮を被るむっつりスケベぐらいだと思ったんだが……違うのか?


『私を変態みたいに言わないで』


「なに?この武器は変態なのか?」


 ウォルフ爺さんが何故か"変態"の部分に反応して俺に聞いてきた。


「爺さん……変態の部分だけに反応するなよ…」


「勘違いするな。俺は捻くれた武器は作ったこともあるし、見たこともある」


 しかしな、と続けてウォルフ爺さんは話す。


「今までで変態だと思う武器に出会った事はない。単純に俺の好奇心からくることだが、変態という人間に近い部分を持つ武器なら、知りたくなるのも当然ではないか?」


「それもそうか。俺と爺さん、両方から見ても未知だもんな」


 そういうことだ。と胸の前で腕組みしながら、うんうんと頷いているウォルフ爺さんだが、目の奥に別の興味があったことはスルーしてやろう。


・・・


 それから少し雑談をしていたが、ダガーに催促を受け名付けをすることになった。


「名付けなぁ〜…。俺はあんまりセンスないからなぁ」


「そんなに悩まずとも、パッと思いつくもんでいいだろう?」


 パッと思いつくもん、ねぇ……。なんだろ…妖精・神・魔道具?・・・付喪神か?

 確かあれって九十九の神って書いたよな?でも少し弱い気がするな。他の例からすると分かり易いけど、"数"からすると百も超えないからなぁ。"神"ってついてるだけで強そうなのは確かだけど。


 "神"ねぇ…。土地神とか神話から持ってくるか?いや待てよ、そうか。アレがあった!!


「決めた。こいつに付けるのはちょっと癪だが、自分の命がかかってるからな」


 俺は目を瞑り、深呼吸を数回繰り返し目を開くと、右手でダガーに触れながら新しい"名"を付けた。


「今からお前は"八百万神"の【アカネ()】だ。


 八百万は実数ではなく数が多い事の例え、つまり内容に縛られることはない。

 そして今、紫色なのと時間的に夕方だから二つの色を持つ感じでアカネだ。


 武器としては、様々な状況に対応して欲しいし、色々使ってみたかった物とかあるから"臨機応変"って事でよろしく。

 あとイメージはこんな感じなんだけど……どうだ?」


 俺は名前の通り茜色――実際はオレンジに近い――の髪を紫色のリボンを使い後ろで二つ結びにする、少し切れ長な淡い紫の目をした美少女をイメージする。


 服装は上から白Tシャツの裾結びと、極端に短いデニムホットパンツに茶色のロングブーツという構成だ。

 性格は、臨機応変に対応してくれそうな元気っ子をイメージし、敵に対して容赦しない為と普通の性格では面白くないという理由も込めて、部分的な戦闘狂も混ぜておくことにした。


アカネ。それが私の名前…そしてイメージ。分かった、全て受け入れる』


 それ以降、話しかけても紫は一言も喋らなくなった。


「さて、やる事も済んだっぽいし宿に帰るかな」


 俺はそう言いながら立ち上がり、紫が収まった鞘を持ち上げ腰の左側に近づける。すると鞘から黒いベルトが伸びて腰に固定された。


「防具は選ばんのか?」


 そう後ろから声を掛けられる。


「ああ。機動性を落とすようなことはしたくないからな」


 顔は兎も角、極めて普通そうにそう答えた。実際の所は人間の限界値に近く、ギリギリ人間に判断される状態なので、皮膚やらが鋼並みの硬さになっていることなどは黙っておく。


「そうか」




 俺とウォルフ爺さんは無言で店の入り口まで戻った。

 そこで、ウォルフ爺さんが店を出る俺に欲を言ってきた。


「また来い。問題事でも整備でも、なんでも歓迎してやる。だから俺も、伝説の一部に混ぜろ!」


 最後の一言は最高の笑顔で言われた。しかも、存在意義を見つけた人間のように獰猛なギラギラした目つきになっており、漂う雰囲気も完全に一般人から外れ戦闘民族みたいなトゲトゲしいものになっていた。


 通りの奥の方なので一般人は少なく、四、五人しかいなかったが全員がこちらに振り向くぐらいには存在がギラギラしていた。


 物好きな者もいるもんだなぁ……。と思いながら「へいへい」と曖昧な返事をし、「そのうち、また顔を出す」と言いながら後ろ手に手を振る。




 その後は何事もなく無事に宿に帰ることが出来た俺は、部屋で待っているはずの仲間達の元に、今日の事を思い出し「濃い一日だったなぁ…」と呟きながら部屋に入るも、その後の報告兼雑談会にて各地で問題事があった事を聞いた俺は"こう"思った。



『全員が全員、トラブルメーカーって逆にすごいなぁ……』と。

もしかしたら連投するかも(適当)


ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

これからも引き続き気長にお待ちください。


はい。第七回目も複数人紹介させて頂きます。

紹介し過ぎて紹介者がいなくなったらごめんね。


・ニコニコ動画より動画実況者など


一人目は、『カオスな〇〇ゆっくり実況始めました』のシモエルさんです。

※生存中(現在も投稿確認)

物理演算を愛し、バグに愛される面白デバッガーです。普通にゲームをしているだけで多数のバグを引き起こし、某無料宇宙忍者ゲームでも運営から頼られる存在です。

有名なのは『ヌケーター』と呼ばれるskate3に登場するスケーター(主人公)でバグを駆使してパフォーマンスする動画ですね。



二人目は、稲葉百万鉄さんです。

※生存中

この人の動画では『◆俺の屍を越えてゆけ 実況プレイ』がとても大好きです。

ゲームなはずなのに感情移入が止まらず、もう、一つの映画やドラマと言っても過言ではないようなワクワクやドキドキがあって、続きを見たいが為に徹夜した事もあります(笑)

誰かアニメ化してくれねぇかなぁ……。



三人目は、『【WoT】霊夢の日雇い戦車道〇日目』の宮海さんです。

※生存中

この人はWorld of Tanksというゲームを実況している人で、金の無い主人公がその日の食費を稼ぐ為に戦車で活躍する動画です。

オススメなのはこの動画の19日目です。

戦車と砲弾で野球をするという斬新なことをやった実況者(ゆっくり実況)です。動画が作り出す相手が可哀想な映像と赤字コメントが絶妙な面白さを生んでいて、時々見たくなる感じです。




・ここからは小説家です


紹介するのは、『魔王様の街づくり!~最強のダンジョンは近代都市~』の月夜 涙(つきよ るい)先生です。

※完結(続編あり)

この小説はハイファンタジーではありますが、転生ものなどではなく現代兵器などの知識を持った異世界の魔王としての物語です。

主人公や仲間たちの会話やストーリーも面白く、発想や個性も様々なキャラクターが登場するので飽きることはないと思います。

最近になり続編も投稿され始めたのでオススメします(作者は追っかけ大好き)

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