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2 初めて見た龍

遅くなりすみません。

まだまだ素人で書くスピードも遅く、期間が空いての投稿になってしまいますが気長に待っていただければと思います。


気軽に感想やレビュー、誤字脱字の指摘などしていただければ嬉しいです。

 ここが目的地なのか?山に出来た洞窟って感じでゴツゴツしている。但し、大きさがトンネルの二倍位あり中から漏れ出る威圧感も直感が逃げろと叫ぶぐらいだけど……。


「ここで良いのか?」

「ああ。この奥で待ってるからな」

「待たせてるんだから、早く行きましょ」


 すっごく不安だ。周りに此奴らが居てこの奥だと言っているから普通に行動できているが、今すぐ逃げたいのは変わらないし近寄りたくもないのは仕方ないと思う。

 今は竜だからこれぐらいの恐怖で済んでいるかもしれないけれど、人の状態でここへ連れて来られたら一般人は失禁か気絶ものだと感じるのだ。


 そして赤の竜を先頭にして、俺が続きその後ろに他の竜達が付いて来ている。

 この洞窟に入る前から分かっていた事なのだが、壁面に灯などは一切無く一メートル先も暗闇で奥の方が見えないのが非常に怖さを引き立たせる。

 さらに奥に行くに連れて威圧感が増してきているので進む速度が遅くなり、足に重りでも付いているのでは?と錯覚する程だった。


 暫らく歩いていると前方がほんのりと明るくなっている事に気が付き、よく見てみると奥が広場になっていてそこが目的地だと理解できた。しかし不思議な事に先程まであった威圧感が消えていた事に気が付いたので、足運びを速めるのだった。


 そして(ようや)く奥の広場に着いたと思い入るとそこには前と後ろにいる竜達を大きくして少し色が違うような龍達が待っていた。


「随分と遅かったな。何か問題でもあったか?」

 赤の竜を大きくしたような龍が問いかけてきた。

「いや。特に問題は起きて無いさ親--族長」

「この子には翼が生えてなかったから森の湖からここまで歩いて来たのよ」


 これが赤の竜が言っていた親の煌炎(こうえん)龍か、身体が赤の竜よりも濃い色--鮮紅(せんこう)色--で左目や全身に傷があり歴戦の猛者のように感じる。

 そしてさらっと翼が生えていない事を言われた……。


「ほう。お主は翼が生えておらんのか」

「あらあら、結構珍しいわね」

 青の竜の親らしい龍が言ってきた。この龍は結構綺麗な色--蒼海色--をしていて、体表に近づくに連れて色が濃くなっている。

「ふん。そんな事どうだって良いだろう」

 こっちは灰色の竜の親だろう。見た目は子どもの竜と殆ど変わらないのだが妙に光沢がある--シルバーグレー色--ので擬態は出来そうもない。

「いえいえ、これは大事な事ですよ。どちらのタイプなのか見極めないといけないのですから」

 こちらは竜とは違い殆どが紫色の結晶--アメジスト色--で覆われているらしく所々からしか黄色の肌が見えない。

「あの、すいません。翼が生えてない事に種類なんてあるのですか?」

「ああ、あるとも。本当に生えてないのか、魔力で生やせるのかの違いだ。さて、お主はどちらであろうな」


 なに!?翼が生えてなくとも魔力で作り出せるのか。てことは、弱点にならない可能性があるのか?


「その前に幾つか聞きたい事があるのですが、質問しても大丈夫でしょうか?」

「ああ。儂らが答えられる範囲ならな」

「先ず最初に竜でも魔法?が使えるのでしょうか」

「ふむ。まあ使えない事はないだろうが、使う必要がないから儂らは出来んな。龍族自体、体が最大の武器だからのう」

「では何故魔力の翼があるとご存知なので?」

「過去にも翼がない龍達が存在していたのよ。本当に生えてなかった者もいるけれど、魔力の翼を持つものは翼を狙われないから撃ち落とされずにも済むの」

「それに僕達は魔法は使えずとも魔力を身体に纏って鎧としたり、圧縮してブレスや属性攻撃をするので魔法より便利なのですよ。

 龍族の体内には龍晶(ドラゴン・クリスタル)と呼ばれるものがあり、それは魔力を増幅したり再生能力を上げたりと様々な恩恵を(もたら)してくれます。破壊されても死ぬ訳ではありませんが百年程は能力が著しく落ちます。

 そして同族喰いは禁忌とされ、犯した場合は全ての同族から集中攻撃を受けます。ですが、大抵の場合は力の暴走に耐えきれず死にますね。」


 成る程、過去にも例があるのか。それに魔法は使ってないけど魔法より強力って……身体が凶器なのに反則だろ。流石は種族の頂点なだけはあるな。

 そして禁忌か。多分殆ど死ぬ事がないから数がそんなに多くないし、力を求め過ぎるやつを生まない為の処置なんだろうな。でも百年程は力が失われるけど期間が過ぎたら復活するのか?


「魔法や翼の事については理解出来ましたが、そもそも魔力ってどうやって操るんですかね?」

「ん?お主は魔力が扱えんのか?」

「それが、分からないんです。魔力って(もや)みたいなイメージがあるのですが、体内からそれが感じられないんです」

「体外からの魔力は感じるのよね?」

「はい。それははっきりとではありませんが、何となく感じる事は出来ています」

「君が生まれた時には既に神龍は死んでいたのかい?もしかするとそれが原因かもしれないね」

「どういう事ですか?」

「竜は基本的に生まれた時に親から魔力を流し込まれて龍晶が活性化して、魔力訓練で一定の熟練度になると魔力が使えるようになるんだよ。」

「ということはそれが行われていなかった為に、魔力行使が出来ないということですか……」


 さてあの糞龍から魔力を受け取るなんて真っ平だが、魔力行使出来ないのも異世界に来て楽しみを減らされたようなもんだし。どうしたものか。


「そういえば、属性って何種類あるんですか?」

「急にどうした?お主はさっきまで落ち込んでいたではないか」

「そうなんですが……。教えて貰えないでしょうか?」

「うーむ。紫電、お主が教えてやれ」

「族長殿、自分が説明するのが面倒だからって投げないで下さいよ」

「別に減るものではないのだから、問題なかろう」

「そういう事ではないんですよ。はぁ〜、では気を取り直して説明します。

 属性の基本となるのは火、水、雷、風、土があり特殊なものとして聖、闇があります。多くの者は基本属性の何れかを持ち生まれてくるのですが、たまに特殊属性を持つ者が現れる事があります。

 そして例外として属性を複数持つ者がいたりしますが、四つ以上持つ者には滅多に遭遇する事はありません」


 族長は人に--竜に教えるのがあまり得意ではなさそうだな。逆に紫電さんの方は説明するのが得意で丁寧だから助かるな。


「案外属性って多いんですね」

「そうかしら?それで急に元気付いた理由を聞いても良い?」

「はい。属性をイメージ出来れば魔力も操れるのではないかと思いまして」

「ほほう。単なる餓鬼が面白い考え方をするのだな」

「ではやってみるが良い。お主なら何とかなるであろう」

「アドバイスならしてあげるからね」

「ゆっくりとやるのがコツですよ」


 そうしてゆっくりと瞑想し始めるのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

続きも良ければ見て下さい。

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