13 男の叫び
今回は案外スラスラ文字に起こせたので早めに投稿出来ました。
前回は短すぎてすまんかった。今回は普通だから大丈夫。(多分)
俺は見間違いでもしたのか?と思いもう一度山頂を見るが五体目の姿はどこにもなく、ただ期待感と不安が入り混じったような感情を持つ四体の親龍がこちらを見送っているだけだった。
「気のせいか?」
俺は少し不安を覚えながら街へと続く道を歩く。
………
……
…
森の密度がなくなっていき、目の前に草原が見え始めたことで、グディル山からよく見ていた街がもうすぐ見れる思うと心がワクワクして止まらなくなっている。
初めて異世界に来た時は戸惑いや不安で混乱していたが、それとは別に自分の知らない世界にまるで違う知識や生物までいるとなっては好奇心が疼いて仕方がなかった。
もちろん異世界では自分の持ってる常識なんて通用しないのは当然だと思うし、自分の力も未知数な中で生き残れるなんて甘い考えはしていない。
まあその点で言うなら、俺がラノベで得たやるべき事シリーズも役に立つってもんだ。こういう時は大抵人に頼れば何とかなる。
自分の無能ぶりを曝け出す事になり周りからは白い目で見られるだろうし、赤面までマッハだろうがそれを気にしていられる余裕があるかは別だ。
なんせ自分の生死が掛かってる。その状況で孤立して死へ直行なんて俺は御免だね。
……とか、考えていると。
前を歩く男に声をかけられる。
「おい!兄ちゃん。物思いに耽ってるとこ悪いが、もうすぐ街だぞ!」
と言う声が聞こえ、ハッと我に返って前を向くと大きな壁が少し遠くに見えた。
「おいおい、ここは外だぞ。俺たちが護衛してるからって気を抜き過ぎじゃないのか?」
「ん?ああその事か、それなら大丈夫だ。
そこまで深く考えていた訳ではないし、俺が動かなくてもこいつらが何とかするだろ。なあ?」
「ん?どうしたんだ」
「いや、何でもない」
今の隊列は盗賊のルビナスを先頭に弱男とミーナを挟み中央に俺を含む子竜たち、その後ろに続く形でアリスと最後尾にモンドがいる。前列と後列に十数人ずつといったところだ。
俺たちは列に前後を挟まれているものの、いつ襲撃されても問題ないようにサイコロでいう五の形をとっている。もちろん俺が中心でアクアとサンダーが前列を、ブレイズとクラグが後列にいる。
攻撃力と防御力が俺に次いで強い二人を後列警戒に回している。
警戒を続け門まであと数メートルの所まで来ると馬車やそれを護衛しているであろう者や、荷車に積まれた瓶詰めの物を運ぶ女性のグループなど様々な人々が門に続く道に列をなしている。
俺は注意を促してきた男に今までずっと気になっていた事を聞いてみる事にした。
「なあ、あんたや他のやつも武装しているが、もしかして冒険者ってやつなのか?」
「そうだぜ。知らないのか?」
「話し伝えでは知ってるんだが、なんせあんな所に生まれた時から暮らしてたからな。
外は危険だからって、一度も出たことはないな。今回が初めてだ」
そんな設定を話してるとアリスが後ろから会話に入ってくる。
「その危険だって話は誰から聞いたのかしら?」
軽く後ろを見ながら質問に答える。
「ん?そんなの決まってるだろ。親や集落の大人たちだよ」
「あら、集落は無くなったんじゃなかったの?」
「あのなぁ、無くなったのは昨日の夜であってそれまでは普通に暮らしてたんだ。怪しいからって話の矛盾を探るのはいいが、しつこいと怒るぞ?」
「そう。ごめんなさい」
と頭を下げ口では謝っているが、言葉は結構軽いし雰囲気から伝わってくるのは疑いである。
それから列に並び街に入る間までの時間を男と話していると、後ろから叫び声を上げながら息も絶え絶えに走ってくる男がいた。
「誰か!……はぁ、はぁ……俺の仲間を助けてくれ!」
男は俺たちがいる最後尾の所まで来ると転ぶ様にして倒れ込む。そして地を這い必死に俺たちの方へと手を伸ばす。
「……頼む。仲間が……仲間が死んじまう」
モンドが倒れた男に駆け寄ると男に肩を貸して姿勢を強制的に座るようにもっていく。
……と同時にアリスは様々な指示を飛ばしていた。
前列にいる仲間の冒険者に冒険者組合へ報告と救護班を呼ぶように言い、後列には門周辺を警戒するように伝えていた。
「おい、周辺の地図持ってるやつこっち来い!
大丈夫だ俺たちに任せておけ」
その呼び掛けに若い女性冒険者が慌てて駆くる。
「こ、これ!地図持って来ました」
「場所ぐらいは指せるな?」
男は頷くと震える手を操りながら、地図に描かれた街から近い平原に存在している丸型の森の中心付近を指した。
そして声を振り絞りこう言った。
「オークを……探し……たら、オーガが群れを…………」
「数は……分かるか?」
男は力なく首を横に振る。
「そこま…では……でも、あんな…あんなことが……オーガとオーク…が」
そこまで言った男の保護をモンドは他の者に任せて立ち上がり、列に並ぶ他の冒険者に叫ぶ。
「手の空いてる者はいるか、ランクD以上だ!
緊急でオークとオーガの討伐と救出作戦だ」
集まったのはランクDパーティーが三組とランクCパーティーが二組だった。
そして俺を含める子竜組とルビナスも討伐隊に加わることになった。
モンドはほんの数秒沈黙した後、こう続ける。
「これ以上ここで話してる場合じゃない、走りながら説明するぞ!」
俺たちはモンドを先頭に、男の冒険者仲間が襲われている森に向かって走り出した。
※注意:完全に個人意見です。(無視をオススメします)
ユニーク:サイトを開いた人のアカウント数。一人一回まで(多分)
PV:サイトが何回開かれたか。一人で複数回してもカウントされる。
前回まで(人)
ユニーク:4,442 PV:12,970
12話投稿日:3/24
特に多かった時間帯
18時:130
19時:217
20時:147
今回
ユニーク:4,818 PV:13,594
いやー、前回の話投稿した時からログイン数の跳ね上がり方が凄かった。
投稿したその日の内に690回もサイト開かれるとか明らかおかしい。マジで自分の目を疑った。
あと200人でユニークが5000人突破できる。……ことは嬉しいと思ってるけど、実際は埋もれて欲しかったのが本音。
こんな奴の話で暇潰しぐらいになっているのなら嬉しい限りです。
それではまた、次の後書きか感想ページで…。