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12 旅立ち(後編)

随分と遅くなってしまい申し訳ない。

そして時間が空いた割に今回のはかなり短いです。

 俺が警戒していた地面からは魔法陣が表れ、糸状の魔力が蜘蛛の巣のように広がり直径五メートルの円を作ると止まった。


 少し動いてみると身体は固定されてなかったが、体重が増えたような感覚があるから行動阻害系の罠だったらしい。

 まったく、人間は怖いものだ。こちらから信用していたとしても簡単に裏切ってくるし、裏切る事もする。

 かく言う俺も元人間な訳だが、そんな感情の変化も理解は出来る。だが、絶対悪だ!と言うつもりもない。俺はそこまで綺麗な存在ではないからな。


 力での解決は出来るが、ここで信用を失ってはこれからが拙くなる。最後の最後に慢心してしまったのが駄目だったか……。


「幾つか貴方に質問させてもらうわ」


 俺は溜息を吐きながら頷く。


「貴方の種族は?」

「人だ」


 少し視線が鋭くなる。

 アリスは口元に手を当て考える素振りをしているが、横のルビナスの口が動いてるから会話している事になる。

 ただし、正面を向いたまま最小限の動きをしているから普通の人間は気付けないだろう。


「貴方以外に生き残りがいるそうだけど、数は?」

「俺を含め、五人だ」


 ここはあえて嘘を付かないで様子を見てみる。


 すると後ろの集団の警戒心が緩んだように感じられた。だが、集団のリーダー格四人は気付けないでいる。弱男は知らん。


「そう、残りの四人はどうしたの?」

「今は言えないな」


 するとアリスから少しの緊張感が生まれる。


「敵対する気はあるのかしら?」

「お前たち次第だな」

「ここから先への進行以外に求める条件はある?」

「『今は』ないな。これ以上の進行は交渉決裂とみなして攻撃を開始する。

 だが、進行をやめてくれるなら再度条件を要求する」


『漸く戦うのか?準備は出来てるぞ!』

『焦るな、もう少しで話が着くから大人しくしてろ』


 すると話に待ったを掛けまた話し始めようとしたので俺は腰に手を当て大きな溜息を吐いた後、振り向いたのを確認してから苦笑いしながら話しかける。


「はっきり言えば俺は戦う気がない。龍の巣にあった住処を失った以上行く当てが無いんでな」

「そう。こちらとしても戦いは避けたいわ」

「同行の話は聞いてるだろ?怪しいのは分かるが信用してくれ」

「同行の話が本当ならね」

「街に着いたら話してやる。ただし話す者は限定させてもらう。そう易々と一般人に聞かせていい話じゃないからな」


 少し考えた後アリスは後ろに問いかける。


「ふぅ……同行を許可するけど反対の者は?」


 誰も声は出さない。全員賛成のようだ。


「分かりました、貴方たちの同行を許可します。

 他の四人の方にもここに来るよう指示して下さい」

「それは心配ない。ただ、驚かないでくれよ」


 その場にいる俺以外の全員が不思議そうな顔をしている。


『戦う必要はもう無くなった、出て来てもいいぞ』


 一応殺気や威圧などをしないよう注意しておく。


 俺がテレパシーを使える事を隠すために合図として使ったのは柏手である。よく響くし大きな音もなる。

 注意をこちらに引き付けることや騙し討ちにも使えるから万能だと感じている。


 合図を出した数秒後に周りの木がガサガサと揺れ、ブレイズたちが人の姿で木の枝から飛び降りて来る。

 位置関係としては俺を頂点に五角形で集団を囲むような感じだ。


 集団はというと柏手の音に吃驚して俺を睨み、ブレイズたちが出てきた事で唖然としたかと思いきや警戒心を剥き出しにしてしまっている。


「これは……どうなんですかね?」


 俺が不満を漏らすと透かさずモンド(おっさん)が前に出て来て謝る。


「済まなかった。こちらとしても心の準備は出来ていたが、まさか囲まれているとは思いもしなかった」


 それに……とアリスが続ける。


「貴方の出した音で一瞬でも私たちの意識が逸らされたのは意外でね。奇襲されてたら死んでた可能性もあるのよ」


 そしてアリスが背後に顔を向けると、一瞬にして集団の警戒心が消えて逆に恐怖の表情が浮き上がってきた。

 一体今どんな顔をしているんだろうか……。


「まあいいよ。ここでずっと立ち話って訳にもいかないだろうし」

「すまないな。ありがとよ」

「こちらも、これからはこんな事が起きないように気を付けさせるわ」


 こうして何とか切り抜けた訳だが、内心は滝のように汗が溢れ出ている。

 自分でもよく頑張った方だと褒めてやりたい。


 そして龍の巣から街へ向けて出発しようとしているとテレパシーが飛んできた。


『行くのか、フェリオスよ』

『ああ、でも心配するな。少ししたらまた戻ってくるさ、面白い話を土産にな』

『そうか、それは楽しみだな』

『じゃあ、行ってくる』


 最後に龍の巣の方を見るとグディル山と呼ばれる山の頂上付近に五体の龍の姿があった。

待ってくれていた人には非常に申し訳ないが書く気というか、やる気というかが吃驚するほど出ませんでした。


書き溜めしてるのかもしれないけど、改めて毎日投稿のすごさを実感しました。


こんな主ですが、これからも読んでいただけると嬉しいです。

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