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10 侵入者

 かなり遅れましたが、明けましておめでとうございます。


 失踪したのではないかと思わせた方には申し訳ありません。

 これからも不定期で投稿しますのでよろしくお願いします。

△▼△


 私は朝から忙しく働いていた。理由は、昨日の夜にグディル山の奥から見えた空に伸びる光の柱が何なのかを調べるために会議が開かれるので、時間とともに増える冒険者と究明者に説明と会議場への案内の為に走り回っている。


「皆さん、会議は訓練場で開かれてます。まだ始まっていないので慌てずに移動して下さい」

「おう。ルビナスちゃん、ありがとよ」


 少しして人数が減ってきた頃に訓練場の方から大きな声が聞こえてきた。


「これから会議を始める!話は昨日の夜に光の柱がグディル山の方から見えた件についてだ」


 私はギルドマスターの声に耳を傾けながらも仕事を続ける。


「先ずこの件の問題点から話す。一番の問題点は光の柱がグディル山奥から見えた事であり、調べるにしてもあの山に入る事は避けれない所だ!」


 すると会議場が騒がしくなる。


「静かに!問題は他にもある。あの山の危険度は皆が理解していると思うが、今この街に冒険者や究明者として調査に行ける者はいない」

「では今回の件は放置するのか?」


 皆理解はしているが、口には出さない。


「放置が出来たら苦労はしないんだがなぁ……。俺も無茶を言っているのは理解しているが、高ランクの者がいつこの街に来れるのかは分からない」

「待っている間にも事は動きそうだと?」


 そして顰めっ面をしながら、半ば確信したような強い声で答える。


「ああ。俺の勘がそう言っている」


 また騒がしくなる。


「昼過ぎに依頼を出すが、受ける者は死を覚悟してくれ。その代わりに報酬には糸目を付けないし、此方からも人員は出す」


 そして私は聞き耳を立てているのがバレない内にカウンターへ戻り書類の整理をすることにした。


 ………

 ……

 …


 会議が終わり、冒険者達がそれぞれの場所へと散って行ったのを見届けた後に声を掛けられた。


「おいルビー。話は聞いていたんだろ?お前も行くんだから依頼書は任せたぞ」

「えっ!?」


 ギルドマスターがカウンターに戻ってくるなりそう言われた。


「ルビナス。今回もあなたの負けよ」

「アリスさんまで……酷い!」

「バレてるから弁護は無理よ」

「むう〜……わかりました」


 副マスターのアリスさんにまで言われて私は頷くしかなかった。


△▼△


「うっ……なに……が?」


 俺はそう言いながら目を覚ました。頭を横に振りながら直前の記憶を思い出す。


「ああ……そうか」


 俺は契約の儀をしていて、最後の最後に猛烈な痛みと身体中から溢れ出る力を感じながら気絶した。


「ん?そう言えばここは何処だ……見覚えはあるんだが」


 確か契約は平原で行なっていたはずだ。それなのに今いる場所は暗く空も見えない。

 少しすると足音がしてきたので警戒していると。


「おう!やっと起きたか」


 警戒する必要が全くない子龍四人組だった。四匹組かもしれないが。


「ここはどこだ?見覚えはあるが思い出せないんだが」

「何言ってんだよ。親父達と初めてここで会っただろ?」

「あ〜そうか。見覚えがあると思った訳だ」


 俺は入り口から今いる行き止まりの場所を見た事はあっても、入り口を正面に奥から見た事はなかったし

混乱した頭なら仕方ないか?


「まあそんな事よりもだ。俺はどれぐらい気絶してたんだ?」


 ここは洞窟だから当然空は見えない。


「んー……俺たちは夜から朝まで倒れてたけど、もう昼過ぎだ」

「昼過ぎか。かなり寝坊してしまったな」

「まったく……起きないと思って心配した私が馬鹿だったわ」


 相変わらずアクアは心配性だな。最初の頃はまともに目すら合わせなかったのに。


「悪い。心配掛けたな」

「それで、これからどうすんだ?」


 最初に行く場所は決まっているし、あとはブラッド達に別れを告げるだけかな。


「てか、ブラッド達はどこにいるんだ?」

「ん?なんか『やるべき事がある』って言ってたな」

「気になるから俺たちも行く……」


 すると、体内に異物が入り込んだ様な何とも言えない感覚に襲われる。


「なんだ!?」

「親父が言ってた侵入者の気配かな」

「侵入者か。とすると、やばい感じかな?」

「親父の表情が堅かったのはそのせいか」

「まあ、先ずは見に行ってみるか」


 そして俺たち子龍組はブラッドの気配を目指して動き出した。

 そしてブラッド達を見つけ声を掛けようとすると手で制された。


『まあまて、ここからでは気付かれる事はないだろうが念のためだ』


 ……こいつ直接脳内に、ってそういや契約にテレパシーの要素あったな。てか俺が言い出したんだった。


『悪い、まだ本調子じゃない。で、さっき感じた違和感はどういう事だ?』

『あれは勇者がこの島に、いや、僕たちの巣の範囲に入った人間を感知すると発動する魔法らしいよ』

『また勇者か?』

『あの勇者は、相当私たちとの関係を他の人間に知られたくなかったらしいわ』

『それと人間の顔すら見たくないとも言っておったな』


 相当に闇が深そうだなぁ〜。なんて考えていると、巣の入り口にある森に大量の武装した人間が集まって行く。


『なあ、ブラッド。彼奴らと話してきていいか?』

『儂はお前の意見に従うさ。眷属にもなった事だ、主の意見は聞くべきだろう?』


 まだ引き摺るのかよ……。


『まあいいや。他に意見は?』

『「……」』

『決まりだな』


 久しぶりの人との会話は緊張するな。それに、魔力や魔物の肉以外が早く食べたい。


『合図したらブレイズたちは人化で出てこいよ。竜の姿のままだと警戒されるからな』


 んじゃ、お喋りに行きますか……。

 ここまで読んでいただきありがとうございます!

 良ければ続きも読んでいって下さい。

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