#8
僕が魔王としてこの世界にきたのならば、すべてのつじつまが合う。
僕のチート的な強さも、魔法の属性も、魔物のレベルアップも。
探したらあるもんだね。
魔力をプンプン放つ悪趣味な装飾が施された巨大な鏡。これが全ての元凶だ。
魔王としの人材を異世界から発掘し、これが異世界とのゲートになる仕組みだろう。
それはもう壊した。もう新しい魔王はこの世界に訪れないだろう。
僕が最後の魔王となった。
「ルナ!君の力で僕を倒してくれ!そうしたら世界は平和になる!」
「あなたを倒すなんてできないわっ
あなたがいない世界なんていやよ!」
ルナはそう言うだろうと思った。けど、それじゃあ駄目なんだよ。
僕は世界に災厄をもたらす存在。
「……全ての魔物に命じた。王都を襲うようにと。あと5分もないだろう。
ルナ早く僕を討つんだ。」
ルナは泣き崩れた。
顔をくしゃくしゃにしながら両手に魔力をともす。
国と一人の男。天秤にかけれるわけがない。
その英断ができるからこそ彼女は勇者なのだろう。
泣き顔なんてルナには似合わない。
ルナの魔法が完成するまえに僕はルナに魔法をかけた。
─記憶操作の魔法─
じき僕のことは忘れるはずだ。幸せになってくれ。
彼女は最強の魔法を放った。
魔王が消えた瞬間魔物はすべて消えた。
平和が訪れた。