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ゾンビと日常

物語が作者に書かせました。

「ゾンビ映画とかドラマ流行ってるよな」

朔がいう。蓮と透と灯はキッと朔へ視線を送った。

「うん、なんか最近流行ってるみたいね」

私が答える。

「そういうのが現実に起こったらさ、どういう役回りと思う?」

朔は興奮気味に続ける。

「まずあんたは真っ先にでしょ?」

「まずって何だ」

蓮が即答するのに朔が答える。

「俺は安全なシェルターをいち早く確保しているからまず最初にやられることはないんだよ」

朔は自信満々に答える。

なんとなく朔がシェルターを確保しているのはそんな気がする。なのに何だろう?この安心できない感じ。

「大船に乗ったつもりで居られるぜ?」

朔が鼻高々に言う。

「大船?大きな穴が空いてるんだろ?」

それを透が突き落とす。

「うん。」

「たしかに。」

「私もそう思う。」

満場一致。

「君たち、この朔を甘くみてはいないかい?俺は巨大なショッピングモールをシェルターとしているのだ!」

朔が豪語する。誰も呼応しない。

「あれ!?ショッピングモールをシェルターとしてー」

「そこはいいから。それで?」

透が促す。

「いや、驚くところ!」

「沈黙が答えなんじゃない?」

蓮が半笑いで答える。

「何ぃ!」

「内容によっては驚くかもよ?」

灯が言う。

「いや、なんでも揃うショッピングモールだぜ?生活にはもう困らない!避難してくる人を受け入れながら朔の牙城がどんどん大きくなっていくのだ!」

「避難してくる人と一緒にゾンビ入ってきそうね」

私が言うが

「ゾンビと避難民くらい見分けられるぜ?」

自信満々に朔は答える。私は朔にスーッと近づいていく。

「よくドラマや映画では噛まれてたのを隠してそういうところ来る奴もいると思うけどどうやって見分ける?」

「顔!」

「やっぱダメだw」

「いや、俺の目に狂いはないから!」

「実は私ゾンビでした」

私は朔の右手に噛みついた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

「朔終わったww」

「いや、まだだ!噛まれた右手を切り落として命を繋ぎ止めれば!」

「左手!」

ガブッ

「終わったわww」

「いや、まだ足が!」

「さすがに足には齧り付きたくはないかな笑」

「と言うかな、お前の牙城にゾンビ入っててお前はもう両手噛まれてるのよ。ショッピングモール終了だって。」

「いや、まだ諦めない!両手失っても俺は生き延びるぜ!」

「ゾンビひしめく世界でどう戦うんだよ」

「これ、首筋くらい噛まないとダメかな?」

「やめろぉぉぉ!!澪さん、何でもしますんで穏便に!」

「いただきます」

「ぎゃああああああ!」

「朔終わったww」

蓮は横で笑い転げている。

「ええい!もういい!お前らは何やってるんだよ!?」

「俺は木の上にでも小屋を作って生活してるかな」

「つまんね」

「お前が面白すぎただけだろ。俺は堅実に長く生き残る方法を考える」

「蓮は?」

「私はいろんな場所をムギと一緒に彷徨い歩いてるかな。たまに補給してふらふらっと」

「俺のシェルターも活用してー」

「さっき壊滅したでしょww」

「ぐぬぬぬぬぬ」

朔が恨めしそうに私を見る。ピース!

「ぬおぉぉぉぉ!!」

朔が頭を抱えてのたうち回っている。楽しい。

「灯は?」

「私は、そうだなぁ、澪と一緒に行動してたと思うから私もゾンビ側なのかな?」

「いや、俺は灯の方を見て2人を招き入れたんだ。澪は普通だった!」

「はいはい、後付けでもあんたもう両手噛まれてるからね?」

「じゃあ朔が噛まれたのを見て澪抱きしめて首から胸から噛まれるかな」

「それでいいの!?」

「私1人じゃ生き残れない世界だし、それが一番いいんじゃないかなって思う」

「その頃朔は?」

透が朔を指差す。

「ぬおおぉぉぉぉ!!」

みんなで大笑いした。


◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇



「ゾンビのいる世界、か。」

部屋で天井を眺めながら呟く。

それで言うなら私が今現在でゾンビってことになるのかな?認めたくないけど。


目を閉じてみる。

荒れ果てた世界。ゾンビが徘徊する世界で生存者は今日の生存のために生きている。ゾンビは空腹を満たすために徘徊、獲物を探している。

灯はそういう世界が来ても私と行動してる、生き残ることじゃなくて私と一緒にいることを選んでくれてた。私がゾンビ側でも躊躇がなかった。

普通こういう話になったらどう生き残るかを必死に考えるのに、私がゾンビで悪ノリしたから一緒に来てくれた。


「じゃあ朔が噛まれたのを見て澪抱きしめて首から胸から噛まれるかな」


怖いはずなのに、そんな私でも抱きしめてくれるんだ。

灯、すごいな。


逆だったらどうするだろう?

一緒に行動してた灯が突然朔を噛み出した。

「ゾンビだ!」って一瞬で察する。

体は灯なんだろうけど、顔は灯かな?抱きしめること、できるかな?

分からない。

灯はその場で即答してくれたのに、「分からない」なんて、情けないな。


武器を持ってたとして、灯に使える?

無理。それは即答できる。

走って逃げる?1人で逃げてるところは想像ができない。走るにしても灯の手を掴んでると思う。

そしたらゾンビとの距離がまったく開いてないわけで、走り疲れたところで抱きしめて首筋を差し出す……かな。

行き着くところは灯と一緒なのに、だいぶ遠回りした気がする。


枕をギュッと抱いて眠りについた。

読んでいただきありがとうございます。

次話「冬 ケーキと使命」もよければ。

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