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第51話 生徒会『おまえら…』

机の上には、

生徒会から突き返された書類一式。

赤字。

付箋。

丸囲み。

びっくりマーク三連。

澄香が、淡々と読み上げる。

「却下理由、読みます」

「お願いします」

彩鼓。

「――

『代表輪番制って!

 中道ナンチャラかんちゃらっていう政党と

 一緒みたいなモノじゃない!

 責任の所在がぼやけます!』」

一瞬の沈黙。

「……例えが雑」

真宵。

「しかも政治ネタ」

みなみ。

「生徒会、どこで覚えたのそれ」

華。

澄香は続ける。

「要約すると」

「誰が責任取るのか一人に決めろ」

「明日まで」

「出さないと予算出さない」

「以上です」

「はい詰み!」

華。

「早い!」

「でも正しい!」

「どうするのこれ!」

彩鼓は、腕を組んだまま考え込み――

そして、ぽつり。

「……じゃあさ」

「私」

「留年しようか」

一斉に。

「却下!!!!!」

声が揃いすぎて、

部室が一瞬ビリッとした。

「なんで!」

彩鼓。

「なんでじゃない!」

みなみ。

「進学決まってるでしょ!」

真宵。

「短大の学費どうするんですか」

澄香。

「親御さん泣きます」

華。

「ていうか

 はむ部のために人生賭けるの

 重すぎる!」

彩鼓、少しムッとする。

「でも責任って言うなら――」

「それは違う」

真宵が、珍しく即答した。

「責任は“役職”じゃなくて“作業”」

「先輩はもう十分やった」

彩鼓は、言葉を失って――

ふっと笑った。

「……強くなったわね」

「部室の空気のせいです」

澄香。

「じゃあ」

みなみが、ゆっくり言う。

「**生徒会が納得する“顔”**を用意して」

「中身は今まで通り分担」

「それなら?」

澄香、頷く。

「形式上は通ります」

「生徒会は“書類”しか見ない」

「……誰がその“顔”やるの?」

華。

全員、

ゆっくりと華を見る。

「……なに?」

「ほら」

彩鼓。

「名前が柔らかい」

「威圧感ゼロ」

真宵。

「何言っても“まあ華だし”で済む」

澄香。

「え、ちょっと待って」

華。

「それ褒めてる?」

「役所的には最強の評価だし、それに来年は考えなくて済む!」

澄香。

「ヒドっ!で、私は何するの!?」

「部長席に座る」

「判子押す」

「挨拶で噛む」

「たまにボケる」

「最後いらない!」

彩鼓が、肩を叩く。

「お飾り部長」

「歴史ある役職よ」

「いや聞いたことない!」

みなみが、にこっと笑う。

「でもさ」

「華が前に立って」

「私たちが後ろで支えるの、

 なんか“はむ部っぽい”」

真宵も頷く。

「実務は今まで通り」

「責任は分散」

「名義は集中」

「生徒会は満足」

「予算も出る」

澄香が、もう書類を作り始めていた。

「決定ですね」

「部長:寺尾華」

「実務分担:別紙」

「代表輪番制:削除」

「中道ナンチャラ:封印」

「ちょっと!」

華。

「私、

 ちゃんと部長できるかな……」

彩鼓が、少しだけ真剣な顔で言った。

「できなくていい」

「できない前提で、

 この部は回ってきた」

華は、少し黙って――

「……じゃあ」

「噛んだらフォローしてね」

「もちろん」

「全力で」

「むしろ楽しむ」

「やめて!」

部室に、笑いが戻る。

締切まで、あと一日。

少しカオスで、

かなり強引で、

でもちゃんと前に進む――

それが、

はむ部の結論だった。

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