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第17話:Field Contest ―青い電波と白いログ―

2025年8月3日(日) 午前5時30分 赤泊・月潟山荘


蝉の声が山の斜面に反響する。朝霧の残る佐渡の山奥で、寺尾華は眠い目をこすりながら目を覚ました。


> 華(今日が本番の日かぁ……!)




カーテン越しに差し込む光が、木の床に金色の模様を描いている。

リビングからはすでに人の気配。キッチンでは真宵が朝食の準備をしていた。


> 真宵「おはよう。6時には起きてチェック始めるわよー」




> 華「は、はいっ!」




この日、4人はアマチュア無線の全国的イベント「フィールドディコンテスト」に参加する。

山岳や海辺などから、商業電源を使わずに移動運用するのがルール。

この赤泊の山荘は、月潟家が所有する施設であり、景観・地形ともに最高のロケーションだ。



---


午前7時:設営完了


アンテナは、前日までに3種類を設営していた。


HF用のロングワイヤーアンテナ(14〜21MHz用)


VHF/UHF用のGPグラウンドプレーンアンテナ


モービル用のホイップアンテナ(430MHz)



> 澄佳「今日は絶対勝つ。ログ1ページに満たない去年とは違うわよ!」




> 彩鼓「交信数だけじゃない。タイミング、相手局の確認、記録……全部完璧に!」




> 真宵「ミスしたら減点になるからね。特にRSTレポートの誤記はアウト」




> 華「……が、がんばりますっ!」





---


午前9時:CQスタート!


> 彩鼓「CQ CQ フィールドディコンテスト、こちらはクラブ局 JI0YLC、移動運用中!」




抑揚のある声で交信を呼びかける彩鼓の隣で、華がメモをとっていく。


> 「こちら JA7K…、宮城県石巻市、コンテストナンバーは…」




> 彩鼓「宮城県了解、こちら新潟県佐渡郡赤泊、ナンバーは…」




交信が成立するたびに、ノートに書かれるコールサインとレポート。


> 華「なんだか、秘密の言葉で世界とつながってる感じ……」




> 真宵「それが無線の醍醐味。文字じゃない、声で通じる世界」





---


午前11時:華、初オペレーション!


華は緊張しながらも430MHzのハンディ機にマイクを向ける。


> 華「CQ CQ CQ、こちら JI0YLC、オペレーターは寺尾、どうぞ!」




しばらく沈黙のあと、ザーッというノイズ越しに声が返る。


> 「こちらJA0Z……、新潟市中央区から、コンテスト参加中!」




> 華「こちら佐渡赤泊移動です!レポート了解です!」




途切れそうになる声を一生懸命聞き取り、ログに記録していく。


> 華「(あっ……電波って、ちゃんと誰かに届いてるんだ……!)」





---


午後1時:交信記録が100局を超える


昼食はカップラーメンと、華が昨晩作ったツナマヨおにぎり。

風に吹かれながら、みんなでログを確認。


> 彩鼓「すごいよ。HFでの交信が60、V/UHFでも30超えてる!」




> 澄佳「それ、表彰圏内あるでしょ!去年の入賞ラインが120局だったから」




> 真宵「油断せず、あと2時間集中しよう」





---


午後2時40分:ラストスパート


太陽が西に傾く。

ログ用紙は2枚目に突入し、交信ペースはやや落ちるが、各自が必死に呼び出しを続けていた。


> 澄佳「JA6の局からレポート来た!九州とつながった!」




> 彩鼓「やったーっ!」




> 華「あと……あと1局……!」




時計が14時58分を指す。最後の交信を華が掴む。


> 「こちら8エリア、北海道旭川移動です!」




> 華「JI0YLC、こちら佐渡赤泊、オペレーターは寺尾!よろしくお願いします!」




> 「了解、交信ありがとうございます!」




14時59分30秒。

ログにその記録を書き終えた瞬間――


> 彩鼓「タイムアーップ!」





---


午後3時10分:達成感とひとときの休息


記念撮影を終え、ベランダでアイスキャンディーを食べながら、風を感じる4人。


> 澄佳「……この瞬間のために、準備してたのかもね」




> 真宵「無線って、ロマンだけじゃなく、努力と技術が全部必要なんだなって」




> 彩鼓「でもやっぱ、みんなでやってよかった!」




> 華「うん……夢みたいな夏休みだよ」





---


エピローグ:ログの提出と、文化祭への布石


交信記録はその夜、電子ログで提出される。


> 彩鼓「文化祭でこれ展示しようよ!交信マップも、QSLカードも作ってさ!」




> 真宵「華に初交信レポート書かせよう。いい体験記になるよ」




> 華「えっ、わ、私が!?」

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