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第15話:終業式と、夏空への第一歩

7月18日(金)――終業式の放課後、無線部部室


終業式の開放感が部室に漂う中、ハム部の4人がいつものように集まっていた。部室の窓からは、蝉の声と夕陽の柔らかな光。


ポッポ焼きの黒糖の甘い香りが漂う。涼しい扇風機の風の中、月潟澄佳が皆の前で口を開いた。


「ねぇ、みんな……今年の夏、フィールドディコンテストに参加してみない?」


白根彩鼓がびっくりした顔で振り返る。


「え? いきなりどうしたの?」


「実はね……うちの親の会社が新しく始めた『Tsukigata Air』っていうヘリコプターのコミューターサービスが、8月から新潟空港と赤泊を結ぶ試験運航を始めるの。

それを利用して、佐渡の赤泊の山中にある会社の保養所で合宿しながらフィールドディコンテストに参加するっていうのはどう?」


真宵が疑い深く眉をひそめる。

「…赤泊? 保養所があるの? でもヘリコプターなんて乗ったことないし、そんな簡単に行けるの?」


澄佳は自信満々にうなずいた。


「今回の試験運行は、特別に地元の学生部活も搭乗できる枠があるんだって。

しかも往復15分で移動できるから、フェリーみたいに時間を気にせずに済む。宿泊もバッテリーとソーラーの電源がある保養所なら、山の中でも電波が出せる。環境もバッチリ!」


彩鼓は目を輝かせて言う。


> 彩鼓「それなら、無線の移動運用もバッチリじゃん! 私、絶対行きたい!」


華も頷きながら付け加える。


> 華「私は山で料理を担当する!地元の新鮮な食材を使って、みんなに元気出してもらう!」


真宵はスマホを取り出し、スケジュール表を見ながら慎重に言う。


> 真宵「宿の手配やヘリの搭乗条件とか、ちゃんと調べて、計画的に進めないとね。宿の鍵の管理や機材の運搬も考えなきゃ」


澄佳が得意げに答えた。


「それは私がやる!保養所の管理も任せて。鍵もバッテリーも準備しておく。Tsukigata Airの社長は父だから、話は早いよ」


彩鼓は黒板に大きく書いた。


《夏空作戦・第零号:Tsukigata Launch》



「夏の特別作戦、ここに発令!」


4人の目が輝き始め、ポッポ焼きの甘い香りと共に、夏の冒険の幕開けを告げていた。



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