タイムマシンに乗せた希望
あまり細かい所は気にしないで下さい。
ある所に博士と助手がいた。
博士は少し欲張りで好奇心があり、助手はいつもいつも博士をおだててるだけであまり働くのは好きではなかった。
しかし二人は確かな才能を持っており、二人ともそのことは自覚していた。
ある日、博士は長年開発し続けたタイムマシンを遂に完成させた。
そして助手はいつものようにこう言う。
「すばらしい発明です。だから毎日言ってたでしょう、あなたは現代のレオナルド・ダヴィンチだと。いや、きっとそれ以上です。さぁ早く、それを公開しましょう。私達は歴史に残る人物となるのです!」
しかし博士は少し考えてこう言った。
「いや、それはまだ早い。よく考えたまえ。私達が造ったのだから私達が最初にこれに乗らないでどうする。どうせ地位の高い者が乗りたがるだろう」
「もっともな考えです。しかし危険ではありませんか?」
「ええい、そんな事を言うのなら乗らないでいい。一人で乗ってくる。私の発明を馬鹿にするのなら出て行け」
「すみません、私が馬鹿です。どうか乗せてください」
「勝手にしろ」
しかし本当は助手がいないと心細いのである。
タイムマシンは二人乗りで、外から見ればほとんどガラスの球体だが、中はずいぶんと配線がごちゃごちゃしている。
博士は体に配線が絡まってイライラしていた。
「よし、カメラやタバコ、食料は積んだか?後、ライターもな」
「ほんの少し別の時代を除くだけなのにそんなに必要ないでしょう」
「いや、念のためだ。何があるか分からんからな」
「それで、いつに行くんですか?」
「もう決めてある。黙って付いて来ればいい」
こうして瞬く間に原始時代へとタイムスリップし、捜索していると五分とたたない間にそこの民族に会えた。
彼らは二人に対して好奇心を抱き、言葉は通じなくともどうにか分かり合えた。
彼らは木の実や魚をご馳走してくれ、二人のために踊りも踊ってくれた。
こうしてあっという間に朝から夜になり、タイムマシンのことも気がかりになったので帰ることにした。
二人は彼らにお礼としてライターを与えると、すぐ使い方を覚えて夢中になった。
二人は帰る途中、こんな他愛も無い話をしていた。
「いい人達でしたね。もう一度行けないでしょうか?」
「今はそれよりも金のことを考えろ。私達はもうすぐ歴史に名を残すのだ」
しかしその夢ははかなく散ることとなった。
二人は確実にもとの時代の元の場所に戻ってきたのだが、そこに研究室は無く、ゴミ捨て場だった。
二人の目の前では車がチューブの中を飛び、天まで届く高層ビルばかりが並んでいる。
どうやら原始人たちにライターを与えたために、彼らは文明を急激に発展させたらしい。
もうこの頃にはタイムマシンはすでに発明されているらしく、博士の発明はずいぶん幼稚なものになっていた。




