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満ちる。  作者: 雨世界
5/9

5 あいにーでゅー。

 あいにーでゅー。


「ここで乗り換えるの?」

「うん。ようだよ」

 白玉にとことことまるで小さな子供みたいついて行くようにようにして世間知らずのお嬢様である(白湯の家はお金持ちだった。まあ白湯の学校に通っている生徒たちはだいたいみんなお金持ちだったけど。そういうお坊ちゃんとお嬢様の通う伝統ある学校なのだ)白湯は電車にのって高いビルのある街の中を移動をしていた。

 白湯は人がいっぱいいるところや電車も少し苦手だったけど、今日はそんなことはまったく気にならなかった。白湯はお昼休みからずっとご機嫌だった。(そのわけはもちろん今の奇跡のような幸運な状況にあった)

 白湯は学校の指定の鞄ともう一つの自分の肩掛け鞄の二つの荷物を持っている。

 白玉は学校の指定の鞄と背中に小さめの黒いリュックサックを背負っていた。(白玉は鞄一つ持とうか? と言ってくれたのだけど、白湯は大丈夫と言って断った)

 美術館までの移動中、白玉はずっと無口でいつもの白玉のままだった。白湯もあんまりおしゃべりしないで、黙ったままで白玉にくっついていった。(それがいつもの二人だった)

 あいにく天気は悪かった。今日は朝からずっと曇っていたのだけど、電車の窓の外ではぽつぽつと冷たい冬の雨が降りはじめていた。(もしかしたら今年初めての雪になるかもしれないと天気予報では言っていた)

「ここで降りるよ」と白玉が久しぶりに口を開いて言ったので「わかった」と言ってにっこりと笑って白湯は白玉についてゆっくりと停車した緑色の電車から降りた。そのままたくさんの人たちの流れと一緒に(川に流される落ち葉のように)歩いて、大きな駅の出入り口のところまで移動した。

 空は真っ暗で、大きな駅の外では電車の窓から見たように雨が降っている。(冷たくて、静かな小ぶりの雨だった)

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